2014年1月7日火曜日

原発・放射能ニュース 2014.1.06~10

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1.10
 
福島第1、敷地境界で基準の8倍線量 規制委が低減求める見解(産経ビズ)
 原子力規制委員会は10日、東京電力福島第1原発の構内と外部を隔てる敷地境界で計測される放射線量について、廃炉の実施計画で定めた年1ミリシーベルト未満とする目標の約8倍に上る状態が続いていることを問題視し、東電側に期限を決めて低減するよう見解を示した。専門家や東電を交えた検討会で議論した。
 規制委によると、境界線量は昨年3月に最大で同0・5ミリシーベルトだったが、同4月に地下貯水槽の汚染水漏れでタンクに移水などにより、同12月には最大で同7・8ミリシーベルトまで上昇した。
 
福島沿岸のクロダイから基準120倍のセシウム検出産経新聞)
 水産総合研究センター(横浜市)は10日、福島県いわき市の沿岸で採取したクロダイから1キログラム当たり1万2400ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。国が定める一般食品の基準(1キログラム当たり100ベクレル)の120倍超に相当する。
 クロダイは宮城県と福島県で出荷が制限されているため、流通はしないという。
 クロダイは昨年11月17日に調査目的で採取した。近い海域で10~11月に採取したほかのクロダイと比べても、検出量が多いという。セシウムが蓄積した時期を詳しく調べる。
 クロダイは、ほかの魚に比べて放射性物質の濃度が下がりにくいため、同センターが原因を調査している。
 
汚染水タンクの放射線対策検討 規制委が専門家と会合(東京新聞)
 東京電力福島第1原発の汚染水を貯蔵するタンクから出る放射線の影響で、原発の敷地境界での被ばく線量が基準の約8倍になっているとして、原子力規制委員会は10日、専門家や東電を交えた会合を開き、対策を検討した。
 廃炉作業の安全対策について東電が策定し、規制委が認可した実施計画では、敷地境界の線量は年間1ミリシーベルトまでに抑えることになっている。
 しかし第1原発では、大容量の地下貯水槽が水漏れ発覚で使用できなくなり、敷地境界近くまで貯蔵タンク増設を余儀なくされた。昨年12月の東電の試算では、敷地境界の線量は最大で年間8・04ミリシーベルトに上っている。(共同)
 
出荷制限君津産シイタケ誤販売(東京新聞)
 (千葉)県は九日、原発事故後、出荷制限中の君津市産のシイタケが、同市内で誤って販売されていたと発表した。店頭に残る四百グラム分を回収したが、約百六十キロ分が販売された。
 同市産の原木シイタケは、露地栽培が二〇一一年十月、施設栽培が一二年十一月から出荷制限が続く。しかし、同市三直の農産物直売所「旬の蔵」で、昨年十一月十四日~今月七日、生産者二人が出荷したシイタケ(一部は乾物)が販売された。生産者が基準(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)未満のセシウム検出結果を示す民間検査機関の証明書を持ち込んだため、直売所は出荷制限が解除されたと勘違いした。県が売れ残りの乾物などを調べたところ、セシウム値はいずれも基準を下回ったという。 (堀場達)
 
1.09
 
東電工事、なお高値発注 実際の2~5倍も 料金上乗せ(朝日新聞)
 (10日「東電発注の工事は超高値 実際の2~5倍」本文記事参照)
 
核燃料溶融、再現実験へ 原子力機構、3月下旬に東京新聞)
 東京電力福島第1原発事故で起きた燃料溶融がどのような経緯をたどったか解明するため、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が3月下旬、全長約30センチの小型核燃料棒1本を溶かす小規模な再現実験を茨城県東海村の研究炉で行うことが9日、分かった。
 福島第1原発の廃炉作業は原子炉で溶けた燃料をどのように取り出すかが最大の課題だが、溶融した経緯や燃料の状態は分かっていない。原子力機構の杉山智之研究主幹は「実験で得られたデータを福島の事故解析の精度向上に役立てたい」と話している。
 原子力機構によると、実験を行うのは東海村にある原子炉安全性研究炉(NSRR)。(共同)
 
ALPS処理中断 第一原発(福島民報)
 東京電力は8日、福島第一原発で汚染水から放射性物質を減らす「多核種除去設備(ALPS)」の処理作業ができない状態になったと発表した。放射性物質を吸着させた廃棄物の保管容器を交換するクレーンに不具合があり、再開の見通しは立っていないという。
 ALPSは3系統あり、トリチウム以外の放射性物質を大幅に減らすことができる。
 政府、東電は汚染水対策の中核と位置付けて本格稼働を急いでいるが、液漏れなどのトラブルが続いている
 
