2023年8月23日水曜日

原発汚染水放出 緊迫 政府は放出方針撤回を 完全な約束違反 

 22日岸田首相、西村経産相、渡辺復興らが関係閣僚会議を開き、岸田首相は、アルプス処理水の放出をめぐりIAEAから安全基準に合致していると結論づける報告書が出されたことも踏まえ、幅広い国と地域から支持の表明が行われ国際社会の正確な理解が広がりつつあることや、21日の漁業者との面会について「政府の姿勢と安全性を含めた対応に『理解は進んでいる』との声をいただいた」と述べた上で、海洋放出の時期について「気象や海象の条件に支障がなければ、今月24日を見込む」と述べました。

 漁業者との会合では放出に対して反対であることが表明された筈ですが、首相は「理解が進んでいる」との身勝手な主観を述べることで、「関係者の理解なしには如何なる処分も行わない」という約束を反故にしました。
 岸田首相が土壇場でこういう態度をとることは十分に予想されたことでした。それにしても岸田氏には人格と呼べるものがあるのでしょうか。
 年間の放出限度を22兆ベクトル以下にするためには1日当たりの海洋放出量は抑えられるので、放出処分の所要期間は半永久的になる(既報)ので、それに伴う放出費用や賠償額は天文学的に増えます(最終的には国民が負担)。このことを考えれば、海洋放出はこんな風に後先を考えないで飛びついていいような処分法ではありません。
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原発汚染水放出 緊迫 政府は放出方針撤回を 完全な約束違反 
                      しんぶん赤旗 2023年8月22日
小池書記局長会見
 日本共産党の小池晃書記局長は21日、国会内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出をめぐる政府の対応について、「『関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない』という約束を守り、放出方針は撤回すべきだ」と述べました。
 小池氏は、岸田文雄首相が放出実施の判断は「最終段階に入った」と明言し、月内にも放出する方針を示していることについて「『最終段階』などと誰が決めたのか。政府と東電はこれまで、『関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない』ということを約束してきたではないか」と指摘。岸田首相が20日に福島県を視察したことに触れ、「地元の漁業関係者の声も聞かず、会おうともしない。その上で処分に踏み切るというのは完全な約束違反だ」と批判しました。
 小池氏は、「朝日」の世論調査では、政府の風評被害防止は「不十分」が75%、共同通信の調査では、「風評被害の懸念を持つ」が88%、「政府の説明は不十分」が81・9%に上っているとして、「国民の多くも今回の放出には十分な説明がなく、風評被害が心配だという声を上げている。私も漁業者から話を聞いたが、すでに輸出品の価格の大幅な下落など風評被害の影響が出ている」と述べ、重ねて放出方針の撤回を求めました。