ドイツは当初の予定通り原発を全停止しました(4月15日)。
ところがフクシマ事故を引き起こした日本は、原発廃止の方針をかなぐり捨てて原発全面稼働に突き進んでいます。なんとも異様な対比で恥ずかしい限りです。
日本の規制基準は、原発が活断層の上にない限りは基準地震動が1000ガル以下でも稼働させることになっていますが、全ての活断層が判明している訳ではなく、地震が起きて初めて活断層があったことが分かるというケースはいくらでもあります。
従って再稼働には慎重でなくてはならないのに、岸田首相は原子力ムラの望むがままに原発を再稼働させたり新設しようとしています。なかでも40年超の運転に関する審査(検査)において、検査できない項目については事実上「目を瞑っている」に至っては絶句します。
植草一秀氏の記事:「国民を不幸にする岸田内閣」を紹介します。
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国民を不幸にする岸田内閣
植草一秀の「知られざる真実」 2023年4月15日
フクシマ事故を直接経験していないドイツが原発を全停止し、フクシマ事故を起こした日本が原発を全面推進する。
岸田内閣は戦争危機を煽り、軍事費倍増の方針を示す。
最大の平和政策は戦争の火種を作らないこと。
戦争の火種を懸命に創作して軍事費を倍増することをマッチポンプという。
平和を構築すれば軍事費を増大させる必要がなくなる。
軍事費を激増させ、金がないと騒ぎ、庶民大増税を企む。戦争推進、原発推進、庶民大増税推進が岸田内閣三大政策。言語道断の三政策だ。
この路線を日本国民が支持するのか。
悪政を放置するなら、その咎(とが)は国民自身に降りかかることを忘れてはならない。
多くの人が懸命に政治活動をしている。そのこと自体は尊いこと。
しかし、政治のリアリティーは政権の獲得にある。議会過半数を確保し、政権を樹立しないと政治の大転換は実現しない。このことを認識しなければならない。
政権樹立、政権奪還の戦略が重要である。
ドイツで最後に残った原発3基が4月15日に稼働を終える。
ドイツが原発による電力供給を始めたのは1961年。
60年超続いた原発稼働にドイツは終止符を打つ。
ドイツはウクライナのチェルノブイリ原発事故を踏まえ、原発の安全性に対する再考察を行った。2002年に原発を段階的に廃止することを法制化した。
その後に2011年3月11日のフクシマ原発事故に遭遇した。
これを機に2022年末の全原発停止を決めた。
しかし、ロシアからの天然ガス供給が途絶したため、原発3基だけは運転期間を本年4月15日まで延長した。その延長期限が切れ、ようやく原発稼働ゼロにたどり着いた。
ところが、フクシマ事故を引き起こした日本が原発廃止の方針をかなぐり捨てて原発全面稼働に突き進んでいる。
これを主導しているのが岸田文雄氏だ。日本の原発稼働推進は狂気の沙汰。
狂気である根拠を明示したのが福井地方裁判所の樋口英明元裁判長。
最大の問題は日本の原発の耐震性能が十分でないこと。
日本は世界最大の地震大国で、日本では1500ガルを超える揺れの地震が頻発している。
ところが、フクシマ事故を経験したいまも、ほぼすべての原発耐震性能が700ガル以下に留められたままなのだ。
いつフクシマ事故が再現されてもおかしくない状況にある。
これを容認することはできないとしたのが樋口英明裁判長の判断だった。
日本政府は中国の脅威を煽る。その上で、南西諸島での対中国戦争に向けての臨戦態勢を整えている。
連動して日本の軍事予算を激増させ、米国からの武器輸入を激増させている。
これは平和を構築する施策ではない。平和を破壊する施策である。
4月2日付の
ブログ記事「アメポチでは日本国民を守れない」 https://bit.ly/43No9z9
メルマガ記事「米国介入を迷惑に思う台湾市民」 https://foomii.com/00050
に詳述したが、台湾の市民は台湾政府の対米隷属を歓迎していない。
米国が台湾に関する中国との摩擦を拡大させていることについて、これは米国が米国の利益のために実行していることとの冷静な判断を保持している。
米国が中国をいたずらに刺激して台湾と中国との関係を悪化させていることをはた迷惑だと認識している。
ところが、日本の岸田内閣は米国が煽る日中関係悪化誘導に抗することなく、ただひたすら米国の命令に隷従する。
その行為が日本の領土と日本の国民を危機に陥れる原因になることにまったく警戒を示さない。これでは国民の命と暮らしを守ることはできない。
岸田内閣を退場させて日本政治を刷新する必要がある。
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