原子力市民委員会(座長=大島堅一・龍谷大学教授)は3月、福島第1原発の廃炉について、「汚染水発生量ゼロ」の目標を明確化し、燃料デブリは取り出しを中止して安全に長期遮蔽管理するよう求める提言を行いました。
先ずアルプス処理汚染水を海洋放出する方式は、デブリからの発熱がある限り半永久的に継続する必要があり(デブリから放出される放射性物質は一見希釈されるように見えて、その実全量が海に排出されます)科学の最先端とは対極にあるものです。
この愚行を止める具体策は、別掲の記事「福島第1原発事故 『廃炉』の課題と展望」で岩井氏の提案した「デブリ取り出しも原子炉解体もせずに事故機の建屋を上部から堅固な構造物で覆って、下部にお椀状の「地下ダム」を設置して地下水と遮断する方式」によって実現できます。
政府はIAEAが現行の方式を認めているからということではなく、この際 地球(=海)を汚さない本格的な対策を志向すべきです。
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汚染水ゼロ・デブリ長期管理を 原子力市民委
しんぶん赤旗 2024年4月28日
脱原発社会の構築に向けた議論・政策提言などを行っている原子刀市民委員会(座長り大島堅一・龍谷大学教授)は3月、福島第1原発の廃炉について、「汚染水発生量ゼロ」の目標を明確化し、燃料デブリは取り出しを中止して安全に長期遮蔽管理するよう求める提言を発表しました。
提言は、汚染水の大量発生を止められずに、漁業関係者や市民、近隣諸国からの強い反対を押し切って開始された「ALPS(多核種除去設備)処理汚染水」の海洋投棄が続くことは看過できないと指摘。しかし政府が定めた工程表(中長期ロードマップ)には、汚染水発生量ゼロの目標がないうえに、燃料デブリの全量取り出しの技術的見通しも立たず、その最終的行き先が不明であることから、工程表の見直しが必要だとしています。
市民委は、提言について政府・東京電力と意見交換した結果を、4月16日のオンライントークで報告。担当した川井康郎さんは、海洋放出を強行して政府・東電は「汚染水ゼロ」へのモチベーションを失ったのでないかぺ感想を述べました。