福島原発3号機の原子炉建屋一階の床を大量の汚染水が流れていることについて、東電は、溶け落ちた核燃料を冷やした後の高濃度汚染水が、格納容器の損傷部分から漏れているとの見方を明らかにしました。
しかし東電からはそれ以上の説明はないので、東京新聞がいろいろの可能性を推定する記事を載せました。
原子炉容器(圧力容器)内は勿論、格納容器内の様子も殆ど分かっていないことが良く分かる記事です。
東電には物事をありのままに知らせようという考え方はなく、これまでもその場しのぎのおかしな説明でお茶を濁してきました。そして原子力規制委から要求されない限り分かっていることも語らず、また事態の解明の方途を見つけることもして来ませんでした。
従って事故後の原子炉内部や格納容器内部の実態について、東電がどの程度把握しているのかについては一向に掴めません。
今後もこの種の解説記事をどんどん出して欲しいものです。
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福島第一3号機 床の汚染水どこから 東電は格納容器損傷説
東京新聞 2014年1月21日
東京電力福島第一原発3号機の原子炉建屋一階の床を、大量の汚染水が流れているのが見つかった。建屋の床で大量の汚染水流出が確認されたのは、事故後初めて。東電は二十日、格納容器から漏れた水との見方を示したが、濃度からは使用済み核燃料プールなども疑われ、漏出元ははっきりしない。
建屋の床には本来、水がないはずで、これまで判明していない何らかの異常があることの証しだ。作業用ロボットが撮影した動画で確認された汚染水は、三十センチ幅で床を流れ、排水口から地下に流れ込んでいた。大浴場に注がれるお湯のような勢いだった。放射性セシウムの濃度は一リットル当たり二四〇〇万ベクレル。海への放出が認められる基準の一万六千倍だった。
原因として考えられるのは、冷却水が格納容器内の核燃料にまで届かず、途中で漏れていること。雨が建屋に流れ込むことも考えられる。しかし、どちらの水だとしても、床を流れる汚染水ほどの放射性物質を含んでいない。最近は、まとまった雨も降っていない。
使用済み核燃料プールの水は、セシウム濃度がほぼ一致する。問題は位置が離れていること。汚染水が見つかった場所からみると、プールは格納容器の向こう側になる。プールの水位にも大きな異常はない。
ほかに可能性があるのは、溶け落ちた核燃料を冷やした後の高濃度汚染水が、格納容器の損傷部分から漏れていること。東電はこの見方を取っている。しかし、容器からの汚染水なら、もっと高濃度の放射性物質を含んでいるとみられる。しかも、水は隣接するタービン建屋側から格納容器に向かって流れている。格納容器からの漏出なら、流れは逆のはずだ。
エネルギー総合工学研究所の内藤正則部長は「漏出元が格納容器と確認できれば、中の冷却水の水位が分かる可能性があり、今後の廃炉作業に役立つ」と述べる。
現場近くは放射線量が高く、人が近寄れない。今後の調査は難航しそうだ。 (清水祐樹)