2026年2月2日月曜日

柏崎刈羽原発 制御棒警報トラブル 「工程にこだわらず調査徹底」東電

 柏崎刈羽原発6号機における「制御棒出し入れ装置」電動機異常の警報が出る問題でその後東電が調査した結果、電動機、インバーター(周波数変換器)、警報機本体等の各部品や各ケーブルはいずれも正常であるものの、通電して作動させると警報が出るというトラブルであることが明らかになりました。そう聞くとあと一息に思われますが、既に7日が経過しているので、実際にはそこで壁に突き当たっているという感じです。
 制御棒出し入れの速度は油圧ポンプの流量調整で行い、流量調整はインバータによる回転速度調整で行っているものと思われます。
 通常遠心ポンプにおいて回転数制御で流量を調整する場合は定トルク型電動機が使用されます。手配仕様書とは特性が異なる電動機が紛れ込んでいる可能性はないのでしょうか。
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柏崎刈羽原発の停止、続く原因究明 「工程にこだわらず調査徹底」
                            朝日新聞 2026/1/30
 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)6号機の原子炉停止に関して、稲垣武之所長は29日の定例記者会見で、2月26日に予定されていた営業運転開始の延期を検討していることを明らかにした。設備面に異常は見られないとしたうえで、「工程にこだわらず、徹底的に調査をしたい」と語り、警報が出た原因の究明を急ぐ考えを示した。
 6号機では21日午後7時2分から、205本ある制御棒を26本ずつ引き抜く作業が始まり、2グループ、計52本を引き抜いた状態で核分裂反応が続く臨界となった22日午前0時28分、次の26本を引き抜いていたところ、このうち1本の制御棒をコントロールする「電動機制御盤」の異常を知らせる警報が鳴り、作業は止まった。
 6号機では14日にも、別の制御棒を動かす試験を行っていた際に電動機制御盤での警報が発報。その時は、制御棒を動かす速度を調整するために電流の周波数を変化させる「インバーター」の故障が表示されたため、インバーターを予備品と交換したところ、正常に戻っていた

 今回もインバーター故障が表示されたため、14日と同様に交換したうえで、22日午前8時3分に引き抜き作業を再開したが、再び警報が発報。原因調査に時間を要すると見て、稲垣所長は午後3時半に原子炉停止を判断。制御棒を全て原子炉内に戻した。
 その後の調査では、インバーターに異常はなく、制御棒を動かす電動機や、その装置と制御盤を結ぶケーブルにも問題はなかったという。また、14日に故障が表示されて交換したインバーターも、実際は正常だったことがわかった。
 このため、東電は正常な状態でも、気温やケーブルの長さなど何らかの条件が合致した際に警報が鳴るのではないかと見て、調査を進めている。
 稲垣所長は「もう少しの追い込みだと思っている。何が問題で警報に至ったか、説明ができるところまで、しっかりやりたい」と語った。(戸松康雄)


「徹底的に調査したい」2月26日の営業運転開始を見直す可能性高まる【柏崎刈羽原発】
                         BSN新潟放送 2026/1/29
再稼働後に制御棒を監視する装置の不具合で運転を停止した柏崎刈羽原発 6号機について、東京電力は29日、来月26日に予定していた営業運転開始日を見直す可能性が高いとの考えを示しました
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「まず工程にこだわらずに徹底的に調査をしたいと思っております」
柏崎刈羽原発6号機は今月21日、14年ぶりに再稼働しましたが、そのおよそ29時間後に停止しました。制御棒の引き抜き作業中に、制御盤の不具合を示す警報が鳴ったためです。
インバーターという部品が原因とみられていましたが、会見でインバーター自体には問題は確認されなかったと説明。インバーターと変圧器やモーターなどをケーブルでつないで動かした際の電流の波形を何らかの異常として捉え、警報音が鳴った可能性があるとして、引き続き原因を調査しているとしました。
その上で、来月26日に予定していた営業運転開始日は見直す可能性が高いとしました。
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「すでに止めてから一週間経っていますので、可能性は高くなっていると認識している」
再稼働については
「そんなに遠くはないと思っておりますけども、まだ何月何日と申し上げられる段階ではないと考えている」
東電によりますと、制御棒の駆動装置には異常はなかったということです。
  インバータ 直流または交流から周波数の異なる交流を発生させる電源回路、


