2023年12月30日土曜日

規制委員長「慎重の上に慎重を重ねて検査した」…柏崎刈羽原発の運転禁止を解除

 原子力規制委27日、柏崎刈羽原発に出していた事実上の運転禁止命令を解除しました。
 日午前の規制委の定例会合では、委員5人全員が命令解除に賛成し規制委の山中伸介委員長は記者会見で、「慎重の上に慎重を重ねて検査した。今後も東電の改善の取り組みを見ていく」と述べました。
 規制委は、福島第一原発事故を起こした東電に原発事業者としての「適格性」があるかの再確認もし27日の会合では適格性についても改めて認めました。
 東電は今後、柏崎刈羽原発の再稼働に向けて新潟県と、立地自治体である柏崎市、刈羽村の同意を得るとしていますが、両市村長が再稼働におおむね容認の姿勢を示す一方、花角英世知事は態度を明らかにしていません
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山中伸介委員長「慎重の上に慎重を重ねて検査した」…柏崎刈羽原発の運転禁止を解除
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 原子力規制委員会は27日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)に出していた事実上の運転禁止命令を2年8か月ぶりに解除した。不備が指摘されてきたテロ対策について「自律的な改善が見込める」と判断した。再稼働に向けて今後、地元同意が焦点となる。
 27日午前の規制委の定例会合では、委員5人全員が命令解除に賛成した。規制委の山中伸介委員長は記者会見で、「慎重の上に慎重を重ねて検査した。今後も東電の改善の取り組みを見ていく」と述べた

 同原発は、原子炉7基を持つ世界最大級(出力計821万2000キロ・ワット)の原発。このうち6、7号機は2017年12月、規制委の安全審査に合格したが、21年1月以降、侵入検知設備の不備や、所員によるIDカードの不正利用など核物質防護上の問題点が相次いで発覚。規制委は同年4月、核燃料の移動を禁ずる是正措置命令を出した。
 東電は、侵入検知設備の誤作動対策や、生体認証装置の拡充などを実施。同原発内に社長直属の部署を新設し、社長主導で問題を解決する仕組みも整えた。事務局の原子力規制庁は今月6日、「是正が図られている」とする報告書案を公表していた。
 規制委は、福島第一原発事故を起こした東電に原発事業者としての「適格性」があるかの再確認もしてきた。27日の会合では適格性についても改めて認めた

 東電は今後、柏崎刈羽原発の再稼働に向けて新潟県と、立地自治体である柏崎市、刈羽村の同意を得るとしている。両市村長が再稼働におおむね容認の姿勢を示す一方、花角英世知事は態度を明らかにしていない

 花角知事は、規制委の命令解除後に再稼働の是非を判断し、県民の意思を確認する考えを示す。県民の意思を確認する方法は、「信を問う方法が責任の取り方としてもっとも明確だ」と繰り返し、出直し知事選の可能性も否定していない。