原子力規制委は29日、25年に運転開始から40年を迎える関西電力高浜原発3、4号機について、最長20年の運転延長を認可しました。40年超の運転が認められたのは全国7、8基目で、規制委は最長20年の延長は「極めて例外的」としていた筈ですが、これで申請された計8基がすべて認可されました。今後10年で運転開始から40年を超える原発は更に14基あります。
特別点検の結果、原子炉や格納容器などの重要設備の劣化具合に問題がないことを確認したとしていますが、どんな点検内容でどんな根拠で20年間も延長できると判断したのかについては何も明らかにしていません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福井・高浜原発3、4号機、40年超の運転認める 原子力規制委
毎日新聞 2024/5/29
原子力規制委員会は29日、2025年に運転開始から40年を迎える関西電力高浜原発3、4号機(福井県)について、最長20年の運転延長を認可した。40年超の運転が認められたのは全国7、8基目で、うち5基が関電の原発だ。
3号機は25年1月、4号機は6月に運転開始から40年となる。関電は特別点検の結果、原子炉や格納容器などの重要設備の劣化具合に問題がないことを確認した。
ただ3、4号機では、蒸気発生器の伝熱管に損傷が相次いで見つかっている。長期間の運転によるさびなどが原因とみられ、関電は26年度に全ての蒸気発生器を取り換える大規模な工事をする。
今回は、東京電力福島第1原発事故後にできた旧制度に基づく認可。23年に成立したGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法が定める新制度では、60年を超えた原発も運転できる。このためには、新制度に基づく規制委と経済産業相の認可を改めて受ける必要がある。
旧制度に基づく運転延長の認可は、関電高浜1、2号機▽関電美浜原発3号機(福井県)▽日本原子力発電東海第2原発(茨城県)▽九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)―が受けている。【高橋由衣】
2024年5月29日水曜日
福井・高浜原発3、4号機、40年超の運転認める 原子力規制委
原発審査体制の拡充を要望 立地道県議会議長らが規制委に
原発が立地する道県議会議長らでつくる協議会が28日、原子力規制委員会を訪問し、再稼働に向けた審査体制の拡充や、原発の安全性向上に継続的に取り組むことなどを要望しました。
要望は冒頭部分だけが公開されましたが、安全性向上と同時に審査の迅速化を狙った可能性もあります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原発審査体制の拡充を要望 立地道県議会議長らが規制委に
共同通信 2024/5/28
原発が立地する道県議会議長らでつくる協議会が28日、原子力規制委員会を訪問し、再稼働に向けた審査体制の拡充や、原発の安全性向上に継続的に取り組むことなどを要望した。対応した原子力規制庁の片山啓長官は「規制制度や基準の継続的な改善は、規制委の大事な使命だ」と述べた。
要望は冒頭のみ公開。終了後、協議会会長の園山繁島根県議会議長は報道陣に「審査がどこまで進んでいるか周辺住民へ丁寧にアナウンスしてほしいという意見が大半だ」と立地自治体の状況を説明した。
園山氏らは経産省で岩田和親副大臣とも会談し「立地地域の実情に即した経済・雇用対策や地域振興に、省庁横断の形で取り組んでほしい」と要請した。
除染多重下請けに是正勧告 国連報告書
日本を昨年訪れて人権と企業の現状を調査した国連人権理事会の作業部会は28日、福島第1原発事故後の除染作業での多重下請け構造を是正するよう日本政府や企業に求める勧告を盛り込んだ報告書を公表しました。
人権理事会の作業部会は多重下請の作業員の人権問題を調査したと思われますが、電力会社の工事では4次下請けや5次下請けを実際の作業に当たらせることが常態化していて、作業員の人工代としては1日4万円/人などの高額が計上されていますが、実際の作業員の手取りは、中間搾取によって僅かになるという現実があります。
その一方で工事代は計上された費用をベースに積算されるので、それが最終的に電気料に反映されるという不都合があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