「まだ特定できていない」柏崎刈羽原発6号機 “不具合”の原因調査続く…2月26日の営業運転は遅れる見込み
                        NST新潟総合TV 2026/1/30
再稼働後、不具合が見つかり、原子炉を停止している東京電力・柏崎刈羽原発6号機について、稲垣武之所長は「まだ原因は特定できていない」と現状を説明。2月26日に予定している営業運転開始の日程についても「見直す可能性が高くなっている」との見方を示しました。
1月21日、14年ぶりに再稼働した柏崎刈羽原発。しかし、その2日後には…
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「プラントを一旦停止し、原因について徹底的に調査を行っていく必要があると判断した」
制御棒の引き抜き作業中に電動機の制御盤から警報が鳴るトラブルが発生したことで、東京電力は「詳細な調査が必要と判断」し、原子炉を停止しました。
この原因調査を進めてきた柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「厳密にみると、故障はしていない。インバータ(制御盤)に起動指令が入って、きちんと立ち上がる。その立ち上がる過渡状態の中で、何らか警報を発令させる状況になるのではないかと。もう少しの追い込みかと思っている
1月29日の会見で、原因の特定には至っていないものの、これまでの調査で制御盤やケーブル自体に問題はなく、それらを組み合わせた際に何らかの理由で警報が鳴っているとの認識を示しました。
【原子力規制委員会 山中伸介 委員長】
「ものすごく重大な事案が起こって、我々が直接介入しなければいけないレベルの問題であるという認識ではない
原子力規制委員会の山中伸介委員長は“初期トラブルの一種”との認識を示し、特別な対応は考えていないと説明。
【原子力規制委員会 山中伸介 委員長】
「まずは、やはり慎重に作業は進めていただく。安全第一で進めていただくということで、東京電力にはその対応をステップバイステップで確かめていっていただくという思考に尽きると思う」
花角知事も今回の原子炉停止については「安全最優先の姿勢の表れ」という認識を示しています。
【花角知事】
「安全第一で慎重にということをずっと申し上げていた中で、問題が起きたら立ち止まってしっかりチェックされているということだと理解している」
ただ、今回の不具合の原因調査がまだ終わっていないため、稲垣所長は2月26日に予定していた営業運転の開始については遅れる可能性が高いとしています。
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「すでに止めてから1週間経っているので、可能性は高くなっていると認識している」

浜岡原発 基準地震動捏造正問題 設置許可取消氏の可能性も

 浜岡原発で起きた基準地震動捏造前代未聞の「データ不正」で、原発への信頼を根本的に揺るがす問題です。何よりもいま必要なのは適正の基準地震動が一体いくらになるのかです。それが1200ガルを越えて現行の原発がそれに堪えられないものであるなら即座に廃炉に向かうべきです。
 もしも捏造前のデータが残っているのであれば規制庁は責任の追及と共に、適正の基準地震動の策定を信頼できる機関や大学に依頼すべきです。
 真のデータが復元できないのであれば再度試験して求めるべきです。
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「安全規制に対する暴挙」 浜岡原発のデータ不正問題 原子力規制委は設置許可取消しの可能性にも言及 再稼働はどうなる
                           CBCテレビ 2026/1/31
浜岡原発で起きた、前代未聞の「データ不正」。原子力発電への信頼を揺るがす問題ですが、再稼働の行方はどうなるのでしょうか。
人類が作り出した中で、最も安全が求められる技術。その信頼は、崩壊の危機に。
静岡県御前崎市の海沿いに位置する、中部電力・浜岡原子力発電所。ここで起きた不正は、前代未聞の悪質なものでした。
問題が起きたのは、3号機・4号機の再稼働審査。審査に向けては地震が起きた際、原子炉に加わる揺れを想定して、それに耐えうる耐震補強を行うことになっていましたが、この揺れ「基準地震動」を意図的に小さくしていた疑いがあるのです。

