2024年5月20日月曜日

「核汚染水」と呼ぶ中ロ共同声明に日本が「遺憾」表明

 日本政府は、中国とロシア首脳共同声明16日)で、福島第1原発の汚染水を「核汚染水」と呼称したことについて、事実に反すると抗議しまし
 しかし正常な原発では核燃料はジルコニウム菅で被覆されていて系内の水と直接触れることはなく、且つ系内の金属イオンは常時イオン交換樹脂によってほぼ完全に除去されている(トリチウムは水に中性子が当たることでごく僅か発生)のに対して、ALPS処理水は核燃料のデブリから溶出する汚染物資を吸着処理しただけのものなので、その汚染度は比較にならず、純水と泥水ほどの違いがあります。核汚染水と呼ぶ方が正確でしょう。
 そもそもを海水で希釈するのは、例えば煙の煤塵量を煙突の途中に大量の空気を吹き込んで見掛けの濃度を薄めるのと同様で無意味です。
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「核汚染水」呼称の中ロ共同声明…日本政府「遺憾」表明
                         ハンギョレ新聞 2024/5/18
外交ルートを通じて抗議
 日本政府は、中国とロシアが16日の首脳会談後に発表した共同声明で、福島第1原発の汚染水を「核汚染水」と呼称したことについて、事実に反すると抗議したことを明らかにした。
 林芳正官房長官は17日午前の定例記者会見で、「中ロ両国が共同声明でALPS(多核種除去設備)処理水の海洋放出について、事実に反する言及を行ったことは大変遺憾」であり、「外交ルートを通じて中国側とロシア側の双方に抗議した」と述べた。林長官は「(海洋放出については)IAEA(国際原子力機関)の包括報告書でも関連の国際安全基準に合致しており、人および環境への影響は無視できる程度だと結論づけられている」として、「(放出開始後も)科学的観点から何ら問題は生じていない」と主張した。

 中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、16日に北京で発表した共同声明で、福島原発汚染水の海洋放出について、「核汚染水」と呼び、「中ロは深刻な懸念を表明する」と明言した。さらに「関係国も独立したモニタリングができるよう尊重せよ」と求めた。
 一方、東京電力はこの日午前、福島第1原発の汚染水の6回目の放出を始めたことを明らかにした。今回の放出は来月4日まで実施され、放出量はこれまでと同じ7800トンになる。東京電力は昨年8月に初の海洋放流を開始し、7日までに5回にわたり合計約3万9000トンの汚染水を海に放出した。
             東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


林官房長官は〝遺憾砲〟だけで済ませるのか 中国、日本の水産施設登録を全て無効にしていた 登録がないと中国に輸出できず
                            夕刊フジ 2024/5/18
中国の税関当局が、日本国内にある水産物輸出業者の加工や保管などの施設登録を、5月から全て無効にしていたことが分かった。登録がないと中国への輸出はできないという。中国は昨年8月から、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けて日本産水産物の輸入を停止しているが、今年4月までは施設の登録を有効のまま維持していた。今回の措置により日本からの水産物輸出にどのような影響が出るのかは不明だ。

岸田文雄首相は昨年11月、習近平国家主席との会談で日本産水産物輸入停止の即時撤廃を求めた。両首脳の議論は平行線だったが、対話を通じた問題解決の方法を見いだしていく考えで一致した。だが、習主席は16日のロシアのプーチン大統領との首脳会談での共同声明で、東京電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼んだ。

林芳正官房長官は「事実に反する言及を行ったことは大変遺憾だ」と述べ、外交ルートを通じて両国に抗議したという。「中露に対し丁寧かつ透明性をもって説明していく」と語ったが、〝遺憾砲〟だけでは事態は好転しそうもない。