除染多重下請けに是正勧告 国連報告書
共同通信 2024年05月28日
【ジュネーブ共同】国連人権理事会の作業部会は28日、東京電力福島第1原発事故後の除染作業での多重下請け構造を是正するよう日本政府や企業に求める勧告を盛り込んだ報告書を公表した。
作業部会は、借金返済のため除染作業を強いられたり労災補償を受けられなかったりする作業員がいることに深い懸念を示した。勧告には、福島第1原発から海洋放出する処理水に関する全情報の公表を続けるよう付け加えた。
東海第二原発工事不備 周辺自治体首長が初めて視察
東海第二原発では去年、防潮堤の基礎部分に不備が見つかり、一部の工事が中断しています。
防潮堤の基礎部分を周辺自治体のトップらが初めて視察し、鉄筋がむき出しになっている状況などを確認しました。基礎部分には、地下およそ50メートルまで柱が作られていますが、コンクリートが均一に充てんされず、ところどころ鉄筋がむき出しになっていました。
水戸市の高橋靖市長は28日の定例会見で「率直に言って、こんな下手な工事なのかと思った。鉄筋がむき出しだ。情けない」と述べました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
東海第二原発工事不備 周辺自治体首長が初めて視察
NHK茨城 NEWS WEB 2024年5月28日
茨城県東海村にある東海第二原発で去年、工事の不備が見つかった防潮堤の基礎部分を、周辺自治体のトップらが初めて視察し、コンクリートが均一に充てんされず、鉄筋がむき出しになっている状況などを確認しました。
日本原子力発電は東海第二原発の再稼働を目指し、ことし9月までの計画で安全対策工事を進めていますが、去年、防潮堤の基礎部分に不備が見つかり、一部の工事が中断しています。
27日は、東海第二原発の再稼働の際に、事前に了解を得る必要がある東海村など周辺の6つの市と村のトップらが初めて現場を視察しました。
基礎部分には、地下およそ50メートルまで柱が作られているところですが、コンクリートが均一に充てんされず、ところどころ鉄筋がむき出しになっていました。
参加者からは原因や対策について質問が相次ぎ、日本原電の担当者は柱の強度を高めるため、原子力規制委員会に申請している補強工事の内容を説明しました。
このあと非公開で質疑応答や意見交換が行われ、安全対策工事が予定通り終わるか問われると、日本原電は非常に厳しい状況だと回答したということです。
東海村の山田修村長は「鉄筋が斜めに変形している様子などを実際に見て、大変な不具合だと感じた。工事完了の時期についてはある程度の段階で見通しを示すべきだと思う」と話していました。
日本原電東海事業本部の坂佐井豊本部長は「ありのままの工事の様子を見てもらえたと思う。今後もし工期を変更する事態になったら速やかに連絡したい」と話していました。
原電の防潮堤施工不備 水戸市長「下手な工事 情けない」
東京新聞 2024年5月29日
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の防潮堤の施工不備を巡り、現場を視察した水戸市の高橋靖市長は28日の定例会見で「率直に言って、こんな下手な工事なのかと思った。鉄筋がむき出しだ。情けない」と述べた。
高橋市長は、東海第2の再稼働で事前了解が必要な周辺6市村でつくる「原子力所在地域首長懇談会」に合わせ、27日に施工不備があった防護壁の基礎部分などを視察。その後原電側と意見交換した。
懇談会座長の山田修・東海村長は視察後、原電が目標としている事故対策工事の9月完了について「9月に終わるとは思わない」と述べた。高橋市長も28日の会見で「同じです。終わらない」との見解を示した。
原電は9月完了を「非常に厳しい状況」としながら、見通しは変更していない。高橋市長は「(原発)賛成派も反対派も私たち行政も、(原電との)信頼関係が崩れていくことを自覚してほしい」と指摘した。(竹島勇)
29- 女川原発2号機 安全対策工事完了
女川原発2号機は、20年2月に原子力規制委の審査に合格し、「安全対策工事」として、原子炉建屋内の電線管が火災で損傷しないように断熱材などで補強する工事が行われていましたが27日に完了しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
女川原発2号機 安全対策工事完了「再稼働に向けて、確実かつ丁寧に進める」