■「非常に重大で誠に遺憾」「全てを台無しに」
(原子力規制委員会・山岡耕春委員)
「ねつ造または改ざんにあたると考えていて、非常に重大で誠に遺憾」
(原子力規制委員会・杉山智之委員)
「こういう不正行為があると、全てを台無しにしてしまう」
試験の合格ラインを勝手に下げるような不正工作で、原発の安全性を根底から揺るがすものでした。

■浜岡原発周辺の4市長から“原因究明”を求める声
1月21日、御前崎市をはじめ、浜岡原発周辺の4つの市の市長が原子力規制庁を訪れ、原因の究明を求めました。
(御前崎市・下村勝市長)
「地域の安全性にどのような影響があったかを公表し、事業者に対して、しかるべき指導と監視を行うことを強く要請する」
(原子力規制庁・金子修一長官)
「事実として何が行われて、背景にどういうことがあって、防止するとしたらどういう取り組みが必要か、しっかり確認をする。それが定着しないと、中部電力を信用するところまでいかないと思う」

■東日本大震災で全国の原発が一時ストップ
浜岡原発は、1976年に運転を開始し、5号機まで作られていました。しかし2011年。
(記者 2011年5月)
「浜岡原発5号機の発電量を示す値がゼロを示しました。浜岡原発からの電力供給が、完全に停止したことになります」
東日本大震災で起きた原発事故を受け、全国の原発が一旦ストップ。
その後、再稼働に向け耐震性の強化が国から指示されましたが、なかでも南海トラフ巨大地震の想定震源域にある浜岡原発では、巨額の費用を投じて地震対策が進められました。

■“地震対策に目処がたった”はずが…
(大石邦彦アンカーマン 2025年3月)
「無機質なコンクリートでできているので、より巨大に感じる」
海沿いに総延長約1.6キロメートルにわたり、高さ22メートルの「防波壁」を建設しました。
そして
(中部電力・阪口正敏副社長 2014年当時
「(4号機の)設置変更許可申請書など、申請書類が整いました」
原子炉建屋の地震対策に目処がたったことから、中部電力は再稼働に向けて2014年に4号機を、2015年に3号機の安全審査を原子力規制委員会に申請しました。この審査の中で、中部電力が説明していた「基準地震動」にデータの不正があったのです。

■燃料費高騰の中…原発再稼働は経営の至上命題に
一日も早い再稼働を目指した背景には、切実な事情が。
(中部電力・水野明久社長 2013年当時)
「本日、(電気料金の)値上げの申請をさせていただいた」
元々、火力発電への依存度が高かった中部電力では、原発の停止後、石油や天然ガスなど燃料コストの高い火力に一層頼る形に。
(中部電力担当者 2013年)
2011年5月の浜岡原子力発電所の全号機停止以降、(中部電力の)火力燃料費は大幅に増加しました」
電気料金の値上げや合理化で対応してきましたが、燃料費の高騰が続いた中、原発再稼働は経営の至上命題となっていたのです。

■2025年2月 国は原子力発電を「最大限活用する」と明言
(中部電力・林社長 2025年3月)
「これから伸びる需要に対して、安定供給を確保していくこと。非常に現実的で大きな効果を持つのが、原子力発電だと思う」
国も2025年2月、これまで「依存度を低減」としていた原子力発電を「最大限活用する」と正式に打ち出し、2040年度に全電力の2割を原子力でまかなう見通しが示されました。

■浜岡原発の“設置許可取り消し”の可能性も…
こうした流れに水を差す形となった、データ不正問題。
(原子力規制委員会・山中伸介委員長 1月7日)
「安全規制に対する暴挙。審査そのものを全て見直す必要がある」
原子力規制委員会は、浜岡原発の設置許可を取り消す可能性にも言及し、立ち入り検査も行う予定で、再稼働は全く見通しが立たない状況です。
(中部電力・林社長)
「原子力部門の解体的な再構築に向けて、全力で取り組んでいく」

