2014年1月16日木曜日

「東京と原発」 武田邦彦氏ブログの紹介

 脱原発を旗印にして都知事に立候補した細川元首相に対して、「東京都と原発は関係ない」の論議が喧しいことについて、かつて原子力研究者であり現在は工学倫理学者の武田邦彦氏が、「東京と原発 (東京の人が日本人になるかの踏絵)」という意味深長なタイトルのブログを発表されました。
 中身は論旨明快で一読して百解します。
 また同氏が卓越した文明評論家であることが良く分かります。
 
   註.青字の箇所をクリックすればより詳しい音声ブログが聞けます。
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東京と原発 (東京の人が日本人になるかの踏絵)
武田邦彦 2014年1月16日
 
細川元首相が東京都知事に立候補し、それを小泉元首相が応援するということで話題になっています。立候補する目的は「脱原発」です。
 
これについて「東京都と原発は関係ない」という話がコメンテーターや都民からでていますが、人間は自分の身になるとわからないものなのだなとテレビを見ながらつくづく思いました。まるで全体を見ることができず駄々をこねている中学生のような感じがしましたが、これでは原発問題は解決しないと思い、筆を執りました。
 
なぜ福島に原発があったかというと、東京の人が「原発の電気は欲しいけれど、危険だから近くは嫌だ」というので、所得の低い地方に作ることになったことに端を発しています。
 
もし、東京の人が誠実で「自分たちの電気は自分たちで。特に原発が危険ならなおさら他人に押し付けずに自分たちの近くに作る」という態度をとったら、福島の人は被災しなかったでしょう。
 
また、「原発は安全だ」と言った人も東京在住、御用学者の東大も、誤報を続けたNHKも、そして「健康に影響はない」と違法な発言を繰り返した官房長官も東京の人です。つまり福島原発事故は東京の人の自作自演なのですから、「今後、自分たちはどうするのか? 誠実な人生を送るのか?」という問いに真正面から答えなければならず、それが今回の都知事選だからです。
 
恥ずかしいことにアメリカもフランスも電力消費地の近くに原発があり、だからこそ安全対策もしっかりしているのですが、現在の東京の人のように「自分だけ得をして危険は他人に。良いとこ取りで、あとは権力と御用学者とNHKで誤魔化す」ということをしていたら、日本人とは言えないと私は思います。