東電HDの小早川智明社長は21日、新潟日報社のインタビューに応じ、柏崎刈羽原発の再稼働について、技術的な準備はできているとし、「安全かつ地元の理解があれば、一日も早く稼働することが望ましい」と改めて意欲を示しました。
しかし原発事故時の「自宅退避」の問題をはじめとして、30キロ圏外への新設避難道路の未完性や、豪雪時や地震時の避難路の確保等がまだ何も保障されていない中で、「一日も早く稼働したい」というのは余りにも認識不足です。
別掲の記事でも述べましたが、例えばテロ対策の「特重施設」が「実際に完成」していなければ再稼働することはあり得ません。
これは再稼働すればいつ事故が起きるのか分からないから、その準備を整えておく必要があるからで、全く同様に事故時に住民が安全に避難できる条件が整っていないのに、再稼働を目指すのは「住民の安全を度外視する」ことに他ならず、あり得ないことです。
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東電・小早川智明社長インタビュー、柏崎刈羽原発は「一日も早い再稼働が望ましい」
新潟日報 2025/1/22 10:00
東京電力ホールディングスの小早川智明社長は21日、新潟市中央区で新潟日報社のインタビューに応じた。東電柏崎刈羽原発の再稼働について、技術的な準備はできているとし、「安全かつ地元の理解があれば、一日も早く稼働することが望ましい」と改めて意欲を示した。政府が原発を最大限活用する方針へ回帰したことに関しては、脱炭素化や経済成長を支えるエネルギーの一つとして「原発も維持していく必要がある」と述べた。
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柏崎刈羽原発で「安全性向上と信頼獲得に取り組む」東電会長ら、新潟県知事に新年あいさつ
産経新聞 2025/1/21
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働問題で地元同意が最大の焦点となる中、東京電力ホールディングスの小林喜光(よしみつ)会長と小早川智明社長は21日、新潟市の県庁を訪れ、花角英世知事に新年のあいさつを行った。小林氏は、脱炭素やエネルギーの安定供給の観点から原発の必要性を指摘したうえで、「原発の安全性向上と県民の原発に対する信頼獲得に継続的に取り組んでいく」と語った。
花角知事は東電首脳との会話の中で、「原発の安全性向上と県民の信頼を得る取り組みを続けてほしい」と述べ、東電に行動と実績を示し続けるよう求めた。
これに対し、小林氏は「信頼は築くのに長い年月がかかるが、1日で崩れてしまう。しっかりと取り組みたい」、小早川氏は「信頼獲得に向け、取り組みを一つ一つ積み重ねていく」と答えた。東電首脳は会話の中で、「再稼働」という言葉は口にしなかった。
同原発はすでに再稼働の準備が整った状態にある。あとは、新潟県、同原発が立地する柏崎市と刈羽村から再稼働への同意を得られれるなどすれば、動かすことができる状況となっている。
このうち、柏崎市の桜井雅浩市長と刈羽村の品田宏夫村長は再稼働を容認する姿勢を示している。花角知事の判断が焦点となる中、知事は今月6日の定例記者会見で、「どのタイミングで私が判断できる状況になるかは今の時点で見通せない」と述べている。
東電の首脳はこの日午後から、県議会棟で、自民党県連の幹部にもあいさつ。22日は、柏崎市と刈羽村を訪ね、桜井市長と品田村長にあいさつする予定だ。