福島原発事故に伴う風評被害への損害賠償で、東電から「売り上げの減少と事故との因果関係は認められない」と賠償打ち切りを通知された茨城県内の事業者は、食品加工など約40事業者に上ることを、23日分、茨城県議会で橋本昌知事が明らかにしました。
通知書には「新たな取引先の開拓や新たな事業の展開などが可能であると考えられる」として、「売り上げが減少したことと事故との間には相当の因果関係を認めることが困難」と書かれているということです。
加害者である東電が、「因果関係を認めることが困難」などとよくも言えるものです。
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東電風評被害・賠償打ち切り40事業者 知事「説明が不十分」
茨城新聞 2013年10月24日
東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害への損害賠償で、東電から「売り上げ減少と事故との因果関係は認められない」と賠償打ち切りを通知された(茨城)県内事業者は、食品加工など約40事業者に上ることが23日分かった。同日の県議会予算特別委員会で、橋本昌知事が明らかにした。橋本知事は「事業者への事前の説明や協議が不十分」との認識を示し、「個別事業に応じた丁寧な協議」の必要性を強調した。
同委で舘静馬氏(いばらき自民)の質問に対し、橋本知事が答えた。
通知が届いた事業者については「個人で請求している野菜生産農家や野菜を原料とする食品加工業者など、県内約40の事業者」と、県の東電に対する照会結果を説明。東電は、本県産野菜全体の東京中央卸売市場での価格がキノコや山菜類を除き、事故前の水準に戻っていることを賠償打ち切りの理由としているという。
こうした事態について、橋本知事は「風評で不利な条件の下、必死に取り組んでいるにもかかわらず、現在も事故前に戻らないのが実情」との現状認識を示し、東電の対応について「『打ち切りは一方的だ』『被害者を切り捨てるのか』といった声が上がってる。事業者への事前の説明や協議が不十分ではないか」と指摘した。
「東電は誠意を持って事業者の声を聴き、しっかりと実態を把握し、個別の事情に応じて丁寧に協議を進めていく必要がある」と強調し、県として「全ての被災者が十分かつ迅速な賠償を受けることができるよう、国や東京電力に引き続きあらゆる機会を捉えて働き掛けていきたい」と述べた。
通知は「事故から相当期間が経過した現時点では、新たな取引先の開拓や新たな事業の展開などが可能であると考えられ、売り上げが減少したことと事故との間には相当の因果関係を認めることが困難」との内容。調査している社民党県連によると、県内各事業者に8月以降送られてきた。
同党から打ち切り撤回を求められた東電茨城補償相談センターは「通知書は私たちの考え方を示している。合意があるから通知書を出したわけではない。通知書を出したから協議を受け付けないということでもない」と答えた。