海洋放出による中国の水産物輸入停止で、佐渡市のナマコ養殖も影響を受けています。5日、ナマコの子ども3万9千匹が湖に放流されました。東電は賠償に応じる構えですが、この事態がずっと続けば加工業者の在庫が貯まり漁業者は休業に追い込まれます。
筋からいえば東電にはずっと保証する義務がありますが、現実はどうなるのか、漁業者の不安は募るばかりです。
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佐渡産ナマコも「中国が禁輸」 原発処理水放出の影響 東電が補償検討も募る不安【新潟】
UX新潟テレビ21 2023/12/5
福島第一原発の処理水放出による中国の水産物輸入停止で、佐渡市のナマコ養殖も影響を受けています。5日、ナマコの子どもの放流が行われましたが関係者は、先行きに不安を抱えています。
5日、「種苗」と呼ばれるナマコの子ども3万9千匹が、佐渡市の2つの漁協に出荷されました。
2万4千匹を仕入れた加茂湖漁協ではさっそく湖の底に種苗を放流しました。
中国への輸出再開は見通せませんが、今シーズン水揚げされたナマコについては市内の業者が買い取りを決めています。
また東京電力も漁業者に対して賠償の方針を示しています。
輸入停止前の平均価格より価格が下がった場合に差額を賠償するとしていて、11月に説明会が開かれたということです。
しかし、漁業者の不安は募るばかりです。
■加茂湖漁協 山本博文組合長
「補償は当然だと思うんですけど、禁輸処置がいつまでも続くと加工業者の在庫がたまって来てどうしても買えなくなってくる。そうなったら私たち休漁しなければならなくなります。」
また種苗の養殖業者にもキャンセルが入っていて、コスト削減のため6千万匹いた種苗を200万匹に減らすなど対応を強いられています。
■養殖業者・浦島三和 須藤由彦社長
「今、この種苗の出荷が終わるまで交渉を待ってもらっている。けっして東電は見放しているわけではないんで、漁師さんも生きなくてはならないし、うちも生かしてもらわなきゃならない」
この業者は乾燥ナマコの輸出も手がけていて、輸入停止の長期化を心配しています。