汚染水の計測、半年分公表せず 東電「つじつま合わず」(東京新聞)
 東京電力が福島第一原発の港湾内の海水と地下水に含まれる放射性ストロンチウムの計測値を半年分公表していなかったことが8日わかった。他のデータとつじつまが合わず、原因の究明ができていなかったためという。「隠す意図はなかった」と釈明している。
 公表していなかったのは昨年6~11月に採取した約140件。東電はベータ線を出す放射性物質全体の値と、そこに含まれるストロンチウムの値を公表するが、一部でストロンチウムが全体の値を上回ったため、「誤計測」と判断し公表を控えたという。
 未公表について東電はこれまで「確認中」などと回答。今月中に原因を調べ、正しい値を公表する。
 
1.08
 
破綻の核燃サイクルに固執 再処理工場の稼働申請(しんぶん赤旗)
 (9日「六ケ所村 核燃料再処理工場の稼働を申請」本文記事参照)
 
除染技術 実用化4件 採算、効率性に課題(東京新聞)
  東京電力福島第一原発事故により放射性物質で汚染された地域の除染に役立てるため、国が開発を支援した新技術の大半が、実用化されないままでいる。効果が認められた62件のうち、実際に現場で使われた技術はわずか4件。約14億円の税金をつぎ込みながら、宝の持ち腐れ状態だ。 (加賀大介)
 壁や道路の効率的な洗浄、除染で出た汚染廃棄物の減量化、トラクターなどに機械を取り付けて表土をはぎ取る手法-。二〇一一年度に始まった国の「除染技術実証事業」で採用された六十二件には、除染に関する多様な新技術が並ぶ。
 実用実績がある四件は、水を使わない壁面の除染や、超高圧の水や薬品で洗浄効果を高める技術など。ほかに、開発した事業者が自社での除染作業で使った例も数件あるが、いずれも一般的な方法として普及しているとは言い難い。
 
英国の高レベル廃棄物132本、4月受け入れ (デーリー東北新聞)
 日本原燃は7日、英国の事業者に使用済み核燃料の再処理を委託したのに伴い、同国から返還される高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)132本を、4月に六ケ所村の一時貯蔵施設に受け入れることを明らかにした。現地を2月以降に出発し、海上輸送する。
  当初は2013年度の受け入れを予定していたが、日英の事業者間で輸送計画を調整した結果、4月にずれ込んだ。
  これにより英国から返還されるガラス固化体は264本となる。最終的には計約900本を予定している。(田中秀知) 
 
1.07
 
トルコへの原発輸出推進を確認 年内にEPA交渉も開始(東京新聞)
 安倍晋三首相は7日、トルコのエルドアン首相と東京・元赤坂の迎賓館で会談し、トルコへの原発輸出に向け両首脳が昨年5月に署名した原子力協定の国会承認手続きをそれぞれ進めることを確認した。両国の経済連携協定(EPA)交渉を年内に開始することでも合意した。
 安倍首相は昨年の5月と10月に相次いでトルコを訪問し、今回でエルドアン首相との会談は3回目となる。原発輸出をめぐっては既に、三菱重工業などの企業連合体がトルコ政府と原発建設受注で合意している。
 エルドアン首相は「EPAを結ぶことで両国関係がさらに強いものになると確信している」と強調した。(共同)
 
福島第1 地下水トリチウムが再び上昇 37万ベクレルに(河北新報)
 福島第1原発の地上タンクから放射能汚染水が漏れた問題で、東京電力は6日、タンク近くの観測用井戸の地下水から放射性トリチウムが1リットル当たり37万ベクレル(法定基準6万ベクレル)の濃度で検出されたと発表した。
 採取日は4日。同じ井戸水の過去最高値は昨年10月17日の79万ベクレルでその後、下降傾向を見せていたが、12月29日に33万ベクレルに再び急上昇し、以後、7日間連続で30万ベクレル以上の高い値で推移している。
 東電はタンクの約25メートル北側に穴を掘り、1日1トンずつ地下水をくみ上げて汚染拡大防止を図っていた。東電は「濃度急上昇の理由は分からない」と話した。
 
1.06
 
島根、脱原発条例を直接請求へ 市民団体、9万人以上の署名提出(東京新聞)
 (7日「島根県で脱原発条例を直接請求へ」本文記事参照)
 
原発避難賠償:東電、家族にも返還請求(毎日新聞)
 東京電力福島第1原発事故による避難者に対する賠償を巡り、東電が既に判明していた社員だけでなく、社員の家族にも、いったん支払った賠償金の返還を求めていることが分かった。家財道具などを取りに戻るため、転居前の住宅に一時的に帰宅するための費用も含め、一家で3000万円を超えるケースもあり、生活に大きな不安を抱えている。識者は「家族は原発事故の加害者ではなく、返還請求に妥当性はない」と批判している。【高島博之、神足俊輔】