■地元住民は「裏切られた」「もう信頼できない」
発電所の隣にあるPR施設「浜岡原子力館」には、訪れる人もまばらな中、安全を強調する文字が並んでいます。
(地元・御前崎市民)
「ちょっと裏切られた感じ、期待していたので残念」
(地元・御前崎市民)
「中電を応援していた、原発を早く再開してもらいたいなと。もう信頼できない。廃炉にするといい、それが一番」
(中部電力・林社長 1月20日)
「深く心からおわび申し上げる。本当に申し訳ございませんでした」
各所でお詫びを続けてきた林社長は、1月20日に静岡県知事を訪問。
(静岡県・鈴木康友知事)
「今まで積み上げてきたことに水を差すことになってしまったのでは」
(中部電力・林社長)
「われわれ独自で会社の組織、風土含め、“解体的な再構築”を私中心に行う」
『解体的な再構築』とは何を意味するのか。浜岡原子力発電所に再び灯がともる日は来るのか、先行きは不透明です。
    CBCテレビ「news X」2026年1月22日放送より


「災害について常に考えることが大事」浜岡原発の事故を想定した訓練 データ不正問題で揺らぐ信頼…多くの住民らが参加=静岡
                         静岡放送(SBS)2026/1/31
静岡県や静岡県御前崎市などが浜岡原発で事故が起きた想定の訓練を行い、住民や自治体の職員が対応を確認しました
1月31日の訓練は浜岡原発で事故が起き、放射性物質が外部に放出された想定で行われ、自治体の職員のほか、浜岡原発から半径31キロ圏内で暮らす住民が参加しました。
今回は東名高速道路の浜名湖サービスエリアが放射線量の検査などを行う場所として設定され、バスで避難してきた住民に対し検査や簡易的な除染を行う流れを確認しました。
<参加者>
「実際の時に、ここに来れるのか心配という話をした」
<初めて参加した人>
「今までこういう災害のことについて知らなかったので、訓練を通じて災害について常に考えることが大事だと思います」
静岡県原子力安全対策課の神村典浩課長は「多くの住民の方に参加していただきまして、実際にやってみた中で工夫が必要なところが見えてきたので一つ一つ解決していきたい」と話しました。
県は参加者にアンケートをとって今後に生かす方針です。

原発回帰が加速の裏で苦悩する“核のごみ”問題 日本が進むべき道は?

 TOKYO MX(地上波9ch)が掲題の記事を出しました。
 核のごみは、使用済み核燃料を再処理工場で再処理し、ウランやプルトニウムを取り出した後に、再利用できない廃液を溶けたガラスと混ぜて固体化したもので、一般的に「高レベル放射性廃棄物」と呼ばれています。
 長期間強い放射線を出し続けることから地下300mよりも深いところに埋めて最終処分を行うことが法律で定められていますが、その場所はいまだに決まっていません。
 北海道教育大学の岡村聰名誉教授などで構成する地質学会は、「変動帯の非常に激しい日本列島は地層処分には不適」との見解を早くから公表しています。要するに「日本列島は非常に小さい島で10万年間安定である地層を選ぶのは難しい」ということです。
 一方経産省によると、使用済み核燃料は2023年時点で全国に約1・9万トンで、保管できる容量の80%以上に達しており、あと数年で満杯になると言われています。
 再処理工場については青森県・六ヶ所村にウランやプルトニウムを取り出す施設を建設中ですが、1993年の着工から完成時期が27回延期されており、現在は2026年度中の完成を目指していますが、本当にそうなるかは何とも言えません。
 東京大学の貝沼准教授は、核のごみの問題のポイントとして原発の安全性、信頼の担保を挙げ、その上で「フェーズが変わる非常に大きなターニングポイントが来ている」とし、「負の再分配をしなければならない時代に入ってきている。それをいかに分配していくかという問題に向き合うべき」であると述べます。
 哲学者の萱野稔人さんは「核のごみの処理を進めているが、それが進むと原発を正当化してしまうと処分場の建設に反対する人もいる。しかしそれは本末転倒で、処分の問題と原発賛成・反対の議論は分けるべき」と注意を促します。
 いまは核のゴミをどう処分していくかみんなが向き合わないといけない、昔のままにしておくことはできない状況にあります。
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原発回帰が加速、その裏で苦悩する“核のごみ”問題…必要な電力を確保するために日本が進むべき道は?
                          TOKYO MX 2026/1/31
TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。放送では、原子力政策に詳しい東京大学大学院の貝沼博准教授を迎え、“核のごみ問題”について議論しました。

