東電は3日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器の内部調査について、投入した水中ロボットのケーブルが引っ掛かって進めなくなってしまったため、撮影を予定していた領域の一部を断念し、調査を終えたと発表しました。当初はデブリから放射される中性子線の測定も予定していましたが、それも中断することになりました。水中ロボットでの調査でトラブルがなかったケースはなかったのではないでしょうか。
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格納容器の調査中断 福島第1・1号機ロボット進めず
しんぶん赤旗 2023年4月4日
東京電力は3日、炉心溶融事故を起こした福島第1原発1号機の原子炉格納容器の内部調査について、投入した水中ロボットのケーブルが引っ掛かって進めなくなってしまったため、撮影を予定していた領域の一部を断念し、調査を終えたと発表しました。
今回の調査は3月28日に開始。原子炉圧力容器を支えている円筒形の土台(ペデスタル)の内側に、水中□ボを投入してペデスタル内壁の損傷状況を初めて調べました。水中ロポは30日までに内壁の全周の半分強を調べましたが、31日にケーブルが引っ掛かって進めなくなり、残りの領域の調査を断念。4月1日に水中ロボを引き上げて聊査は終わりました。
ペデスタルは鉄筋コンクリート製で、外径7・4m、内径5m。これまでの調査で、外壁の一部や内壁の広範囲の領域で、コンクリートが溶けて鉄筋がむき出しになっている様子が確認されました。
東電は、デブリ(溶け落ちた核燃料)から放射されると考えられる中性子線の測定も予定していましたが、ぺデスタルの開口部のみ実施し、ペデスタル内部での測定を実施する前に調査を中断することになりました。
30日の調査では、水中ロボが原子炉直下ら上方を撮影。駆動機構のー部とみられる構造物が脱落して下方に落ちてきている様子や、かたまり状の物体が垂れ下がっている様子が確認されました。