ミヤギテレビ 2024/5/27
女川原発2号機は、2020年2月、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に合格し、発電所内での火災に備えるなどの「安全対策工事」が行われていた。
工事の内容は、原子炉建屋内の電線管が火災で損傷しないように断熱材などで補強するもので、東北電力によると、27日、工事が完了したということ。
9月の再稼働に向けて今後、放射能漏れなどの重大事故への対応やテロ対応への訓練などを行い、7月頃には核燃料が挿入される見通し。
東北電力の樋口康二郎社長は「安全確保を最優先に一つひとつのプロセスにしっかりと対応し、13年振りとなる再稼働に向けて、確実かつ丁寧に進めてまいります」とコメントしている。
一方、村井知事は「今後の試験・検査等は厳格かつ慎重に進め進捗状況は立地自治体や県民に丁寧に説明してほしい」とコメントしている。
2024年5月25日土曜日
全原発で地盤隆起対応確認 原子力規制委
お知らせ
都合により27日は記事の更新が出来ません。ご了承ください
能登半島地震で地盤が最高4mも隆起したことを受け、全国の原発で想定を超える隆起が起きても原子炉冷却に必要な海水をくみ上げられるかどうか、原子力規制委が順次確認するということです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全原発で地盤隆起対応確認 能登半島地震受け、原子力規制委
共同通信 2024/5/24
能登半島地震で地盤が大きく隆起したことを受け、全国の原発で想定を超える隆起が起きても原子炉冷却に必要な海水をくみ上げられるかどうか、原子力規制委員会が確認することが24日分かった。最初に関西電力が大飯原発(福井県)で28日に実施する訓練に立ち会い、その後に各地の原発で確認を進める。
原発では原子炉や使用済み核燃料を冷やすためにポンプで海水をくみ上げている。東京電力福島第1原発事故は津波でポンプが損傷したことが原因の一つだった。規制委が策定した新規制基準は、地震で地盤変動が起きても海水のくみ上げができるよう求めている。
北海道 核のごみ報告書 夏にも完成 次段階調査が焦点に
経済産業省は24日、核のごみの最終処分を議論する作業部会を開き、北海道寿都町と神恵内村で進む全国初の文献調査の報告書案について、専門家が基準に沿っていると評価しました。報告書の完成は夏ごろになりそうで、次段階の概要調査移行が焦点となります。関連記事
(1月6日)地震大国・日本で核のゴミの地層処分は可能か、学者と電力業界の評価真っ二つ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
核のごみ報告書、夏にも完成 北海道、次段階調査焦点に 経済産業省
共同通信 2024年05月24日
経済産業省は24日、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分を議論する作業部会を開いた。北海道寿都町と神恵内村で進む全国初の文献調査の報告書案について、専門家が審議し、基準に沿っていると評価した。会合後、経産省担当者は「(報告書の)完成は夏ごろというのは見えてきつつある」と述べた。次段階の概要調査移行が焦点となる。
原子力発電環境整備機構(NUMO)は今年2月、両町村で概要調査を実施できるとする報告書案を公表した。専門家の指摘を踏まえて修正、正式に報告書をまとめる。
作業部会の報告書案の評価では、機構が第2段階の概要調査以降に確認するとした留意事項について記載不足を指摘。
北海道・寿都が核のごみ勉強会 6月から開催、住民投票に向け
共同通信 2024年05月24日
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が進んでいる北海道寿都町が、次段階の「概要調査」への賛否を問う住民投票に向けた勉強会を6月24日から開催することが24日、町関係者への取材で分かった。
関係者によると、勉強会は6月24日から7月3日にかけて、町内7カ所で開き、町の担当者が地層処分について説明する。勉強会は町が主催し、調査主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)は参加しない。
福島第1原発 取材レポート 「デブリ」取り出しは、スタートラインに立った状態
