国内で唯一稼働中の関西電力大飯原発3、4号機について、原子力規制委が新規制基準施行後も「運転継続は可能」とする決定を、早ければ26日にも下す方針であることが分かりました。今回は敷地内の活断層調査の結論は出さず、9月の定期検査後に新基準の適合申請が出された時点で判断するものとみられています。
新基準施行日から定期検査開始までは2ヶ月弱の間のことなので、出来るだけ風波を立てない方法を取ったものと推測されますが、当初「灰色であれば(=両論があれば)活断層と判定する」と述べたあの意志はいまはどうなったのでしょうか。
今日、電力会社は「原発を稼動させないと電力が不足する」という主張は(最早理由にならないために)撤回して、ひたすら「電力料金が上がるから原発を再稼動したい」に方向転換しています。であればなおさらここでは規制委に、「活断層の危険性があるので新基準施行日(7月8日)をもって運転停止とする」と、毅然たる態度を示して欲しいものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大飯原発「運転継続可能」 規制委報告、新基準は7月8日施行
産経新聞 2013年6月19日
国内で唯一稼働中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県)について、原子力規制委員会が新規制基準施行後も「運転継続は可能」とする報告書をまとめ、早ければ26日にも決定する方針であることが18日、分かった。新基準の施行日は7月8日で調整していることも判明した。運転継続で関西地区の夏の電力供給は確保されるが、敷地内の活断層調査の結論は報告書に盛り込まれず、不十分な報告書の内容に批判が集まる可能性もある。
現在停止中の原発48基は新基準の適合が再稼働の条件だが、稼働中の大飯原発の2基は影響を考慮して、新基準を満たしているかどうかの事前確認作業を4月から行っていた。
新基準では、各原発で想定される最大の津波や、火山の噴火、竜巻など「過酷事故」に対応することを要求。関電は、敷地が高いため最大の津波でも安全性が保たれるとしたほか、近傍の火山などのデータを示し、原子炉に影響がないことを確認した。
規制委の会合で特に問題となったのは、重大な事故が起きた場合の前線基地となる「緊急時対策所」の整備。正式な対策所は平成27年上期に完成する予定だが、中央制御室横の会議室と1、2号機の会議室も合わせて運用することで規制委は了承した。
規制委は今月15日に現地調査を実施。その結果、「安全上重大な問題が認められない」と判断し、次の定期検査に入る9月まで運転継続を認める。
しかし、敷地内の破砕帯の評価は報告書に盛り込まれない。原子力規制庁によると破砕帯が地滑りなのか活断層なのか、識者の間で見解が分かれ結論がすぐに得られないからだという。9月の定期検査後に出される新基準の適合申請で活断層か判断するとみられる。