30日、原子力規制委は福島原発4号機の燃料プールからの燃料取り出しの計画を認可しました。規制委はこの日、燃料の落下防止や落下した場合の対応、燃料棒を約100m離れた建物内の共用プールに移した後の貯蔵などに関する、東電の計画を適切と判断しました。
抜き出し作業は大変なリスクを伴うので、事前の準備に万全を尽くすこととして認可が保留されていたものです。
取り出し作業は11月8日に開始されると見られています
4号機は東日本大震災のときたまたま定期点検中で、原子炉内の核燃料棒は全部抜きと取られていましたが、1~3号機と排気管が繋がっていたために水素爆発を起し、建屋の屋根や最上階の壁の一部が吹き飛び、燃料プールに天井クレーンやがれきが落ち込むなどしました。
度重なる余震で最上階の燃料プールに万一ひび割れ等が生じて、燃料棒が空気中に露出されると大変危険なことになるので、取り出しは当初から急がれていましたが、建屋を外側から囲って補強する架構がようやく完成し、天井クレーン(遠隔操作型)が新設され、さらにプール内のがれきや落下構造物の撤去が完了したので、核燃料棒の取り出し作業が可能になったものです。
取り出し作業は、燃料棒を1個ずつクレーンで引き上げ、プールの余裕水深内で水没させたままで搬出用容器に収納し、所定数収納すると水封したまま密閉してプール上に吊り上げ、建屋外の搬出用トレーラーに吊り下ろすもので、それを1533本の燃料棒について繰り返すものです。
作業は水中カメラで監視しながら行い、燃料棒が変形していたり一部破損していた場合の対応も当然織り込み済みと思われます。
(関連記事)
2013年10月23日「福島原発4号機の燃料プールは人類生存にかかわる問題 と」
2012年9月16日「なぜ早く燃料棒を取り出さないのか! 福島原発 4号機危機問題 続報」
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規制委:核燃料取り出し計画を認可
毎日新聞 2013年10月30日
原子力規制委員会は30日、東京電力福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出し計画を認可した。規制委は「リスクを伴う作業で、事前準備に万全を尽くすことが必要だ」としている。東電は11月半ばにも燃料取り出しを始める。
東電は水中カメラを使った燃料の健全性の確認方法や、破損していた場合の作業員の被ばく低減策などを示し、規制委は「災害の防止上、十分なもの」として計画を認可した。更田豊志委員は「予想しないこともあると思うので、十分な監視を行うべきだ」と述べた。
4号機の使用済み核燃料プールには核燃料1533本が保管されている。4号機は水素爆発したため原子炉建屋上部は大破しており、東電は廃炉に向けてがれきの撤去や、建屋カバーや燃料取り出しのためのクレーンの設置を進めてきた。
規制委は廃炉に向けた計画を8月に認可したが、4号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しについては、保管燃料が正常な状態か確認する方法や、燃料が破損していた場合の対処方法などの手順が決まっていなかった。【鳥井真平】