2023年7月22日土曜日

全国民必須の原発基礎知識(植草一秀氏)

 14年5月21日、関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めを命じる判決を下したことで一躍有名になった福井地裁の裁判長樋口英明氏は、退官後、日本の原発の耐震性の脆弱性を訴える活動を継続しています。

 植草一秀氏が掲題のブログで、樋口英明氏の新著(7月21日刊行)『南海トラフ巨大地震でも 原発は大丈夫 と言う人々』(旬報社)https://x.gd/f1SHK を紹介しました。
 同書の冒頭には、米国がイギリスから独立するにあたって決定的な影響を与えたトマス・ペインの『コモン・センス』の言葉
「私が示すのは単純な事実と平明な主張、そして常識である。
読者にあらかじめお願いしたいことがある。
第一に、固定観念や先入観を捨てて、理性と感情を働かせて自分で判断をくだすこと。
第二に、人間としての真の品性を身につけること。いや、保つこと。
第三に、現在のことにとどまらずに未来にまで視野を広げること。(要旨)」
が紹介されています。

 樋口氏
原発問題の本質は第一は、原子炉に、電気を使い、水を送り続けるという人の管理が必要不可欠であること。第二は、人の管理に問題が生じて事故が発生すると壊滅的な影響が生じる ということのたった二つである」と述べ、
原発というのは、いざ事故が起きてしまうと想像を絶する被害が発生するが、その事故は電気で水を送り込むという人の管理を外れただけで起きてしまう。
 このことから、原発はリスクが大き過ぎるからやめるべきだと多くの人が考える一方、それに匹敵する多くの人が、それだけリスクの大きな原発を動かすのだから、それなりの対応が取られているはずだと思い込んでしまうが、この先入観こそが最大の敵だ
と指摘していることも紹介しました。

 そして原発の脆弱性については、
日本の原発は震度6弱が来ると危なくなり、震度6強が来ると本当に危なくなり、震度7が来ると絶望的になる。これが日本の原発耐震性能の現状だ
と述べているとも
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全国民必須の原発基礎知識
               植草一秀の「知られざる真実」 2023年7月19日
アメリカ合衆国がイギリスから独立するにあたって決定的な影響を与えたといわれるトマス・ペインの『コモン・センス』(光文社)第3章の冒頭部分。
「私が示すのは単純な事実と平明な主張、そして常識である。
読者にあらかじめお願いしたいことがある。
第一に、固定観念や先入観を捨てて、理性と感情を働かせて自分で判断をくだしていただきたい。
第二に、人間としての真の品性を身につけていただきたい。
いや、保っていただきたい。
第三に、現在のことにとどまらずに未来にまで視野を広げていただきたい。
前置きは以上の点に尽きる。」
名文だ。暗唱する価値のある文章。

上記の文章は樋口英明氏の新著(7月21日刊行)
南海トラフ巨大地震でも 原発は大丈夫 と言う人々』(旬報社)https://x.gd/f1SHK
 の「はじめに」に記述されているもの。
6月14日開催の「そうだ、選挙に行こう!政策連合大集会
  https://x.gd/qFodZ 
  https://x.gd/HKMp3 
  https://youtu.be/LJEpK0YwSBA 
で樋口英明氏が講演くださった。

樋口氏の講演内容をブログ記事、メルマガ記事に掲載させていただいた。
脱原発をさえぎる本当の敵  https://x.gd/V7x14 
瞬時に国を滅ぼす戦争と原発 https://foomii.com/00050 

樋口氏は原発問題の本質は極めてシンプルであると指摘される。
本質はたったの二つ。
第一は、原子炉に、電気を使い、水を送り続けるという「人の管理」が必要不可欠であること。
第二は、人の管理に問題が生じて事故が発生すると壊滅的な影響が生じるということ。
この二つが問題の本質。

3.11で日本の総責任者3人がことごとく東日本壊滅を覚悟した。
しかし、信じられない数々の奇跡が重なり、東日本壊滅が回避された。
だからといって、このリスクを軽視するわけにはいかない。
原発というのは、いざ事故が起きてしまうと想像を絶する被害が発生する。
しかも、その事故は電気で水を送り込むという「人の管理」を外れただけで起きてしまう
このことから、原発はリスクが大き過ぎるからやめるべきだと多くの人が考える一方、それに匹敵する多くの人が、それだけリスクの大きな原発を動かすのだから、それなりの対応が取られているはずだと思い込んでしまう。
この「先入観」こそが最大の敵だと樋口氏は指摘される。

最重要の事実がある。
それは、日本の原発の耐震性能が決定的に不足しているという事実。
詳細な説明は樋口氏の新著をご高覧賜りたい。
端的に表現すれば、日本の原発は震度6弱が来ると危なくなり、震度6強が来ると本当に危なくなり、震度7が来ると絶望的になる。これが日本の原発耐震性能の現状だ。

原発裁判で争われているのは、「強い地震が来たときに原発が大丈夫かどうか」ではなく「原発の敷地内にだけは強い地震が発生しないかどうか」なのだ。
電力会社は原発の敷地内にだけは強い地震が来ないから安心しろと主張している。
冷静な視点で電力会社のこの主張を信用できる人がどれだけ存在するか。
このような状況下で、東北電力は宮城県所在の女川原子力発電所再稼働方針を示している。
この原発は原発の耐震性能を示す基準地震動を上回る地震動を何度も受けてきた老朽原発である。

フクシマ原発事故以来、東日本で12年以上も動いていない原発が動かされようとしている。
現在の避難計画では有事の際に住民が逃げられないことも明らかにされている。
「「ストップ!女川原発再稼働」意見広告の会」が賛同、協力を求めて活動している。
  https://readyfor.jp/projects/stop-onagawa-nuke 
日本の主権者が積極的に動かなければ悲劇が繰り返されることになる。
市民が行動することが最重要だ。

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