柏崎刈羽原発地下の断層を調査していた東電は、「活断層の可能性を示すデータは確認できなかった」と結論づけました。同原発では1号機と2号機の真下を「α断層」と「β断層」が走っていますが、12万から13万年前よりあとに動いた痕跡は確認されず、24万年前ごろまで見つかっていないということです。
活断層の定義については、規制委のなかで一時「40万年以降に動いたものとする」という方針が出ましたが、最終的には「“12万から13万年前以降に活動したかどうか”で評価をし、明確に判断できない場合には、“40万年前以降”にさかのぼって評価する」という、何かよく分からない定義に落ち着いたということです。
もともと原発直下の活断層が注目されるようになったのは中越沖地震に直撃された柏崎刈羽原発がきっかけでしたし、先日の淡路大地震でもそうでしたが、地震が起きて初めて活断層が通っていることが分かるという実態があります。当事者である東電が活断層を調査をすることが妥当なのかどうかも含めて、その判定については最大限の慎重さが求められています。
以下にNHKニュースを紹介します。
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東電「柏崎刈羽 活断層のデータなし」
NHK NEWS web 2013年4月18日
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の1号機と2号機の真下を走る断層について、東京電力は、「活断層の可能性を示すデータは確認できなかった」とする調査結果をまとめ、国の原子力規制委員会に報告することになりました。
原発の運転再開には、活断層かどうかの評価が必要で、規制委員会は報告を受けて対応を決めることにしています。
東京電力は、柏崎刈羽原発の敷地内の断層について、去年8月、専門家が参加した国の会合で、年代を詳しく評価すべきだと指摘されたため、ボーリング調査を7か所で行い、地層に含まれる化石などを分析してきました。
その結果、1号機と2号機の真下を走る「α断層」と「β断層」という断層について、原発に関わる活断層の定義となっている、12万から13万年前よりあとに動いた痕跡は確認されなかったということです。
また東京電力は、断層が動いた痕跡は24万年前ごろまで見つかっていないとしていて、「活断層の可能性を示すデータは確認できなかった」とする調査結果をまとめ、近く、規制委員会に報告することになりました。
規制委員会は、断層の調査を行うことになっている、6か所の原発とは別に、柏崎刈羽原発など4か所について、電力会社などからの報告を受けて対応を決めることにしています。
原発の運転再開の前提となる、7月に施行される新たな規制基準では、活断層について、これまでどおり「12万から13万年前以降に活動したかどうか」で評価をし、明確に判断できない場合には、「40万年前以降」にさかのぼって評価することが盛り込まれています。