柏崎刈羽原発で重大事故が起きた際、5キロ圏の避難に177台、5~30キロ圏で最大1357台の避難用バスが必要とされています。
県内事業者だけで必要台数を確保できず不足する時に、新潟県が応援を依頼する山形など隣接5県でも具体的に稼働できる台数が決まっていないことが分かりました。
では新潟県内で実際に使える台数は把握されているのでしょうか。共同通信が新潟県バス協会の会員58社に尋ねた結果、回答した41社で保有する計1282台のうち、1割強に当たる134~177台の稼働しか見通せないことが判明しているということです(この1割強というのは極めて高い比率と考えられます)。
必要な台数を実際に確保できるかどうかは避難計画の基本事項であり、各バス会社毎に「所有するバスのうちの何台が実際に避難用に使えるのか」の確約を得ておくことが必須です。その保障がなければ、避難計画は「絵に描いた餅」で何の実効性もなくなります。
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避難バス、隣県稼働台数見通せず 柏崎刈羽原発、事故対応に不安
共同通信 2025/5/10
新潟県の東京電力柏崎刈羽原発で重大事故が起きた際、住民避難を担うバスが県内事業者だけでは必要台数を確保できるか懸念される問題で、不足時に同県が応援を依頼する山形など隣接5県でも具体的に稼働できる台数が決まっていないことが10日、5県や各県バス協会への取材で分かった。
国の住民避難計画を含む緊急時対応案では5キロ圏の避難に177台、5~30キロ圏で放射線量の基準値を超えた場合に最大1357台が必要と想定される。新潟県内で不足した際は、5県の214社(5676台保有)から調達するとしているが、必要数の確保が一層不透明な実態が浮かんだ。
国の計画では、バスで対応できなければ、自衛隊などの支援を想定しており、災害派遣を担う陸上自衛隊第12旅団(群馬県榛東村)は「避難支援の準備はあるが、具体的な計画は公表できない」とした。
一方、共同通信が新潟県バス協会の会員58社に尋ねた結果、回答した41社で保有する計1282台のうち、1割強に当たる134~177台の稼働しか見通せないことが判明している。