三菱重工業は四電・伊方原発向けに受注した使用済み燃料輸送・貯蔵兼用乾式キャスク15基のうち初回出荷分2基の製造を完了し納入しました。乾式キャスクは乾式貯蔵の中核的役割を担い、使用済み燃料を一定期間貯蔵した後、そのまま輸送することが求められるため、高度な安全性と信頼性が必要となります。
キャスクは直径2・6×高さ5・2メートルで総重量は約120トン、1基当たり燃料集合体32体を収納できます。
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三菱重工が2基納入、「使用済み原発燃料容器」の仕様
日刊工業新聞 2025/1/24
三菱重工業は四国電力から伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)向けに受注した使用済み燃料輸送・貯蔵兼用乾式キャスクのうち初回出荷分2基の製造を完了し、納入した。伊方原発では2025年7月ごろに乾式貯蔵施設の運用を始める計画で、三菱重工は初回貯蔵用に納入される乾式キャスク計15基を受注している。
【写真】納入した「使用済み原発燃料容器」
乾式キャスクは乾式貯蔵の中核的役割を担い、輸送と貯蔵を兼用できる専用容器。使用済み燃料を一定期間貯蔵した後、他の輸送容器に詰め替えずに輸送することが求められるため、高度な安全性と信頼性が必要となる。
今回納入した乾式キャスクは直径2・6×高さ5・2メートルで総重量は約120トン。伊方原発1、2号機の使用済み燃料を32体収納できる。
三菱重工製の乾式キャスクは、実機スケールで9メートルの傾斜落下試験による安全性実証試験、アルミニウム合金やレジンなど材料の長期健全性試験結果を反映。閉じ込め、臨界防止、遮蔽(しゃへい)、除熱という4つの安全機能を60年間維持する設計を施している。
神戸造船所(神戸市兵庫区)で残りの13基も順次製造を進めており、27年10月ごろに全基の納入を完了する予定。