2023年8月2日水曜日

経産相 茨城漁連訪問 アルプス処理水放出に理解求めるも平行線

 福島第1原発アルプス処理水の海洋放出をめぐり、西村経産相が1日、茨城沿海地区漁協連合会を訪れ、漁業者と30分間面会しました。6月10日に続いて2回目です。
 同連合会は、放出を「死活問題」と位置付け、放出や価格低下でなりわいの承継や新規参入が滞ると懸念。放出見送りや実施した場合は後継者確保につながる支援を求めていました。
 協議の進展はありませんでした。これまでずっと放置してきた問題を切羽詰まったからといって訪問の頻度を上げてみても、それで解決するような問題ではありません。
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経産相が茨城沿海漁連と面会 漁業者側、処理水放出反対変わらず
                             毎日新聞 2023/8/1
 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出をめぐり、西村康稔経済産業相が1日、茨城沿海地区漁協連合会(水戸市)を訪れ、漁業者と面会した。
 関係者によると、西村氏との面会は6月に続いて2回目。同連合会幹部と約30分面会し、風評被害対策などを話し合った。同連合会は、放出を「死活問題」と位置付け、放出や価格低下でなりわいの承継や新規参入が滞ると懸念。放出見送りや実施した場合は後継者確保につながる支援を求めてきた協議の進展はなく、漁業者側の放出反対の立場に変更はないという。
 処理水に関して、西村氏は6月10日に茨城の漁業者を初めて訪問し、「廃炉を進めるにあたり、海洋放出は避けて通れない」と強調。一方、飛田正美・同連合会会長は「国の風評被害対策は我々が要望しているものとは大きくかけ離れている。断固反対」と伝えていた。
 西村氏は7月30日には福島県内の漁協を訪れ、放出時期について「夏ごろとの方針に変わりない」としている。【木許はるみ、長屋美乃里】


経産相、茨城漁連訪問 処理水放出、理解求める
                        茨城新聞クロスアイ 2023/8/2
西村康稔経済産業相は1日、茨城県水戸市三の丸の茨城沿海地区漁業協同組合連合会(茨城漁連)を訪れた。関係者によると、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、茨城県漁業関係者に改めて説明し、理解を求めた。面談は非公開で行われた。
西村氏は午後2時50分ごろ、茨城漁連に到着。処理水の放出を巡り、漁業者に説明した。全て非公開で行われ、約1時間後、同所を後にした。6月10日にも同漁連を訪れ、漁業者と面談している。
西村氏は7月29日に宮城県、30日に福島県を訪れ、漁業者に処理水放出への理解を求めた。漁業者からは「現状通りの生活ができるのか」との不安や正確な情報発信を求める声が相次いだ。この日も茨城県漁業者からの要望や質問に答えたとみられる

岸田文雄首相は1日午前、西村氏ら関係閣僚と官邸で協議し、安全性の確保と風評対策の徹底、地元や国際社会に対する丁寧な説明、情報発信を指示した。西村氏は閣議後の記者会見で首相の指示を明らかにした上で「しっかりと丁寧に説明したい。地元の皆さまと意思疎通を密にし、信頼関係を深めたい」と話した。
処理水の海洋放出時期を巡り、政府と東電は「夏ごろ」としている。7月14日に西村氏が全国漁業協同組合連合会(全漁連)で理解を求めた際、同席した茨城漁連の飛田正美会長は取材に「反対という姿勢に変わりはない」と述べている