東電は福島第1原発の「廃炉」を2051年までに完了させることを目指していますが、最大の難関が原子炉格納容器の下部などに落ちている「燃料デブリ」を取り出す作業です。
ニッポン放送・小永井一歩アナウンサーが現地を取材しました。
2号機のデブリ取り出しは、原子炉の開口部から伸縮型の棒を挿入し、その先から垂らした糸でデブリの一部が取り出せないかを探るという段階で、まだスタートラインに立った状態ということです。今後何十年を要するのかまだ分かりません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福島第一原発 現地取材レポート 「燃料デブリ」取り出しは、スタートラインに立った状態
ニッポン放送 2024/5/24
ニッポン放送・小永井一歩アナウンサーが東京電力・福島第一原発を現地取材し、「燃料デブリ」の取り出しに向けた取り組みと、その現状について、5月24日(金)のニュース番組『飯田浩司のOK! Cozy up!』(毎週月~金曜日 朝6時~)でレポートした。
2011年3月11日、東日本大震災が発生した際、東京電力・福島第一原子力発電所は1~3号機が運転中で、地震によって原子炉は自動的に停止したが、津波によって発電機の中の燃料を冷やす機能が失われてしまい、結果的に放射性物質を含んだ燃料が溶け落ちてしまうメルトダウンを起こしてしまった。
東京電力はこの福島第一原発を廃止して解体する「廃炉」を2051年までに完了させることを目指しているが、その最大の難関と言われているのが、溶け落ちた燃料が発電機の中の構造物と混ざり合って堆積してしまっている「燃料デブリ」を取り出す作業だ。
建屋の内部は放射線量が高く簡単に近づくことはできないため、結果的にまだデブリを取り出すことができていない状況であり、これを受けてつくられたのが、「テレスコピック装置」と呼ばれる釣り竿のような細い棒。1,3,4号機は水素爆発を起こし、2号機だけが建屋として残っているが、この装置をまず2号機のデブリが堆積しているエリアにつながる穴に入れ、そこから糸を垂らして何とかデブリを取り出せないかという計画をしている。
今回現地取材をした小永井アナは、2号機に直接入ることはもちろんできなかったが、2号機と同じ構造をしている5号機の建屋の中に実際に入り、その穴を見ることができ、次のようにレポートした。
「丸い直径1メートルくらいの蓋が横開きになっていまして、そこを開けるといろいろケーブルなどが入っていて、中をよく覗くと原子炉格納容器、デブリが堆積していると思われる場所を見ることができるんです。そこに細い棒を入れて、数g、耳かき1杯くらい、塩ひとつまみくらいの小さなデブリをいくつかの場所から取り出すということになります。しかし、そもそもそのデブリというものが液体なのか塊なのか、どんな物質が含まれているのかというのがまだ分からない状態ですので、その特徴を分析して、今後本格的にデブリを取り出す上で、どういった容器を作るか、デブリを掴み取る先端部分を一体どんな形状にするか、そういったものをこれから計画していくためにも、この試験的取り出しという作業が重要になってきて、今年の10月までに始めることを目指しているということでした」
このデブリ取り出しの今後について、東京電力のリスクコミュニケーター・高原憲一氏に訊いた。
「まだ燃料デブリにアクセスすることすらできていない。この状態から、最後の燃料デブリをしっかり取り出しを完了するというところまで、時間がかかることではありますけれども、安全を最優先にしながら、粛々と一歩一歩進めていきます。ようやくそこまできたと考えているところです」
以上の取材を受け、小永井アナは「デブリ取り出しに向けたスタートラインに立っているというような状態で、まだまだこれから今後数十年単位で時間がかかることが予想されるのですが、処理水の海への放出、デブリの試験的取り出しと、去年から今年にかけて少しずつ前には進んできているということを感じることができました」とレポートした。
25- 核燃中間貯蔵の応急拠点を東通村防災センターに 今夏にも操業予定
原子力規制委は22日、青森県むつ市のリサイクル燃料貯蔵の使用済み核燃料中間貯蔵施設のオフサイトセンターとして、東通村防災センターを指定する内閣府の方針を了解しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
核燃中間貯蔵の応急拠点、東通に 青森・むつ、今夏にも操業予定
共同通信 2024/5/22
