大飯原発の耐震計算において、原子力規制委が周辺にある「熊川断層」、「FO-A断層」「FO-B断層」の3つの活断層が連動した場合を想定するように求めたのに対して、関西電力は断層の長さがこれまでより短いことが判明したなどとして「連動を考慮する必要はない」と主張し平行線をたどっていましたが、このほど関電は活断層が連動しても地震の加速度は最大で760ガルであるという結果をまとめ、規制委もその評価結果をおおむね了承しました。
この結果は、関電が当初から「仮に三連動した場合でも揺れの強さは760ガルで、設計基準の震動を一部上回るが耐震性に問題はない」と主張していた内容を、そのまま追認するものです。
最近とみに財界や電力会社それに自民党などから規制委が厳しすぎるなどと不当に非難する発言が増している中で、それらに妥協したのでなければよいのですが・・・
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大飯原発の活断層評価結果を了承
NHK NEWS WEB 2013年6月11日
国内で唯一運転している福井県の大飯原子力発電所の安全性を確認している国の原子力規制委員会は、関西電力との間で議論が平行線をたどっていた周辺にある3つの活断層の連動について、関西電力が最終的にまとめた評価結果をおおむね了承しました。
原子力規制委員会は、大飯原発の2基について、ことし7月に施行される原発の新たな規制基準に基づき、4月から安全性の確認作業を続けていて、敷地の北西側の海域と東側の陸域にある3つの活断層の連動を検証するよう求めてきました。
これに対し、関西電力は「3つの活断層は連動しない」として、議論は1か月以上平行線をたどってきましたが、前回の会合で規制委員会の指摘を初めて受け入れました。
そして、活断層を連動させて、耐震性の基準となる地震の揺れの強さを示す加速度が最大で760ガルであるという結果を最終的にまとめ、規制委員会は関西電力のこの評価結果をおおむね了承しました。
また、敷地の高さが9メートル70センチある大飯原発の最大規模の津波について、これまでの2メートル85センチを上回る3メートル68センチとした関西電力の評価結果もおおむね了承しました。規制委員会は建物や設備への影響とともに、今月15日の現地視察などで残る過酷事故への対策について確認し、今月下旬に運転の継続か停止かの結論を出すことにしています。