東北電力は4日、鉄塔などを建設する大規模な工事を報道陣に公開しました。この日、大熊町と川内村で公開されたのは、70m以上の鉄塔を作る工事で福島県内では27年ぶりの大規模工事です。工事の目的は、福島県側で災害があった場合に備え、東京方面から東北に向けて電力を送れる容量を倍増することです。
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災害時の電力ひっ迫に備え…東北電力の大規模工事【福島県】
福島中央テレビ 2023/4/4
東北電力は4日、鉄塔などを建設する大規模な工事を報道陣に公開しました。
工事は27年ぶりの大規模工事で、懸念されているある問題が背景にあるようです。
この日、大熊町と川内村で公開されたのは、70メートル以上の鉄塔を作る工事です。電気を供給する送電線を繋ぐためのもので、県内では27年ぶりの大規模工事です。
■東北電力ネットワーク 送変電建設センター福島工事所 淡路忠行所長
「災害があった場合に、東京方面から東北に向けて電力を送っていただく容量も増える。」
工事の目的は、災害時の電力ひっ迫の問題です。2022年には、地震などで発電所が停止したことで電力の供給量が減り、全国的に節電が呼びかけられました。
この問題を解消しようと東北電力は、東京電力と相互に供給していた送電線のルートを、1つから2つに増やすことにしました。これで電力の供給量を2倍ほどに増やすことができ、電力ひっ迫を防ぐことが期待されています。
■東北電力ネットワーク 送変電建設センター福島工事所 淡路忠行所長
「地域に安心を与えられるような設備になればと思います。」
この工事は、田村市から富岡町までの約15キロに渡って進められ、ほかの送電線も合わせて、全ての共用が始まるのは2027年になる見通しです。
そして、電力ひっ迫とともに気になるのが、家庭向けの電気料金の値上げです。
東北電力は、国に32.9%の値上げを申請していましたが、25.2%に引き下げたことがわかりました。
経済産業省が燃料費の下落傾向などを踏まえて、値上げ幅を計算し直すよう求めたためで、今後、審査が進められるということです。