2025年5月12日月曜日

「手に負えない東海第2原発 それでも動かしますか?」樋口英明元裁判長の講演会

 グループ「ひろば葛飾から」の主催で5月10日、14年に大飯原発3,4号機の運転差し止め判決そして15年に高浜 原発3,4号機の運転差し止め仮処分決定を出した樋口英明・元裁判長による講演会「手に負えない東海第2原発 それでも動かしますか?」が葛飾区亀有で開催されました。
 樋口さんは「原発の本質はただ二つ」で、「人が管理し続けないといけない」ということと「人が 管理できなくなったときの事故の被害は想像を絶するほど大きい」と何度も強調しました。
 また原発を止めた理由としては、つぎの4点 ①原発の過酷事故は極めて甚大な被害 をもたらす ②それ故に原発には高度の安全性が求められる ③地震大国日本において原発に高度の耐震性が求められる (しかし)④わが国の原発の耐震性は極めて低い(よって原発の運転は許されない) をあげました。
 講演の後は亀有駅前でスタンディングを行い、樋口さんも一緒に立たれたそうです。
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「手に負えない東海第2原発 それでも動かしますか?」樋口英明元裁判長の講演会
                  尾澤邦子 レイバーネット日本 2025-05-11
















尾澤邦子
 5月10日(土)グループ「ひろば葛飾から」の主催で、樋口英明元裁判長の講演会が葛 飾区亀有で開催され参加しました。「手に負えない東海第2原発 それでも動かしますか ?」と題した講演は、原発の運転は許されないことが、とてもよくわかりました。
 樋口英明さんは、2014年5月に大飯原発3,4号機の運転差し止め判決、2015年4月に高浜 原発3,4号機の運転差し止め仮処分決定を出した元裁判長です。どんなお話が聞けるのか 楽しみでした。
 「原発の本質はただ二つです」「人が管理し続けないといけない」ということと「人が 管理できなくなったときの事故の被害は想像を絶するほど大きい」と何度も強調しました 。トラブルがあったとき、火力発電は止めれば安全になる。しかし原発は止めただけでは 安全ではない。沸騰が続くので空焚きになってメルトダウンしてしまう。水を送り、冷や し続けなければならない。東電福島原発は津波で地下の電源が切れ、停電で大事故になっ た。
 樋口さんは原発を止めた理由を4点話しました。①原発の過酷事故は極めて甚大な被害 をもたらす。②それ故に原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められる 。③地震大国日本において原発に高度の安全性が求められるということは、原発に高度の 耐震性が求められるということにほかならない。④しかし、わが国の原発の耐震性は極め て低い。よって原発の運転は許されない。
 とてもすっきりわかりやすく納得できました。福島原発の事故は、危うく首都圏も住め なくなるような状況だったと話していました。本当に恐ろしいことです。加えて驚き、許 せないと思ったのは、原発容認派が「原発敷地内には大きな地震は来ない」と開き直って いること。四国電力は「マグニチュード9の南海トラフ地震が伊方原発を直撃しても、181 ガル(震度5弱相当)を越える地震は来ない」と言っているとのこと。あきれる。
 原発を止めるために具体的にどうするか、樋口さんは「原発の危険性を知ったら、それ を二人に伝える。その二人は、また二人に伝える」と、ネルソン・マンデラ大統領の「何 事もそれが成功するまでは不可能に思えるものである」という言葉を紹介して講演を終え ました。

 質疑で、「原発は再生可能エネルギーに比し、安定しているのではないか」との質問に 対し、「原発は不安定だ。原材料のウランは少ないし、事故が起こったら致命的だ。いっ たん止めたら動くまでに時間がかかるし、調整ができない」と話していました。
 講演の後は亀有駅前でスタンディング。樋口さんも一緒に立ってくれました。