民間団体「安全・安心研究センター」が全国1200人に行った意識調査で、圧倒的多数の人たちが「原発は社会にとって危険」と考えているという結果が出ました。
原発が社会に対して「危険である」という意識は福島原発の事故後に急増し、今年3月の調査でも「危険が非常にある」と「危険がかなりある」を合わせると約82%に上りました。
以下に東京新聞の記事を紹介します。
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福島事故から2年 再稼働 なお反対多数
東京新聞 2013年4月24日
全国の千二百人を対象にした民間団体「安全・安心研究センター」(東京都渋谷区)の意識調査で、圧倒的に多くの人が「原発は社会にとって危険」と考えているという結果が出た。原発への危機意識は東京電力福島第一原発事故後に高まり、事故から二年以上経過しても高止まりしている。センターの広瀬弘忠代表は「多くの人がいつ原子力災害が起こるか、不安に感じている」と指摘する。
調査は、地球温暖化やテロなど十項目前後で日本人の危機意識を調べる目的で、十五~七十九歳の男女を対象に一九九三年から実施。二〇一〇年九月までは広瀬氏が名誉教授を務める東京女子大が行い、その後はセンターが一一年六月、一二年三月、一三年三月に調査している。
原発の社会に対する危険について「非常にある」「かなりある」「少しある」「全くない」から選択する設問で、一〇年九月に13・2%だった「非常にある」は、事故後の一一年六月は49・6%に急増。一三年三月は50・3%だった。事故後はいずれも、八割前後の人が「非常にある」「かなりある」と回答し、原発への強い危機感を浮かび上がらせた。「全くない」は、一〇年九月に3・7%だったが、事故後は1%台で推移している。
一三年三月の調査は、原子力規制委員会が安全と認めた原発の再稼働の賛否を初めて尋ねた。「大いに賛成」は5・3%、「おおむね賛成」40・3%、「おおむね反対」33・2%、「全く反対」20・6%で、反対が賛成を上回った。
民主党政権時代の一一年十二月に収束宣言が出された福島第一原発の現状について、収束していないと考えている人は93・6%に及んだ。今後、各地の原発が再稼働した時に福島第一原発と同程度の事故が起こる可能性について「起こる」とした人は22・9%、「たぶん起こる」は56・8%で、「起こらない」「たぶん起こらない」を合わせた19・4%を大きく上回った。
広瀬氏は「時間の経過とともに原発への危機意識は減ると思ったが、薄らいでいない。日本の原子力政策は難しくなっている」と話す。