柏崎刈羽原子力発電所で断層の活動状況を調べるため、東電が大規模な縦穴を掘る計画であることが明らかになりました。
直径4メートル、深さ最大30メートルの大規模な縦穴を少なくとも4ヶ所掘るほか、ボーリング調査を敷地の中や外で行うもので、少なくとも数か月はかかります。この調査が長引けば国の安全審査は当然長期に及ぶことになります。
東電は新たな事業計画で、今年7月以降柏崎刈羽原発を順次運転を再開させると仮定して収支の見通しを示していますが、それはあまりにも虫のいい話です。新聞各紙が厳しく批判しているとおり、本来 柏崎刈羽原発の再稼動を再建計画の前提にすべきものではありません。福島原発の収束の見通しが全く得られないなかで、利潤の追求のためには見境なく原発を稼動させるというのは、犯罪的な発想です。
柏崎刈羽原発では、建設の当初から原子炉建屋の直下に23本の断層があることが分かっていました。そもそもがそこに最初のボタンの掛け違いがあった筈です。簡単に取り繕える話ではありません。
柏崎刈羽原発の敷地は識者の間で「豆腐の地盤」と呼ばれていますが、実際2007年7月の中越沖地震では、水平加振力2058ガルという発電所史上最大値を記録し、敷地の地面は1メートルほども上下にうねり、発電所の設備は3600箇所が損傷しました。
※ 2012年8月11日 柏崎・刈羽原発敷地内に活断層の可能性が」
国や東電が考えているように、柏崎刈羽原発は簡単に再稼動できるようなものではありません。それは今回の調査で仮に活断層でないという判定になったとしても、決して変わるものではありません。
その点で泉田知事が、審査に合格したからと言って再稼動して良いということにはならない、と考えているのは心強いことです。
先ずは活断層の調査の結果がどうなるかに注目したいものです。
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柏崎刈羽原発 断層調査は長期化も
NHK NEWS WEB 2014年1月24日
東京電力は、運転再開を目指す新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所で断層の活動状況を調べるため、深さ30メートルほどの大規模な縦穴を掘る追加調査の計画を明らかにしました。
東京電力は、「少なくとも数か月かかる」としていて、調査が長引けば運転再開の前提となる国の審査が長期に及ぶ可能性があります。
柏崎刈羽原発では、東京電力が運転再開を目指す6号機、7号機を含む、原子炉建屋の直下に23本の断層があり、原子力規制委員会は東京電力に対し、動く可能性があるかを確認する追加調査を求めています。
東京電力は24日、運転再開の前提となる規制委員会の安全審査の会合で、「断層は将来動く可能性はない」と改めて主張したうえで、活動状況を調べる追加調査の計画を示しました。
計画では、直径4メートル、深さ最大30メートルの大規模な縦穴を少なくとも4か所掘るほか、ボーリング調査を敷地の中や外で行うことにしています。
規制委員会は来月にも現地調査を行って、東京電力の追加調査の内容を決めることにしています。
東京電力の川村慎一原子力設備管理部長は、「追加調査は少なくとも数か月かかる」としています。柏崎刈羽原発を巡って、東京電力は新たな事業計画で、ことし7月以降、順次運転を再開させると仮定し、収支の見通しを示していますが、規制委員会は、審査で断層についての調査方針が決まるまで津波など自然災害への対策を確認しないとしていて、東京電力の追加調査が長引けば、審査が長期に及ぶ可能性があります。