2013年10月22日火曜日

原発・放射能ニュース 2013.10..21~25

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10.25

規制委、直接排水を追認 福島第一台風対策 (東京新聞)
 近づく台風27号に備え、東京電力は福島第一原発のタンク群周りの堰(せき)にポンプやホースを増強し、堰内に残る汚染された雨水の多くを地下貯水池に移すなどして空き容量を確保した。備えは強化されたが、雨量によっては、また苦しい対応を迫られる。
 四日前、汚染雨水があふれた区域のうち、汚染度の高い四つの区域では二十四日、雨水を貯水池に移送した結果、水位が十センチ未満にまで下がり、二十センチほどの余裕ができた。
 ほかにも排水基準を超える雨水がたまっている区域がいくつもあり、東電は同様に移送する予定という。
 
10.24

東電風評被害・賠償打ち切り40事業者 知事 「説明が不十分」 (茨城新聞)
 (25日「東電 風評被害賠償打ち切り 40事業者」本文記事参照) 

規制委、せきの水の直接排出了承 実態追認、台風控え期限付き (東京新聞)
 東京電力福島第1原発の汚染水タンク群を囲むせきに降雨でたまった水について、原子力規制委員会は24日、大雨であふれそうになった場合、放射性物質濃度が排水基準未満と確認した上で、せきから直接排出するとした暫定運用を了承した。
 台風27号の接近を控えた対応で、東電によるせきのかさ上げなどの対策が終わる年末までを期限とした。東電は16日の台風26号や20日の大雨の際「正規手順ではせきからあふれる」として、すでに同様の手法で排出しており、規制委が実態に合わせて追認した格好だ。 (共同)
 
 
排水溝の水、14万ベクレルに 最高値を記録 福島第一 (朝日新聞)
  東京電力は24日、福島第一原発の排水溝の水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を1リットルあたり14万ベクレル検出したと発表した。8月から始まった排水溝の水の調査で最高値。放射性ストロンチウムの法で定める放出限度は1リットルあたり30ベクレル。検出された水にはストロンチウム以外の放射性物質も含まれているが、高い濃度になっている。
 東電によると、23日に採取した水から検出された。22日は同5万9千ベクレルだった。東電は「これまでに降った雨水の影響で、周辺の地表にある放射性物質が排水溝に流れ込んだためとみられる」などと説明。新たな漏れは確認されていないという。
 観測地点は、8月に300トンの高濃度汚染水漏れ事故が発覚したタンクの近く。排水溝は約700メートル先で港湾外の海につながっている。放射性物質がそのまま流れていくのを防ぐため、この地点の下流側に土嚢(どのう)を積んでいるという。

「高濃度汚染がれき」原発敷地内に埋設 東電社長が方針 (福島民友ニュース)
 東京電力の広瀬直己社長は23日の参院予算委員会で、福島第1原発の廃炉作業で出る高濃度の汚染がれきを同原発敷地内に埋める方針を明らかにした。立地している双葉、大熊両町との安全協定に基づき、両町から埋設に了解を得たい考えも併せて示した。増子輝彦議員(民主、福島選挙区)への答弁。
  同原発敷地内のがれきは現在、約6万5000立方メートルあるという。がれきの処理について広瀬社長は、材質や汚染の度合いに応じて分別し保管場所を決めると説明した。その上で高濃度の汚染がれきについては「(放射能汚染が)高レベルの場合、土の遮蔽(しゃへい)はかなり効果があり、土をかぶせる方法を考えている」と述べた。