原子力規制委員会は22日、今夏にも操業開始を予定しているリサイクル燃料貯蔵の使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)の緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)として、東通村防災センター(同県東通村)を指定する内閣府の方針を了解した。関係自治体などへの意見聴取を経て、6月にも首相が正式に指定する見通し。
東通村防災センターは中間貯蔵施設の南東約11キロにあり、東北電力東通原発のオフサイトセンターにも指定されている。内閣府の担当者は「大型ヘリコプターの離着陸が可能など、必要な条件を充足していることを改めて確認した」とした。
2024年5月22日水曜日
「原発依存度低減」削除をと電事連林会長、エネ基本計画の改定で
電事連の林欣吾会長は17日の定例記者会見で、エネルギー基本計画(21年作成)で「原発の依存度を可能な限り低減する」と明記している部分について、「環境変化が既に起こっている。削除していただきたい」と要望しました。
政府が15日に同計画の改定作業を開始したことに呼応したもので、林会長は「既設原発の再稼働促進だけでなく新増設、建て替え(リプレース)についてもちゃんとうたってほしい」と述べています。
原発の建て替えになれば新基準仕様に準拠するだけで従来価格(100万KWクラスで5000億円)の2倍以上になり、円安起因等の諸物価高騰を加味すれば建設費はゆうに3倍を超えます。
何よりもまず「安全な避難」を確保するために、避難道路の強靭化や避難所の整備などの諸条件を整えることが先決です。
その辺の見通しを持たないのであれば、電事連の主張は独りよがりで安易に過ぎます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
電事連「原発依存度低減」削除を 林会長、エネ基本計画の改定で
共同通信 2024/05/17
電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は17日の定例記者会見で、政府のエネルギー基本計画で原発の依存度を可能な限り低減すると明記している部分について、将来の電力需要の増加見通しなどを踏まえ「環境変化が既に起こっている。削除していただきたい」と要望した。
政府は15日、おおむね3年ごとに実施している計画の改定作業を開始した。林会長は「既設原発の再稼働促進だけでなく新増設、リプレース(建て替え)についてもちゃんとうたってほしい」と述べた。
2021年10月に閣議決定した現行計画は「可能な限り原発依存度を低減する」と明記している。
原発と再エネ「最大限活用」 経産省、基本計画の見直し着手
共同通信 2024/05/15
経済産業省は15日、エネルギー基本計画の見直し議論に着手した。2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標と人工知能(AI)時代の電力需要拡大を見据え、再生可能エネルギーと原発を「最大限活用」する方向で検討。電源構成目標を盛り込み24年度内に改定する。原発は安全面への懸念から再稼働が進まず、これまで日本が頼った石炭火力発電には国際世論の逆風が吹く。電力の安定供給と脱炭素の両立に向け、難しい判断を迫られる。
基本計画は3年ごとに検討し、必要に応じて改定する。総合資源エネルギー調査会の分科会で15日に議論を開始した。斎藤健経産相は冒頭で「脱炭素エネルギーへの転換は極めて困難な課題だ。安定的に供給できるかどうかが国力を大きく左右する」と強調した。
政府は温暖化対策の国際会議に向け、35年ごろの温室効果ガス排出削減目標を25年2月までに決める。並行して脱炭素戦略「GX(グリーントランスフォーメーション)2040ビジョン」も策定する。
東海第2 事故想定の拡散予測 茨城県「説明会は必要ない」と
日本原電東海第2原発での重大事故を想定した放射性物質の拡散シミュレーション(予測)結果について、市民団体から説明会の開催を求められていた茨城県は20日、市民団体側に「説明会は必要ない」と回答しました。
説明を要求された側がその必要はないと断るのはそもそも理屈に合いません。市民団体は回答は「大井川和彦知事の意向を反映した」ものと捉えているようですが、いずれにしても分かりにくい話です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
