新潟県は17日までに、「にいがた食の安全・安心基本計画」の改定案をまとめました。2006年度の策定以来初の全面改定(13年度からの4年間を期間とする)で、東京電力福島第1原発事故による放射性物質汚染への不安があるため、「食品の放射能対策の推進」も追加しました。これは他県に先立った意欲的な取組みであると思われます。
新潟日報によれば、新たに追加した放射能対策の項目では、まだ食品検査結果の情報提供を強化するという段階に留まっているようですが、先ずは情報提供がより充実されることで、食品の放射能検査自体の強化につながることを期待したいものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
食の安全計画に放射能対策を追加
(新潟)県が改定案、検査結果の情報提供強化
新潟日報 2013年10月18日
(新潟)県は17日までに、「にいがた食の安全・安心基本計画」の改定案をまとめた。2006年度の策定以来初の全面改定で、13年度からの4年間を期間とする。従来の計画で20に分かれていた個別施策を「安全安心な農作物の提供」など12に再編。その上で東京電力福島第1原発事故による放射性物質汚染への不安があるため「食品の放射能対策の推進」を追加した。
同計画では食糧供給県としての信頼確保に向け、条例に基づいて施策を進める。県の最上位計画「夢おこし」政策プランの改定に合わせて見直した。
個別施策は「食育の推進」「人材の育成」などに整理した。
新たに追加した放射能対策の項目では、食品検査結果の情報提供を強化する。県が行う食品の放射性物質の検査結果を掲載する県ホームページ内の「食の安全インフォメーション」の年間閲覧数を、12年度の約7万2千回から20万回に増やす。
環境保全型農業を推進するため、農薬と化学肥料の使用量を3割以上減らした特別栽培農産物の栽培面積を、12年度の約7万7千ヘクタールから、県内耕地面積の半分に当たる8万5千ヘクタールに拡大する。
畜産では、食品衛生管理の国際規格「HACCP(ハサップ)」を導入した「畜産安心ブランド生産農場」の認定戸数を、12年度の241戸から県内農場数の半数の280戸に増やす。
計画に実効性を持たせるための指標は従来計画の34から24に絞った。
県はこれらの施策を通じて住民満足度を向上させることを最大の目標としている。成果指標として住民意識調査で「県の取り組みを十分と感じる」と答えた人の割合を、12年度の県内55・0%、県外50・6%からそれぞれ「増加させる」と明示した。
泉田裕彦知事は「各種取り組みを通じて食の安全が守られていると感じる県民の割合を増やしたい」としている。
県は11月5日まで意見公募を行い、年内の計画策定を目指す。