欠陥貯水池に雨水移送 福島第一、台風対策窮地に (東京新聞)
 台風27号が近づく中、東京電力は二十三日、福島第一原発のタンク群周りの堰(せき)にたまる雨水を移送する先が十分確保できないため、四月に水漏れが起き、信頼性が失われた地下貯水池を使う方針を明らかにした。池をめぐっては、東電の広瀬直己(なおみ)社長自らが今後は使わないことを約束していたが、他に手段がない状況に陥った。 (清水祐樹)
 「堰の水を全て地上タンクに移せればいいが難しい。やむにやまれず、地下貯水池を使わせていただきたい」。二十三日の記者会見で、東電の今泉典之原子力・立地本部長代理の口調は重かった。
 東電は、排出基準を超える放射性物質が検出された堰内の水は、雨水用に用意した四千トン分のタンクと、2号機のタービン建屋地下に移送すれば、十分に対応できると説明してきた。
 しかし、いざ台風が来ると、堰内にはあっという間に雨水がたまり、十六日の台風26号の際にたまった雨水はタンクの容量を大幅に超えていた。次の台風に備えて堰から水を抜くため、雨水用タンクに移送しようとしても、今度は建屋地下の水位が危うくなった。
 安易に雨水を入れると、建屋外の地下水位の方が低くなり、建屋地下にたまる高濃度汚染水が外部に漏出する危険が高まるからだ。
 そこで東電が着目したのが、容量の大きな地下貯水池だった。
 敷地内には七つの貯水池がある。四月、うち三つから高濃度の放射性ストロンチウムを含む処理水が漏れ、東電は計約二万四千トンもの処理水を地上タンクに急きょ移送することを迫られた。
 突貫工事で地上タンクを増設するだけでは足りず、冷却水用タンクも動員してしのいだ。
 貯水池には三層の遮水シートがあるが、危険な処理水を安定的に貯蔵するようには造られていなかった。広瀬社長は今後使わないと明言していたが、守れないほど現場の状況が苦しくなった。
 既に台風26号では、汚れていない池の一つを「緊急的な対応」として移送先に使った。今週末には27、28号が同時に来襲する可能性が高まり、他の二つの池も使う方針を決めた。

10.23

タンク堰の雨水、「緊急排出」容認の構え 県監視協 (福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発で20日の大雨に伴い地上タンク群を囲む堰(せき)から雨水があふれた問題で、県廃炉安全監視協議会(監視協)は22日、東電に対し、原子力規制庁と協議し緊急時の雨水の排出手続き(ルール)を明確に定めるよう強く求めた。東電は大雨に備えて一時貯蔵タンクの空き容量を確保するなど新たな対策を示す一方、規制庁の定めた排出手続きでは緊急時に対応できないとして、緊急排出について規制庁と協議する意向を表明。週末にも接近が予想される台風27号に向け監視協は、安全性の理論的な裏付けが示されれば緊急排出を容認する構えだ。
 福島第1原発で同日、現地視察した監視協に対し東電が示した新たな対策のうち、一時貯蔵タンクの空き容量確保では、現在貯蔵中の雨水の一部を2号機の冷却水に回して循環利用する。これで週末までに約4000トンの雨水が貯蔵可能になる。また、堰の水を移送するポンプの増強にも着手した。

排水溝から5万9千ベクレル検出 タンク付近で過去最高 (東京新聞)
 東京電力は23日、福島第1原発の汚染水を貯蔵する地上タンクで約300トンの漏えいがあった「H4」エリア付近の排水溝で22日に採取した水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり最大5万9千ベクレル検出されたと発表した。過去最高値だった17日採取分の3万4千ベクレルを上回った。
 排水溝は海の汚染拡大防止のため、測定地点の下流を土のうでせき止めている。東電は放射性物質が付着した周辺の土壌などが、雨で流れ込んでたまっていることが上昇の原因とみている。(共同)

【千葉】手賀沼処理場 9棟中4棟使って3市の526トンを保管 (東京新聞)
 高濃度の放射性セシウムを含むごみ焼却灰を一時保管する県の手賀沼終末処理場(我孫子、印西両市)には現在、柏、松戸、流山三市から五百二十六トンが搬入されている。


