LEシステムは、福島県浪江町の工場で生産したバナジウムレドックスフロー(VRFB)電池用電解液500m3(蓄電池容量で約8・5メガワット相当)を、スペインに輸出するということです。(1メガワットは1000KW)
同社は2011年より大型蓄電池に必要な電解液を開発しており、VRFB蓄電池はリチウム畜電池などに比べて発火の危険性が低く、安全性に優れるということです。
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大型蓄電池向け電解液 スペインに大規模輸出 福島県浪江町 LEシステム 国内初、8・5メガワット相当納入
福島民報 2025/01/24
LEシステム(本社・東京都)は、福島県浪江町の製造工場で手がけたバナジウムレドックスフロー電池(VRFB)向けの電解液を大規模に輸出する。納品先はスペインの大規模蓄電所で、蓄電池容量で約8・5メガワットに相当する約500立方メートルを納入する。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地で製造された製品の質を世界に発信する。
同社によると、国内の企業がVRFB向け電解液を大規模輸出するのは初めて。VRFBは大型蓄電池で、リチウム電池などに比べて発火の危険性が低く、安全性に優れる。長寿命で、電力の出力と蓄電量の組み合わせが自由に設定できる。近年、欧米や中国を中心に発電所の蓄電設備として需要が高まっている。
浪江町の製造工場では輸出に向けた出荷作業が今月中旬から始まり、23日も電解液が入ったプラスチック容器がトラックに次々と積み込まれた。月内まで作業し、その後、横浜港から2カ月ほどかけて航路でスペインに運ぶ計画だ。
同社は2011(平成23)年1月設立。大型電池に必要な電解液を開発している。2021(令和3)年、浪江町に製造工場を設けた。年間千立方メートル超の電解液を生産している。今後、徐々に生産量を増やし、輸出先の拡大も見据える。松田光史工場長は「生産効率をさらに高めて量産体制を確立し、被災地から優れた製品を造り続けていきたい」と決意する。