国連人権委員会の報告で、現在行われている福島県民の健康管理調査は不十分と指摘されたばかりですが、福島県は県民の健康管理調査に対して助言や提言を行う検討委員会のメンバー11人から福島医大の4人全員を24日付で退任させ、新たに専門家8人を迎えて15人体制としました。
検討委員会は、公開の会議に先立って秘密裏に準備会を開き、たとえば次のようなことを決めていたことが昨年毎日新聞で暴露され、県民から健康管理調査そのものが不信の目で見られていました。
①確認されている“がん”の発生は原発事故とは無関係であるとする。(12.10/5付)
②内部被曝の検査はWBC(ホールボディーカウンター)のみで良く、尿検査でWBCを代替えするのは困難とする。そして内部被曝量は低いとする。(10/5付)
③国がWBCより精度の高い尿検査を提案したときには、県民がWBCを望んでいるからと断る(=偽りの理由)。(11/20付)
これらはすべて「見かけの放射線被害を出来るだけ低くする」ために行ったものと考えられます。
今回の刷新により検討委員会には、是非とも本来求められている正規の機能を発揮して欲しいものです。
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(福島)県民健康調査の検討委刷新 15人体制、客観性確保へ
福島民友ニュース 2013年5月25日
(福島)県は24日、東京電力福島第1原発事故を受けた県民健康管理調査の運営に助言・提言する検討委員会に関して委員を刷新した。委員11人のうち、検査を行う福島医大の4人全員を同日付で退任させ、他大学と研究機関から甲状腺や妊産婦、がん・疫学の専門家ら8人を迎えて15人体制とした。医大を検討委から切り離すことで議論に客観性を持たせる狙いがある。6月5日の本年度第1回検討委から新体制に移るが、恣意(しい)的な情報発信を排除して調査に対する県民の不信を払拭(ふっしょく)できるか否かが焦点だ。
新委員は甲状腺やがん、妊産婦の医療について専門的な見方を取り入れるため県外から専門家3人を招いた。退任した福島医大の4人に代わって被ばく医療の面から広島大、長崎大、弘前大の専門家も加えた。
県内有識者では福島大元副学長の清水修二教授、県病院協会の前原和平会長を新たに選任、県内の関係機関と連携強化を図る。
退任した座長の山下俊一福島医大副学長(非常勤)は、長崎大に復職後も検査実施で調査にかかわる。座長はこれまで知事の指名だったが、新体制では委員の互選とする。新たに委員の任期も定め、2年とした。