EUは原子力発電所の安全性を強化するためにすべての原発を対象に、6年ごとに加盟国が互いに専門家を派遣し合って検査することを義務づけ、検査によって見つかった問題点については検証チームを作って改善を促すなどの、新たな対策をまとめました。
原発が安全に運転されるためには装置を公開し、本当に安全なのかを第3者のチェックに委ねることが不可欠という考え方によるものでしょう。
日本の原子力基本法でも、その第2条(基本方針)に、「安全の確保を旨とし」、「民主的な運営の下に」、「その成果を公開し」として、「公開の原則」がうたわれています。
しかし東電がデーターを改ざんする隠蔽行為を行っていたことが1970年代に暴露された後もその隠蔽体質は一貫して維持され、遂に福島原発事故を引き起こしましたが、その後も一向に変わっていません。
昨報の「原子炉圧力容器のテストピースの詳細データを公表しない」なども明らかな原子力基本法違反であり、日本には「公開の原則」はないに等しいというのが実態です。
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EUが新たな原発安全対策
NHK NEWS WEB 2013年6月14日
EU=ヨーロッパ連合は、原子力発電所の安全性を強化するため、域内のすべての原発を対象に、6年ごとに、加盟国が互いに検査することを義務づけるなど、新たな対策をまとめました。
EUの執行機関であるヨーロッパ委員会は、13日、東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に進めている原発の安全性強化の一環として新たな対策をまとめ、加盟国に提案しました。
それによりますと、現在EU域内で稼働している132基の原発すべてを対象に、6年ごとに、加盟国が互いに専門家を派遣し合って検査することを義務づけ、検査によって見つかった問題点については検証チームを作って改善を促すとしています。
また、各国の原発に関する規制当局の独立性を高めることや、非常事態に対応するための拠点となる施設を原発の敷地内に設置するよう義務づけることも盛り込まれました。
ヨーロッパ委員会は、今回まとまった安全強化策が来年中に各加盟国に承認されることを目指すとしています。
ただ、これまで原発の安全性については加盟国ごとの政策が優先されてきたため、一律の安全対策を義務づけるのに対しては異論が出ることも予想されます。