2013年5月14日火曜日

国が前面に立って原発事故の賠償をする と


 安倍首相は13日の参院予算委員会で、福島原発事故の賠償や廃炉の費用について、すべてを東電に押し付けるのは間違いで、これからは国が前面に出て責任を果たすと述べました。東電には事故処理の能力もまた資力の準備もなかったのでそうせざるを得ませんし、被災者には国の責任で十分な賠償を行って欲しいものです。

 東電に対して国はこれまで既に5兆円を肩代わりしており、このさき賠償や廃炉に要する費用は10兆円以上になると考えられています。
 しかしこれらはすべて国民からの税金で賄われるのですから、東電は電力料金を上げて返済すればそれでいいというのではなく、やはりそれなりのけじめをつける必要があります。
 またそうした費用をすべて度外視して、見かけだけ廉価な原発の発電単価を出してきたきた欺瞞もこの際正されるべきです。
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首相「すべて東電は間違い」…原発事故賠償
読売新聞 2013年5月13日
 安倍首相は13日の参院予算委員会で、福島第一原子力発電所の事故を起こした東京電力に対して、「(賠償や廃炉などの問題)すべてを東電に押しつけるのは間違っている。国がしっかりと前面に出て、取るべき責任を果たす」と述べた。
 民主党の大久保潔重氏の質問に答えた。
 
 現在の東電支援の枠組みは、賠償費用などについて政府が原子力損害賠償支援機構を通じて5兆円を上限に必要な資金を肩代わりし、東電が長期間にわたって返済する計画だ。しかし、東電は原発事故の賠償費用や福島第一原発の廃炉や除染費用などが10兆円を超えるとの見方で、追加支援が必要との立場だ。
 東電は、福島第一原発事故の影響や火力発電の燃料費の増加で2013年3月期の税引き後利益が6852億円の赤字で厳しい経営が続いている。さらに、現行の支援の枠組みである総合特別事業計画が前提としている柏崎刈羽原発(新潟県)の早期の再稼働は見通しが立たず、計画を抜本的に見直す必要があるとの見方が出ている。

首相「福島の復興は国が前面に」
NHK NEWS web 2013年5月13日
参議院予算委員会は、震災からの復興やエネルギー政策などをテーマに集中審議を行い、安倍総理大臣は、原発事故からの福島の復興について、「国が前面に出て取るべき責任を果たす」と述べ、国が主導して進めていく考えを改めて示しました。

この中で安倍総理大臣は、国の原子力政策について、「東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故の反省として、絶対安全というものはないというなかで、安全を考えていくことが極めて重要だ。しかし、原子力政策を始めてからの40年間は、そうではなかったことにわれわれの反省がある」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は、「宮城県にある東北電力の女川原子力発電所は、高い津波でも耐えられるように土地をかさ上げして建設されている。福島第一原子力発電所について見直す機会があれば、事故は起こらなかったのではないかという思いもある。こうした反省のうえに立って、原子力も含めたエネルギー政策を進めていかなければならない」と述べました。
そして、安倍総理大臣は、原発事故からの福島の復興について、「賠償や廃炉、避難された方の生活再建の問題もあり、安倍政権としては、東京電力に押しつけるのは間違いだと考えている。もっと国が前面に出て取るべき責任を果たすなかで、廃炉に向けた研究などは国がしっかりとやっていきたい」と述べ、国が主導して進めていく考えを改めて示しました。