2025年4月24日木曜日

24- 福島第1原発2号機 デブリ2回目採取完了

  東電は23日、福島第1原発2号機から2回目となる溶融核燃料(デブリ)の試験的取り出しを完了しました。採取したのは1回目より1~2メートル先の原子炉格納容器底部の中心付近にあるデブリで、大きさは7ミリ以下、重さは3グラム以下とみられます

 これはデブリ全量8・8トンに比べると余りにも微量で「取り出し」といえるのか躊躇するばかりです。
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デブリ2回目採取完了 福島第1原発2号機 知見生かし規模拡大へ
                           福島民報 2025/04/24
 東京電力は23日、福島第1原発2号機から2回目となる溶融核燃料(デブリ)の試験的取り出しが完了したと発表した。今回は昨年11月に完了した初回とは異なる場所から採取。デブリの成分や撮影した炉内の画像などのデータを大規模取り出しの工法の具体化など廃炉作業を新たな段階に進めるのに役立てる。2回の作業の知見を生かし、東電は広範囲での採取が可能となるロボットアームを2025(令和7)年度後半にも投入する。規模を拡大することで、早期取り出しへの道筋を付ける考えだ。

 東電によると、23日は午前9時ごろに作業を開始。作業員が装置を収納している構造物の側面扉を開けて、デブリの入った運搬容器を取り出した。容器ごとコンテナに入れて同日午前10時15分に2回目の採取作業が完了したと判断した。デブリは建屋内にある分析装置「グローブボックス」に運び込んだ。重さや放射線量などを測定する。
 デブリの性状や分布の情報量を増やすため、今回は原子炉格納容器の中心部に初回よりも1~2メートル近い場所から採取した。中心部の真上には溶け落ちる前の核燃料があった原子炉圧力容器などがあるが、詳しい状況やデブリの堆積の具合などは不明な点も多い。今後、日本原子力研究開発機構(JAEA)大洗原子力工学研究所(茨城県大洗町)に輸送し、調べることで炉内の詳細な状況の把握につながる可能性もある。また、カメラで確認できた中心部周辺の画像も改めて分析する。
 初回採取時は、装置を押し込むパイプの並び順を誤るなどトラブルが相次いだ。教訓を踏まえ、不具合を起こしたカメラを新品に取り換えた他、デブリ採取に携わる全作業員の手順確認などの訓練を徹底するなど対策を講じた。結果、目立ったトラブルはなく着手から9日での作業完了となった。東電は「1回目の改善策を反映し順調に作業を進められた」と作業を重ねる意義も強調した。

 今年度後半にも投入されるロボットアームは2月までに性能確認などの試験が完了している。現在、楢葉町の研究施設でモーターやケーブルの状態を確認する全体点検を実施中という。ロボットアームでは原子炉内の映像撮影などによる調査も行う。2回の取り出し作業で得られた知見を踏まえ、採取回数をいかに増やせるかが今後の鍵となりそうだ。
 政府と東電は2051年までに廃炉を終える目標に向け、2030年代初頭に3号機での本格的なデブリ取り出しを始める計画だ。林芳正官房長官は23日の会見で「本格的な取り出しに向けた検討など、今後の廃炉作業に一層の知見が得られることを期待している」と述べた。


福島第一原発2号機で2回目のデブリ取り出し成功…東京電力、3グラム以下を複数個
                            読売新聞 2025/4/23
 東京電力は23日、福島第一原子力発電所2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出しに成功した。デブリの回収は昨年11月以来、2回目となる。今回は1回目と異なる地点のデブリを採取しており、東電は複数のサンプルを比較分析して、原子炉内の状況把握などを進めたい考えだ。
【写真】デブリ取り出し2で使用された、爪が取り付けられた釣りざお式装置の先端部
東電によると、同日午前10時15分、原子炉の外にある金属製スペースでデブリを樹脂製の専用コンテナに収容し、試験的取り出しを完了させた。初歩的ミスなどで作業が2度中断した1回目の反省から、予行演習を約2週間実施するなど準備に万全を期してきた。
 今回のデブリは、「釣りざお式装置」の先端から垂らしたケーブルに取り付けた爪状の器具で17日につかんだ。装置を入れる長さや角度を変えることで、1回目より1~2メートル先の原子炉格納容器底部の中心付近にあるデブリを採取した。デブリの大きさは7ミリ以下、重さは3グラム以下とみられ、複数に分かれている。
 回収したデブリは今後、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構の分析施設に運ばれる。東電は次回の試験的取り出しでは、より広範囲で動かせるロボットアームを導入する方針だ。
 2011年の福島第一原発事故では推計約880トンのデブリが発生し、その回収は廃炉の最難関とされる。政府と東電は51年までの廃炉完了を掲げている。