東海第2 事故想定の拡散予測 茨城県「説明会は必要ない」 開催要求の市民団体「残念な回答」
東京新聞 2024年5月22日
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)での重大事故を想定した放射性物質の拡散シミュレーション(予測)結果について、市民団体から説明会開催を求められていた県は20日、市民団体側に「説明会は必要ない」と回答した。
市民団体は「『原子力広報いばらき第7号』の説明会開催を求める県民の会」(荻三枝子代表)。会は、県が原電に依頼し昨年11月に公表した拡散予測に関し、「原子力広報いばらき第7号」(ことし2月発行)で報じた内容が「結果を基に避難計画の実証作業を進めるような印象を受ける」などとして、公開の場での説明や質疑応答を県に求めていた。
「県の方針がよく分からない」との会の指摘に対し、県原子力対策課は回答で「拡散予測で設定した厳しいケースにおける避難計画の実効性を県が検証し、その内容を県民に情報提供していく方針を県ホームページに示している。知事の定例会見や議会答弁でも繰り返し説明している」などとした。
広報紙については「県民から『わかりやすかった』『理解できた』という声を多くいただいている」とし、結論として「説明会を開催する必要はないものと考えております」と答えた。
県民の会の荻代表は取材に「残念な回答だ。説明会を開かないのは、会見での説明や議会答弁をした大井川和彦知事の意向を反映したものと受けとめている。今後の対応は賛同者と話し合いたい」と述べた。(竹島勇)
再エネ発電、原発4基分に 東電RP、数千億円を投資へ
再生可能エネルギーを手がける東京電力リニューアブルパワーの永沢昌社長は、2020年の会社設立後、再エネ開発規模が国内外で計約350万キロワットに達したと明らかにした上で、30年度までに最大700万キロワットに倍増させる目標に道筋がついたと述べました。
現状の350万キロワットの開発には、海外で計画中や出資参画するものも含まれます。
原発は「脱炭素」でないのに対して、再エネは完全な「脱炭素」なのでもっと大々的に普及させる必要があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
再エネ発電、原発4基分に 東電RP、数千億円を投資へ
共同通信 2024/5/20
東京電力グループで再生可能エネルギーを手がける東京電力リニューアブルパワー(RP)の永沢昌社長(57)は、20日までに共同通信のインタビューに応じ、2020年の会社設立後からの再エネ開発規模が国内外で計約350万キロワットに達したと明らかにした。原発3~4基分に相当する。30年度までに最大700万キロワットに倍増させる目標に道筋がついた形だ。 今後、数千億円規模を投資する方針。地域振興や地熱発電にも取り組みを広げるという。 現状の350万キロワットの開発には、海外で計画中や出資参画するものも含まれる。国内で開発が決まった事業の一つが、長崎県西海市江島沖の洋上風力発電で、昨年末に政府による大規模入札で住友商事とともに落札した。出力は42万キロワットで、29年の運転開始を目指す。 永沢氏は周辺の漁業振興や、地元製品の販売促進に協力すると強調。「風車の電気を使った製品などとアピールできればいい」と話した。
永沢氏は地熱については「日本は未開発地域が多く、極めてポテンシャルが高い」と指摘した。
純粋持ち株会社移行が「原発の安全向上に結び付く」と九電が強調
九州電力の池辺和弘社長は17日、検討を進めている純粋持ち株会社への移行について、「純粋持ち株会社が客観的に原子力事業を監督・助言することで、二重のチェックが入る。原発安全の向上にも結び付く」と、原子力規制委員会の臨時会議で利点を強調しました。
発電・送電分離の政策が、送電会社が事実上発電会社の配下に置かれて意味を持たなくなった失敗例もあるので、是非そうならないようにして欲しいものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
九州電力の純粋持ち株会社移行「原子力の安全向上に結び付く」…規制委会議で社長が利点強調
読売新聞 2024/5/18
九州電力の池辺和弘社長は17日、原子力規制委員会の臨時会議で、検討を進めている純粋持ち株会社への移行を巡り、「持ち株会社が客観的に原子力事業を監督・助言することで、二重のチェックが入る。原子力(発電所の)安全の向上にも結び付く」と利点を強調した。
