朝日新聞社が8~9日に行った世論調査(電話)によると、経済の成長のためだとして『低コスト』の原発を積極的に利用する安倍政権の方針について、反対が59%で、賛成の27%を大きく上回りました。
そもそも世の中には「危険だけれども安いから使おう」と考える人はいません。
先日公表された福島児童の甲状腺がんの患者数は、「要精密検査」者の全員の検査はまだ終了しない段階での中間報告であったことが明らかにされました。であれば発生比率はさらに増大します。その後江戸川のウナギからも放射能が検出されました(実際には数ヶ月も前に判明していたということです)。
この先福島原発の放射能禍がどこまで広がりいつになったら収束するのかまったく分かりません。
それに原発が『低コスト』という言い分も最早信用されなくなっています。
原発の廃炉には莫大な費用が掛かりますが電力会社にはその準備は殆どなく、いずれ税金なり電気量アップで賄う腹づもりでいるようです。
買い置きの核燃料のある電力会社としてはそれを使えば『当面の』出費は少なくて済むので原発の再稼動に必死ですが、使用済み核燃料の処分や廃炉の費用それに原発立地自治体への交付金などをカウントすれば、原発の方がコストが安いという主張は成り立ちません。
以下に世論調査と関連の記事を紹介します。
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経済成長に原発利用、「反対」59% 朝日新聞世論調査
朝日新聞 2013年6月10日
朝日新聞社が8~9日に実施した全国定例世論調査(電話)によると、日本経済の成長のためだとして原発を積極的に利用する安倍政権の方針について、反対が59%に上り、賛成27%を大きく上回った。
停止している原発の運転再開の賛否も聞くと、やはり反対は58%で、賛成28%と大きく差がついた。
安倍首相は5日、成長戦略の第3弾を発表。この中に「原子力発電の活用」や「安全と認められた原発の再稼働」を盛り込んだが、原発に対する有権者の抵抗感はなお根強いようだ。
成長戦略:素案に「原発活用」 自民、再稼働へ前のめり
規制委早期審査求める
毎日新聞 2013年06月06日
5日公表された成長戦略の素案では「安全性が確認された原発の活用」との項目が入った。安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」を下支えするため、自民党内ではエネルギーの安定供給を優先する意見が台頭。原発再稼働に前向きな首相の意向や、地域経済の冷え込みを懸念する立地自治体の声も強まり、原発再稼働を目指す党内の動きが加速している。【飼手勇介】 (以下省略)
成長戦略に「原発の活用」 政権素案、再稼働の推進明記
朝日新聞 2013年5月31日
安倍政権が6月にまとめる成長戦略の素案に「原発の活用」を盛り込み、原発再稼働に向けて「政府一丸となって最大限取り組む」と約束することがわかった。東京電力福島第一原発事故を受けて脱原発を求める声は根強いが、安倍政権の経済政策「アベノミクス」で目指す経済成長には原発が欠かせないという姿勢を鮮明にする。
素案は、成長戦略をまとめる産業競争力会議で5日に示され、12日までに正式に決めたうえで、14日にも政府方針として閣議決定する。成長戦略に「原発の活用」が入れば、中長期にわたって原発に頼る経済・社会を続けることになる。
朝日新聞は「成長戦略(素案)」を入手した。エネルギー政策では、成長を担う企業が活動しやすくするため、原発事故後の電力不足を解消したり、火力発電につかう燃料費がかさんで値上がりする電気料金を抑えたりする必要があると指摘している。
そのために必要な政策として「電力システム改革の断行」「高効率の火力発電の導入」などとともに「原子力発電の活用」を盛り込んだ。具体的には、原子力規制委員会が安全と判断した原発は「判断を尊重し、再稼働を進める」としたうえで、地元の理解や協力を得るために「政府一丸となって取り組む」と明記し、原発再稼働を積極的に進める方針を打ち出す。【藤田知也】