◆原発回帰が加速、一方で核のごみの問題は?
東京電力は新潟県にある柏崎刈羽原発について、再稼働にむけて準備を進めています。国は原発を必要な電源と位置づけており、事実上、原発回帰が加速しています。しかし、それを推進するためには大きな壁が。それは使い終えた燃料、いわゆる“核のごみ”の問題です。
核のごみは、使用済み核燃料を再処理工場で再処理し、ウランやプルトニウムを取り出した後に、再利用できない廃液を溶けたガラスと混ぜて固体化したもので、一般的に「高レベル放射性廃棄物」と呼ばれています。長期間強い放射線を出し続けることから地下300mよりも深いところに埋めて最終処分を行うことが法律で定められています。しかし、その場所はいまだに決まっていません。国はこの問題を将来世代に先送りしないとしながらも具体的な道筋を示せていないのが現状です。
今回は、そんな原発と核のごみの問題について、原子力政策の専門家・貝沼准教授を交えて徹底議論します。

◆使用済み核燃料、このままだとあと数年でパンク!?
経産省によると、使用済み核燃料は2023年時点で全国に約1.9万トン。保管できる容量の80%以上に達しており、あと数年で満杯になると言われています。そして、再処理工場については青森県・六ヶ所村にウランやプルトニウムを取り出す施設を建設中ですが、1993年の着工から完成時期が27回延期されており、現在は2026年度中の完成を目指しています。また、茨城県東海村には小規模な再処理施設があるものの、こちらは廃止が決まっています。
貝沼准教授は、まず今回の問題のポイントとして原発の安全性、信頼の担保を挙げ、さらには「CO2や国際情勢の問題、そして物価高の根本にエネルギーの問題がある」と指摘。その上で「フェーズが変わる非常に大きなターニングポイントが来ている」、加えて「負の再分配をしなければならない時代に入ってきている。それをいかに分配していくかという問題に向き合うべき」とも。
一方、哲学者の萱野稔人さんは「この議論で出発点とすべきは“現状の危険性”をどこまで認識できるか」と語る傍ら「政府も国際的な合意が取れている方法で核のごみの処理を進めているが、それが進むと原発を正当化してしまうと心配して処分場の建設に反対する方もいる。それは本末転倒で、処分の問題と原発賛成・反対の議論は分けるべき」と注意を促します。
すると貝沼准教授は萱野さんの意見に同意した上で「(今後は)中国やロシア、インドも原発を作る時代になっていくし、最終処分も向こうでやるというような話もある。それぞれの社会、政治的な条件もふまえながら、どう処分していくかみんなが向き合わないといけない。昔のままにしておくことはできない」と主張。
また、フリーキャスターの伊藤聡子さんは「AIの進展で今後電力消費量は伸びていく。エネルギーをどう確保していくかは国の存続、安全保障という意味でも非常に重要。そして、貝沼さんが言うように脱炭素も考えないといけないとなると、私は今の状況だと日本には原子力発電も再生可能エネルギーも火力発電も必要だと思う」と私見を述べます。
さらには「私たちは原子力発電の恩恵を受けて暮らしてきた。であれば、全員が(核のごみは)自分が出したごみという感覚で考えて、(最終処分場を)どこかに決めないといけないし、私たちはその地域に何ができるのかという視点も持っておかないといけない」と思いの丈を語ります。