九電は、持ち株会社の傘下に原子力を含む発電と小売り、送配電、成長事業と位置付ける再生可能エネルギーなどの各事業子会社を置いて独立性を高めることを検討している。池辺氏は発電を担う事業子会社による原発の保安体制について「(現状と)変更はない」と説明した。
22- 中部電力パワーグリッドの施設で大規模な災害対応訓練 変電所復旧の手順等確認
中部電力パワーグリッドの訓練施設で21日、電力会社の職員などおよそ230人が参加し、大規模な災害対応訓練が行われました。
電気が使えなくなった孤立集落に発電機車を投入し、応急的な電線を引く訓練や、津波による漂流物が鉄塔に衝突し、送電がストップした変電所を復旧させる訓練。素早い対応を意識して手順を確認しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
南海トラフ後の電力復旧を想定…中部電力パワーグリッドの施設で大規模な災害対応訓練 変電所復旧の手順等確認
東海テレビ 2024/5/21
三重県津市にある中部電力パワーグリッドの訓練施設で21日、電力会社の職員などおよそ230人が参加し、大規模な災害対応訓練が行われました。
設定は、南海トラフ巨大地震の発生後の迅速な電力復旧。能登半島地震では、応援に駆け付けた電力会社同士、限られた人数で連携を取ることなどが求められたといいます。
電気が使えなくなった孤立集落に発電機車を投入し、応急的な電線を引く訓練や、津波による漂流物が鉄塔に衝突し、送電がストップした変電所を復旧させる訓練。素早い対応を意識して手順を確認しました。
また、能登半島地震では大きく崩れた場所もあった被災地の道路。荒れた道でも必要な資材などを素早く運ぶため、陸上自衛隊とも連携。重さ300キロ以上ある組み立て式電柱を大型車両で実際に運びました。
中部電力パワーグリッドの担当者:
「実際どのように対応できるのか検証出来ていると思う。そこから出てきた課題があるので検証して今後の対応に繋げていきたい」
大地震の設備被害に備え 中部電力パワーグリッド、津で復旧訓練
伊勢新聞 2024/5/22
中部電力パワーグリッドは21日、三重県津市美里町五百野の同社中勢外線訓練所で非常災害対策実動訓練を実施し、同社や協力会社などから約230人が参加した。南海トラフ地震による甚大な設備被害を想定し、変電設備の応急復旧や電線の復旧工事などに励んだ。
同訓練は中部電力パワーグリッド管内の愛知、岐阜、三重、静岡、長野の5県持ち回りで毎年開催されており、本県で開催されるのは平成29年以来7年ぶり。毎年訓練テーマを設け、今年は能登半島地震を踏まえ、地震による甚大な設備被害から少人数で迅速に復旧するための対応力向上を目的に実施された。
移動用変電設備の応急復旧訓練では津波で変電所が浸水したことを想定。訓練では使えなくなった変電所の代わりに移動用変電設備を用意し、参加者は高圧線ケーブルを設備に接続する作業を行った。
配電復旧資材の輸送では地震による道路の損壊が発生し、一般のトラックや車両の通行が困難の状況を想定。津市あのつ台のトーエネック津営業所から実際に自衛隊車両で組み立て式電柱や電線ケーブルなど配電復旧資材を運び、車が訓練所に到着すると、陸上自衛隊久居駐屯地の隊員が力を合わせ、車から資材を運び出していた。
中部電力パワーグリッド三重支社総務・広報・資材グループの小西圭吾課長は「訓練で見つけた諸課題をブラッシュアップしながら、今後起こりうる災害に向けて対応していきたい」と話した。。
2024年5月20日月曜日
福島のALPS設備、運転再開 トラブル相次ぎ全作業点検
東電は福島第1原発で昨年10月、下請けの男性作業員2人が高濃度の放射性物質を含む廃液を浴びて被ばくした事故を受けて停止していた多核種除去設備(ALPS)の運転を再開しました。東電は並行して全ての作業の安全点検を進めていて5月中には終える見込みです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福島の汚染水浄化設備、運転再開 トラブル相次ぎ全作業点検
共同通信 2024年05月18日
東京電力は福島第1原発で発生する汚染水を浄化する、増設の多核種除去設備(ALPS)の運転を再開した。昨年10月、下請けの男性作業員2人が高濃度の放射性物質を含む廃液を浴びて被ばくした事故を受けて停止していた。第1原発ではトラブルが相次いでおり、東電は全ての作業の安全点検を進めている。
