2024年6月15日土曜日

アルプス処理水の海洋放出差し止め訴訟 東電「請求理由なし」と 福島地裁

 漁業関係者ら363人が国と東電に海洋放出の差し止めなどを求めた訴訟の第2回口頭弁論13福島地裁で開かれ東電側は「処理水に含まれる放射性物質トリチウムなどの濃度は基準を下回っており、漁業や環境への影響は生じていない」と主張しました。

 しかしトリチウムなどの濃度が基準を下回っているのは放出先の海水で希釈しているからであり、最終的に核燃料デブリ880トンが全量海に放出されることになるので、環境への影響は多大です。
 原発稼働中のトリチウムの放出が認められているのは、「発生源を分離することができない」こととトリチウム以外の放射性物質は「純水レベル」まで除去されているからです。
 また現に漁業関係者から東電に対して千件以上の補償要求が出ているのですから、漁業への影響も多大というべきです。
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処理水の海洋放出差し止め訴訟 東電「請求理由なし」 福島地裁
                        福島民友 2024年06月14日
 東京電力福島第1原発で発生する処理水を巡り、本県や首都圏などの漁業関係者ら363人が国と東電に海洋放出の差し止めなどを求めた訴訟の第2回口頭弁論は13日、福島地裁(小川理佳裁判長)で開かれた。東電側は意見陳述で「原告が差し止め請求をする理由はない」とし、海洋放出の安全性を強調した。
 この日は東電側と原告側の意見陳述が行われた。東電側は「処理水に含まれる放射性物質トリチウムなどの濃度は基準を下回っており、漁業や環境への影響は生じていない」と主張した。
 原告側は「トリチウム以外の放射性物質を全て取り除くのは不可能で、海洋生物に取り込まれる可能性がある。漁業関係者への影響は大きく、海洋放出を認めるべきではない」と述べた。
 次回は10月1日午後2時15分から弁論を行う。