◆なかなか決まらない最終処分場
核のごみは地下に埋める「地層処分」とすることは決まっていますが、その最終処分場の場所は決まっていません。
この場所を決めるための調査は3段階に分けられ、自治体が調査を受け入れるとまずは文献をもとに火山や断層の活動状況などを調べる“文献調査”が行われます。期間は2年程度で、国からの交付金は最大20億円。その次はボーリングなどを行い地質や地下水の状況を調べる“概要調査”で期間は4年程度。交付金は最大70億円です。さらに、地下に調査用の施設を作り、岩盤や地下水などの特性が処分場に適しているか調べる“精密調査”には約14年程度かかります。
なお、現在文献調査を受け入れているのは北海道の寿都町と神恵内村。そして、佐賀県の玄海町の3つです。
ここで貝沼准教授は最終処分場を巡る大きな問題“NIMBY”に言及。NIMBYとは「Not In My Back Yard(自分の家の裏庭には置かないでくれ)」の略で「どこかに(最終処分場を)作らないといけないことはわかっているが『ウチの近くには作ってくれるな』という話で、私たちはこの問題にちゃんと向き合わないといけない」と声を大にします。
NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんはここまでの話を聞き「電力消費量は圧倒的に都市が多いけど、最終処分場を都市に置こうという話には基本的にはならない。私は今、東京に住んでいて電力の恩恵を受けているけど、(最終処分場は)どうせ東京にはできないだろうという前提でこの議論を見てしまっている」と率直な心境を吐露。
一方、萱野さんからは「(最終処分場の候補地選びは)地震が少ない、地層が安定している、(核のごみは)船で運ぶから海に近いとかいろいろな条件があって適地は限定されてしまう。そうして選んだ上で関心がある自治体と調査をしている段階だが、まずは私たちが理解するところから始める必要がある」との意見もありました。

最終処分場について、専門家である北海道教育大学の岡村聰名誉教授に話を聞いてみると「変動帯の非常に激しい日本列島は地層処分には不適」と日本特有の問題を指摘し、地層処分のあり方に疑問を呈します
岡村名誉教授は「日本に適地はない」という声明を発表し、国に対し処分の抜本的な見直しを求めたメンバーの一人であり、「3.11や能登半島地震に代表されるように日本は断層運動が激しく、それによって地震が頻発している。どこで亀裂が発生し、大きなずれが起こるかは予測できない」と警鐘を鳴らします。
特に北海道の寿都町と神恵内村は地層処分には不向きだそうで「本当に安全に地層処分するのであれば、暫定保管しながら多くの目で、いろんな立場の人が賛成反対を超えて議論することが必要」と訴えます。
また、岡村名誉教授同様、国に処分の見直しを求めた佐賀大学の角縁進教授も「日本列島は非常に小さい島で、10万年間安定である地層を選ぶのは難しい」と懸念しています。
なお、北海道の寿都町と神恵内村は文献調査が終了しています。その際に寿都町が得た交付金は18億5,000万円で、公園や公共施設の整備に活用されています。次の段階である概要調査への移行については道が反対姿勢を示しており、北海道の鈴木知事は最終処分の問題は重要だが国民的議論になっていない、北海道だけが問題を引き受けるのは疑問としています。
この問題に貝沼准教授は「都会は豊かさを享受し、地方はどんどん衰退していく構図の中で交付金という制度がある。一方で(交付金に対して)『札束で頬を叩かれている』といった見方をする人いる。そして、(候補地も)社会のために貢献したい思いがあり、そこは尊重しなければならない」と私見を述べ、さらには「私は福島の(原発)処理水の問題にも関わっていたが、(最終的な決断をする)スイッチを地域の方が押す役割を担うことは非常に難しい。その公平性をいかに保つかはみんなで考えないといけない」とも。

◆核のごみの問題とどう向き合っていくべきか?
最後に、「核のごみはどうすべきか」について議論の参加者が提言を発表します。能條さんは“交付金ではなく日本全体で適地調査”。「地下に埋めるしか選択肢がないのであれば、日本全体で(より本格的な)適正調査をして、データを整理するところからやった方がいい」と言います。
続いて萱野さんは“豊かさを享受した責任”。「私たちが豊かさを享受した結果、核のごみがあるという認識をすべき。これを安全に処分することは我々の責任であるしないと議論は進まない」と訴えます。
伊藤さんも萱野さんと同様に“自分のごみとして考える、決まったら処分状の発展に寄与する”。「私たちは恩恵を受けてきているので(核のごみを)自分のごみとして考える。そして、受け入れる場所が決まったら、そこが発展するためにはどうすればいいのか日本全体で考え、その地域のために貢献していくことが大事だと思う」と主張。
貝沼准教授は“自分がスイッチを持ってる自覚を”。「中国やロシアなら政府が決めれば終わる話。(日本はそうではなく)自分たちが(判断する)スイッチを持っており、これは民主主義であり続けることを問われている」と持論を述べます。
そして、キャスターの堀潤は“受益地と電源地 パブリックミーティングで交流”。恩恵を受けている側は現実を知らなすぎるだけに、電源供給をしている地域と受益している地域の交流を切望。「事実を共有するための議論、対話ができる受け皿が必要で、メディアこそそのためのパブリックミーティングをやり続けることが必要なんじゃないか」と提案していました。