東電は、予定外の弁の操作で配管の内圧が急激に変化し、ホースがタンクから外れたことなどが原因と説明。再発防止のため、ホースが抜けないようタンクの上部にアクリル板を設置したほか、弁は予定外の操作ができないように施錠した。
東電は安全点検を5月中には終える見込み。
「核汚染水」と呼ぶ中ロ共同声明に日本が「遺憾」表明
日本政府は、中国とロシアの首脳共同声明(16日)で、福島第1原発の汚染水を「核汚染水」と呼称したことについて、事実に反すると抗議しました。
しかし正常な原発では核燃料はジルコニウム菅で被覆されていて系内の水と直接触れることはなく、且つ系内の金属イオンは常時イオン交換樹脂によってほぼ完全に除去されている(トリチウムは水に中性子が当たることでごく僅か発生)のに対して、ALPS処理水は核燃料のデブリから溶出する汚染物資を吸着処理しただけのものなので、その汚染度は比較にならず、純水と泥水ほどの違いがあります。核汚染水と呼ぶ方が正確でしょう。
そもそもを海水で希釈するのは、例えば煙の煤塵量を煙突の途中に大量の空気を吹き込んで見掛けの濃度を薄めるのと同様で無意味です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「核汚染水」呼称の中ロ共同声明…日本政府「遺憾」表明
ハンギョレ新聞 2024/5/18
外交ルートを通じて抗議
日本政府は、中国とロシアが16日の首脳会談後に発表した共同声明で、福島第1原発の汚染水を「核汚染水」と呼称したことについて、事実に反すると抗議したことを明らかにした。
林芳正官房長官は17日午前の定例記者会見で、「中ロ両国が共同声明でALPS(多核種除去設備)処理水の海洋放出について、事実に反する言及を行ったことは大変遺憾」であり、「外交ルートを通じて中国側とロシア側の双方に抗議した」と述べた。林長官は「(海洋放出については)IAEA(国際原子力機関)の包括報告書でも関連の国際安全基準に合致しており、人および環境への影響は無視できる程度だと結論づけられている」として、「(放出開始後も)科学的観点から何ら問題は生じていない」と主張した。
中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、16日に北京で発表した共同声明で、福島原発汚染水の海洋放出について、「核汚染水」と呼び、「中ロは深刻な懸念を表明する」と明言した。さらに「関係国も独立したモニタリングができるよう尊重せよ」と求めた。
一方、東京電力はこの日午前、福島第1原発の汚染水の6回目の放出を始めたことを明らかにした。今回の放出は来月4日まで実施され、放出量はこれまでと同じ7800トンになる。東京電力は昨年8月に初の海洋放流を開始し、7日までに5回にわたり合計約3万9000トンの汚染水を海に放出した。
東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
林官房長官は〝遺憾砲〟だけで済ませるのか 中国、日本の水産施設登録を全て無効にしていた 登録がないと中国に輸出できず
夕刊フジ 2024/5/18
中国の税関当局が、日本国内にある水産物輸出業者の加工や保管などの施設登録を、5月から全て無効にしていたことが分かった。登録がないと中国への輸出はできないという。中国は昨年8月から、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けて日本産水産物の輸入を停止しているが、今年4月までは施設の登録を有効のまま維持していた。今回の措置により日本からの水産物輸出にどのような影響が出るのかは不明だ。
岸田文雄首相は昨年11月、習近平国家主席との会談で日本産水産物輸入停止の即時撤廃を求めた。両首脳の議論は平行線だったが、対話を通じた問題解決の方法を見いだしていく考えで一致した。だが、習主席は16日のロシアのプーチン大統領との首脳会談での共同声明で、東京電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼んだ。
林芳正官房長官は「事実に反する言及を行ったことは大変遺憾だ」と述べ、外交ルートを通じて両国に抗議したという。「中露に対し丁寧かつ透明性をもって説明していく」と語ったが、〝遺憾砲〟だけでは事態は好転しそうもない。