2024年6月26日水曜日

今年の原子力白書は放射線特集、6000人アンケで海洋放出「受け入れられない」は4割

 内閣府原子力委員会は25日、今年の原子力白書を決定しました。

 この中で昨年、福島第一原発のアルプス処理水の海洋放出が始まったことを踏まえ、原子力や放射線に詳しい層1000人と一般層6000人に対してアンケートを取ったところ、放出を「受け入れられない」と回答した割合は、詳しい層で14%だったのに対し、一般層では約3倍の42%でした。
 これについて同委員会は生活の中でも常に被ばくしていることや医療や工業などで放射が活用されていることを挙げて、放射線に関する正確な知識が浸透していないと指摘したということです
 しかし、大昔から空間線量によって低レベルの被曝をしていることや健康維持等のために必要に基づいて放射線を利用するケースと、コスト低減のために最終的に880トンの放射性物質を海洋に放出することとを、ごっちゃにして論じることこそ間違いでしょう。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今年の原子力白書は放射線特集、6000人アンケで処理水「受け入れられない」は4割
                            読売新聞 2024/6/25
 内閣府原子力委員会は25日、今年の原子力白書を決定した。昨年、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出が始まったことを踏まえ、放射線について特集。内閣府はインターネット形式のアンケートを実施し、理解度を調べた。
 アンケートでは、原子力や放射線に詳しい層1000人と一般層6000人を比較。処理水について「受け入れられない」と回答した割合は、詳しい層で14%だったのに対し、一般層では約3倍の42%だった
 処理水は汚染水を特殊な設備で浄化処理し、トリチウム以外の大半の放射性物質を取り除いた水。政府は人体や環境に影響を与えることはないとしている。
 同委員会は白書で、国などの関係者に向けて「国民の信頼を得る努力を粘り強く継続していかなければならない」と提言している。


福島処理水、安全性浸透と評価 23年度版原子力白書取りまとめ
                        共同通信 2024年06月25日
 国の原子力委員会(上坂充委員長)は25日、2023年度版の原子力白書を取りまとめた。23年8月に始まった東京電力福島第1原発の処理水海洋放出について、安全性は国民に一定程度浸透しているとしつつ、国と東電に「継続して不安の声に応える粘り強い取り組み」を求めた。
 白書は、国際原子力機関(IAEA)による処理水放出計画の評価を「第三者機関の協力を得て情報発信の客観性や透明性を確保しようとする取り組みは有効」と指摘。国と東電の対応も、国民の不安の払拭に一定程度寄与したと総括した。
 一方、放出は放射性物質の安全性などについて「国内外で議論を巻き起こした」と言及した。中国が日本産水産物の輸入を停止、ロシアも追随し、ホタテなどを取り扱う漁業関係者が影響を受けたと振り返った。
 白書は、放射線に関する正確な知識が浸透していないと指摘。生活の中でも常に被ばくしていることや、医療や農業、工業分野で利活用されている現状を強調し、利用促進には安全性の確保に加え、社会的な受容性など多面的な考慮が必要だと訴えた。