2023年12月18日月曜日

18- 東海第2原発の再稼働求める請願を採択 茨城・東海村議会

 茨城県の東海村議会は15日、東海第2原発の再稼働を求める請願を賛成多数で採択し、再稼働反対の請願を否決しました
 発電事業者の原電は18年3月に周辺自治体にも再稼働に際して一定の権限を認める安全協定を締結しました。それは再稼働に当たっては周辺自治体に事前に了解を得るというもので、自治体に事実上の拒否権が与えられたものとして注目されてきました。しかし本元の東海村議会が再稼働を求める請願を出すに至っては拍子抜けです。
 また東海第2原発では避難計画に実効性が欠けているとして、21年3月に水戸地裁が再稼働を認めない判決を出しました(東京高裁で控訴審中)。ところが肝心の計画の練り直しは順調ではなく、山田村長は計画の公表を一旦は年内に行うとしましたが、まだまだ十分にまとまらず年内の公表は無理な感じです。まずは避難計画の完全化が求められます。
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東海第2原発の再稼働求める請願を採択 茨城・東海村議会
                            毎日新聞 2023/12/15
 茨城県の東海村議会は15日、日本原子力発電東海第2原発の再稼働を求める請願を賛成多数で採択した。2011年の東京電力福島第1原発事故以降、東海第2の事前了解に関わる自治体の議会が再稼働賛成を正式に表明するのは初めて。山田修村長は「(採決結果を)尊重したい」と報道陣に話した。
 請願は21年4月以降、村商工会などが再稼働賛成の立場で2件、市民団体などが反対の立場で3件を提出。15日の本会議は、付託された原子力問題調査特別委員会と同様に賛成請願を賛成多数で採択、反対請願を賛成少数で不採択とした。最大会派「新政とうかい」は請願を受け、再稼働を求める意見書案2本を提出し、いずれも可決された。年内に首相らに郵送する。
 採決にあたって特別委は、地元経済の活性化 ▽安全対策工事の進展 ▽脱炭素社会の実現 ▽広域避難計画公表の目安が示されたこと――などを理由に結論を出したと報告。一部の世論調査で再稼働賛成が反対を上回ったことも加えた。

 新政とうかいの議員は討論で、工事や避難計画の進捗(しんちょく)を踏まえ「再稼働について議論を進める下地ができつつある」「村は原子力企業と共存してきた」と主張。再稼働反対の議員は「工事が未完了なのに再稼働の根拠にするのは早い」「事故が起きない保証はない」などと述べた。
 閉会後、山田村長は報道陣に「(採決結果は)住民の意向の一つ。尊重したい」とした。村は原電との安全協定に基づき再稼働に対して事前了解権を持つが、再稼働に同意するかは「いろいろなステップがあり、時々で判断したい」と述べるにとどめた。

 また山田村長が避難計画の公表時期を「年内を一つの目標」と掲げたことが再稼働賛成議員の論拠ともなったが、策定前に必要な村防災会議が未開催なため、年内公表は「なかなか難しい」と後退した。【木許はるみ】