原発事故により福島県大熊町から郡山市に避難している吉田キヨ子さん(77)は23日、三春町の岩江センターで開かれた岩江地区文化祭に参加しました。吉田さんは、今年5月に死去した夫の彰さんと、事故まで大熊町で畜産を営んでいて、原発事故発生翌日の11年3月12日、避難先として三春町の岩江中体育館にたどりつき、岩江地区の住民が用意してくれたおにぎりと真新しい毛布のあたたかさに感激しました。その後も衣類や日用品の提供を受け1週間ほど滞在しました。
長女純子さん(50)の新しい職場の上司が偶然、岩江在住であったため、文化祭への参加が実現し、地区に寄付金を贈るとともに、ようやく感謝を直接伝えることができました。
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原発事故から10年、一時避難の三春町岩江の文化祭に参加 住民と再会 福島
福島民報 2021/10/24
東京電力福島第一原発事故により福島県大熊町から郡山市に避難している吉田キヨ子さん(77)は23日、三春町の岩江センターで開かれた岩江地区文化祭に参加した。同地区は原発事故発生直後、最初に避難生活を送った場所だ。住民と再会し、「感謝を直接、伝えたい」との思いをかなえた。
吉田さんは、今年5月に死去した夫の彰さんと、大熊町で畜産を営んでいた。原発事故発生翌日の2011(平成23)年3月12日、避難先としてたどりついたのが、三春町の岩江中体育館だった。
先行きの見えない不安の中、岩江地区の住民が用意してくれたおにぎりと、真新しい毛布のあたたかさが今でも忘れられない。衣類や日用品の提供も受けた。1週間ほどの滞在だったが、住民は親身に対応してくれた。
東京都や会津若松市での生活をへて、現在は郡山市で暮らす。「岩江の人たちにお礼を言わなければ」とずっと思ってきた。長女純子さん(50)の新しい職場の上司が偶然、岩江在住で、文化祭への参加が実現した。
キヨ子さんは彰さんの写真を携え、避難時にもらった上着をまとって会場を訪れた。会場の一角に彰さんの川柳や自宅敷地の写真などを展示し、住民と当時の思い出や今の暮らしについて語り合った。地区に寄付金を贈った。
キヨ子さんは「皆さんに支えられ、こうして生きていられる。これからも交流を続けたい」と話した。