26年度に圧力容器内部を初調査 福島第1原発2号機

 東電は29日、福島第1原発2号機で2026年度上半期に、原子炉圧力容器に調査機器を挿入して内部を調べると発表しました。メルトダウンを起こした1~3号機で圧力容器の内部調査は初めてです
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
26年度に圧力容器内部を初調査 福島第1原発2号機
                        共同通信 2026年01月29日
 東京電力は29日、福島第1原発2号機で2026年度上半期に、原子炉圧力容器に調査機器を挿入して内部を調べると発表した。メルトダウン(炉心溶融)を起こした1~3号機で圧力容器の内部調査は初めて2号機では溶融核燃料(デブリ)の多くが圧力容器内に残っているとみられ、今後検討する取り出し工法の判断材料を得ることを狙う。
 圧力容器は、フラスコのような形をした原子炉格納容器の中にある。今回の調査は、高い放射線に耐える小型のファイバースコープを格納容器の貫通部に通し、圧力容器側面にある配管から内部に挿入して実施する。配管は細く、直角に曲がる箇所もあるため、挿入作業は人力で行う。炉心周りの円筒形をした隔壁(シュラウド)の外側の撮影や線量測定をする。デブリはシュラウド内側にあるとみられ、今回撮影できる可能性は低いとみている。
 これまで1~3号機では格納容器内部調査が行われ、2号機でデブリの試験採取に成功した。圧力容器の底を下からカメラで観察したことはあるが、圧力容器内に機器を差し入れたことはない。

福島の森林、空間線量にばらつき 林野庁、帰還困難区域を調査

 福島原発で飛散した放射能汚染物質の除去は、生活圏の約20メートル圏内のみが除染の対象で、福島県土の約7割を占める森林の大部分は手つかずの状態となっています。

 林野庁によると、空間線量率や放射性物質濃度にばらつきがあるとの調査結果が得られました。同庁が昨年、同県浪江町の帰還困難区域の6区画で調査したところ、1地点の平均空間線量率が毎時2.5マイクロシーベルト以上で「放射線管理区域」に相当するということです。
 また、土壌の放射性物質濃度は、全区画で汚染土壌などを扱う業務の基準値である1キロ当たり1万ベクレルを上回りました。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福島の森林、空間線量にばらつき 林野庁、帰還困難区域を調査
                       共同通信 2026年01月29日
 林野庁関東森林管理局は29日、東京電力福島第1原発事故による福島県の帰還困難区域での森林整備に向けた実証事業の報告会を同県富岡町で開いた。空間線量率や放射性物質濃度にばらつきがあるとの調査結果を明らかにした上で、今後伐採などに従事する作業員の被ばく線量を管理するため、データ収集などでさらなる状況把握が重要とした。
 2011年の原発事故では放射性セシウムなどの放射性物質が飛散。ただ、生活圏の約20メートル圏内のみが除染の対象となり、県土の約7割を占める森林の大部分は手つかずの状態となっている。
 同庁は昨年、同県浪江町の帰還困難区域の6区画で調査を実施。1地点の平均空間線量率が、業務で特別な対応が必要となる「特定線量下業務」に該当する毎時2.5マイクロシーベルト以上だった。また、土壌の放射性物質濃度は、全区画で汚染土壌などを扱う業務の基準値である1キロ当たり1万ベクレルを上回った。ただ、同じ区画でも計測する場所で数値に差異が見られた。

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