2013年5月13日月曜日

2年後にはじめて現地調査 賠償紛争審査会


 福島原発事故に伴う損害賠償の指針を策定する国の賠償紛争審査会の委員が、地元の要望を受けて12日、初めて福島県の原発事故の避難区域で現地調査を行いました。事故からもう2年以上が経つのになんとも悠長な話です。
 一体こんな時間感覚で紛争が適切に処理できるとでも思っているのでしょうか。驚くべき「お役所仕事」ぶりというほかはありません。

 + 関連して福島民友ニュースを追加

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原発の賠償審査会 初の現地調査
NHK NEWS web 20135月13日
原発事故に伴う損害賠償の指針を策定する国の審査会の委員が、12日、初めて福島県の原発事故の避難区域で現地調査を行いました。
地元の要望を受けて行ったもので、審査会の会長は、不動産の賠償についての現在の指針の見直しを検討する考えを明らかにしました。

現地調査を行ったのは、文部科学省の「原子力損害賠償紛争審査会」の委員を務める法学者や弁護士など8人です。
委員たちは12日、原発事故の避難区域がある6つの自治体を初めて訪れ、このうち富岡町の中心部にある商店街では、崩れかかった商店などがそのまま放置されている様子を視察しました。
また、旅館の中では、人がいない間にネズミが大量に繁殖して、ふんの被害が出ていることや、震災後も屋根の補修ができず、雨漏りが起きている実態を確認しました。
今回の現地調査は、県や地元の自治体が「現在の賠償は実態を十分に反映していない」と要望したことを受けて、実施されました。
調査のあと、審査会の能見善久会長は、「長期間、人が住めないことで、建物の被害が大きくなっている実態が分かった。調査結果を指針に反映させるため、特に不動産の賠償は、審査会でもう一度検討したい」と述べました。
審査会では来月にも調査を行い、指針の見直しの検討を行うことにしています。

「想像以上の損害」 原賠審、避難区域現状受け止め
福島民友ニュース 2013年5月13日
 東京電力福島第1原発事故による避難区域を12日、初めて視察した原子力損害賠償紛争審査会の能見善久会長ら委員8人は、6市町村の避難区域の住宅や商店、事業所などの現状を確認した。
 原発事故から2年2カ月が経過した県内では、双葉町と川俣町山木屋を残して避難区域再編が進み、住民の帰還に向けて損害賠償の新たな課題が出ている。しかし、審査会の現地視察はこれまでに一度もなく、県が4月に実施を求めていた。審査会はこれを受け、賠償指針に関する協議には避難区域の現状把握が必要として初めて訪れた。視察した能見会長は「長期間の避難で、住宅は想像できないような大きな損害が出ていた。また、戻れる人と戻れない人に差があり、地域コミュニティーが分断されていた。賠償やほかの施策も含め、皆さんが元の生活に戻ることを実現できればいいと感じた」と語った。