柏崎刈羽原子力発電所でテロ対策上の重大な不備が相次いだ問題で、原子力規制委の更田豊志委員長は、東電の再発防止策などを確認する検査について「徹底的に現場の把握に努め、核物質防護のレベルが達成、維持されているか見てもらいたい」と述べ、原子力規制庁に対して速やかに検査に入るよう求めました。
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柏崎刈羽原発 テロ対策不備の再発防止策 “速やかに検査を”
NHK NEWS WEB 2021年10月20日
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所でテロ対策上の重大な不備が相次いだ問題で、原子力規制委員会の更田豊志委員長は、東京電力の再発防止策などを確認する検査について「徹底的に現場の把握に努め、核物質防護のレベルが達成、維持されているか見てもらいたい」と述べ、原子力規制庁に対して速やかに検査に入るよう求めました。
原子力規制委員会は20日、定例の会合を開き、柏崎刈羽原発でことし相次いで明らかになったテロ対策をめぐる問題を受けて、東京電力が提出した再発防止策などを確認するための本格的な検査について議論しました。
検査の概要について事務局の原子力規制庁は、再発防止策の具体的な内容や効果のほか、コストダウンの取り組みがテロ対策の質に与えた影響を確認するなどと説明しました。
これに対して更田委員長は「再発防止策などはあくまで東京電力が作成したもので本社が整えた内容だという色彩が極めて強い。徹底的に現場の把握に努め、核物質防護のレベルが達成、維持されているか見てもらいたい」と述べ、現場の把握に重点を置いたうえで速やかに検査に入るよう求めました。
そして、検査は早ければ今月から始まることが決まりました。
柏崎刈羽原発の6号機と7号機は再稼働に必要な審査に合格していますが、規制委員会の更田委員長は「検査には1年前後かかると思う」と述べていて、来年秋までは再稼働できない状態が続くとみられます。
柏崎刈羽原発で規制委が本格検査 テロ対策不備 東電の改善策確認
毎日新聞 2021/10/20
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策の不備が相次いだ問題で、原子力規制委員会は20日、東電の再発防止策が実際に機能するのかなどを調べる本格的な検査を始めた。先月22日に提出された報告書を受けての対応で、東電が報告書に盛り込んだ原因分析や改善策などが適切かどうかを順次調べる。
20日の定例会で、事務局の原子力規制庁が示した本格検査の計画を了承した。これまでも問題の経緯などを調べてきたが、規制委によると「第1段階の検査」で、本格検査は第2段階に当たるという。来週にも柏崎刈羽原発への立ち入り検査に入る予定だ。
柏崎刈羽原発を巡っては今年に入り、敷地内への侵入者を検知する機器の不備や、発電所の所員による同僚のIDカードを使った中央制御室への不正入室などが、相次いで発覚した。規制委は3月、7号機の原子炉に核燃料を装着する手続きを保留し、4月には原子炉等規制法に基づいて核燃料の移動禁止を命令。再稼働に向けた手続きは凍結された状態になっている。
東電は、こうした処分を解くため、規制委の本格検査を通じて改善させたテロ対策を確認してもらう。検査に関し、規制委の更田豊志(ふけたとよし)委員長は「1年前後はかかる」との見通しを示している。【岡田英、吉田卓矢】