2023年8月2日水曜日

「すでに実害も」海産物の価格下落…迫る処理水海洋放出

 中国は事実上 日本の東北10県の海産物の輸入禁止に踏み切りました。
 その影響も含めて宮城県では海洋放出されていない段階でも既に実害が生じているということです。仙台放送が伝えました。
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「すでに実害も」海産物の価格下落…迫る処理水海洋放出 求められる風評被害対策〈宮城〉
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政府が夏ごろまでの開始を目指す、福島第一原発の処理水の海洋放出についてです。29日も、西村経済産業大臣が県内を訪れるなど、漁業者に理解を求める動きが続いています。こうした中、海洋放出されていないにもかかわらず、すでに、県内の一部の海産物には価格の値下がりという「実害」が生じています
宮城県七ヶ浜町の菖蒲田漁港に31日に水揚げされたのは、旬を迎えたアワビ。しかし、今シーズンの水揚げ量は、「例年の半分以下」という、不漁だといいます。

菖蒲田浜潜り組合 鈴木直也代表「全体的には不漁ですね。この暑さなんで…あと温暖化、色々そういう影響が、海にはかなり出ているので、ちょっと厳しい状況」
不漁に追い打ちをかけるのが…

西村経済産業相宮城のアワビの価格下落など、影響はすでに生じているという話をお伺いしている」
処理水の海洋放出です。政府は夏ごろまでの開始を目指していて、29日は、西村経済産業大臣が、県漁協を訪れ、放出への理解を求めました。しかし、放出前にもかかわらず、すでに一部の水産物には影響が。

県漁協 寺沢春彦組合長香港、中国の輸出規制強化、それに伴って浜の方では、実害として下落であったり、流通の流れが止まったり、実害が発生していることに対して、現場の状況を踏まえた発言をした」
県漁協によりますと、浜によって価格は異なるとした上で、一例として、6月上旬は1キロあたり、1万3000円から3500円ほどの値が付いていたアワビが、中旬から下落。現在は、9500円ほどになっているといいます。

菖蒲田浜潜り組合 鈴木直也代表「入札方式でアワビとかを、買ってくれる方々に渡しているが、『もう入札入りません』買わない。もうそこでかなりの影響を受けていて…自分たちは困っている
こうした状況を受けて、西村大臣は、風評対策で用意した300億円の基金について、「放出前でも影響があるなら対応する」と強調。しかし漁業者からは…

菖蒲田浜潜り組合 鈴木直也代表全国民が安心して食べられるという、本当にその一声がほしい。すると自分たちも海に出て、活力湧くじゃないですか。今の状況では実際湧かないですから。不安ばっかり募る一方で」