 取材を申し込んで二十二日、施設内に入ると、搬入済みの焼却灰は九棟ある施設のうち四棟で保管されていた。保管されている灰は、通常の埋め立て処分ができない一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルを超えるセシウムを含み、指定廃棄物と呼ばれる。
 九棟の周辺は、放射性物質を遮蔽(しゃへい)するため、高さ約二メートルの土のうで囲まれていた。県は毎日、施設内の四カ所で空間放射線量を計測し、九月中は一時間当たり〇・一〇~〇・〇六マイクロシーベルトだった。週一回計測する屋外十カ所の数値は〇・一三~〇・〇八マイクロシーベルトで、一時保管開始前とほぼ同じという。
 一棟には百七十トン程度の保管が可能。周辺住民の反対で現在は搬入が止まっていることもあり、一時保管場所の余裕はまだある。県は当初、倉庫十五棟を建てる予定だったが、残る六棟は「建設するかどうかも含めて今後の検討課題」という。 (白名正和)

【千葉】焼却灰のセシウム濃度 明暗 柏、焼却方法変え低減 松戸、いぜん高濃度(東京新聞)
 原発事故後、東葛の自治体を悩まし続けるごみの焼却灰問題。ここにきて柏市の灰に含まれる放射性セシウム濃度が下がり始め、民間の最終処分場への搬出を九月から再開した。一方で、依然としてセシウム濃度が下がらないのが松戸市。なぜ、明暗が分かれているのだろうか。 (三輪喜人)
 焼却灰問題をめぐっては県が手賀沼終末処理場(我孫子、印西両市)に設けた一時保管施設に、柏、松戸、流山の三市が昨年十二月から灰の搬入を始めた。一時保管するのは、通常の埋め立て処分ができない一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルを超える灰で、各市とも保管場所がなくなってきたためだった。ただ、当初から地元住民の反対があり、三市は六月から搬入をストップせざるを得なくなっている。
 
10.22

手順通りの雨水排出不可能 東電所長、規制委と協議へ (東京新聞)
 東京電力福島第1原発の小野明所長は22日、汚染水タンク群の漏えい防止用せきにたまった雨水があふれた問題で、せきの水を仮設タンクに移して放射性物質の濃度測定後に排出する手順について「せきの水を全部出すにはこの手順を千回とか繰り返す必要があり、大雨の中であふれさせずに作業することは不可能」と述べた。
 この日原発を視察した福島県の廃炉安全監視協議会の質問に答えた。小野所長は今後、排出方法について原子力規制委員会と協議する。
 福島県側からは「東電の手法で安全が担保されたとは言えない」と批判が出た。(共同)

首相、汚染水の影響否定 遮断の認識「変わらず」 (東京新聞)
 安倍晋三首相は22日の衆院予算委員会で、東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題に関し、放射線モニタリング結果が基準値を下回っているとして、海洋への影響を否定した。「完全にブロックされている。考え方は変わっていない」と述べた。(後略)(共同)

港湾外から再びセシウム 沖合1キロ最高値 福島第一 (東京新聞)
 東京電力は二十二日の定例会見で、福島第一原発の港湾外の海水で放射性セシウム137が一リットル当たり一・六ベクレル検出されたことを明らかにした。原発の沖合約一キロ地点。八月に調査を始めて以来、検出は二度目で最高値となる。汚染が港湾外の外洋に継続的に広がっている可能性があり、国内外で懸念が強まりそうだ。
 汚染水の海洋流出をめぐっては、安倍晋三首相が九月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で「港湾内〇・三平方キロの範囲内で完全にブロックされている」とアピールした。
 しかし東電は今月十日、「港湾口東側」と呼ばれる同じ調査地点で、セシウム137が一リットル当たり一・四ベクレル検出されたと発表した。今回、再び検出されたことで首相発言との整合性があらためて問われることになる。
 
野生キノコから基準超セシウム 国が出荷制限指示 (中日新聞)
  国は二十一日、原子力災害対策特措法に基づき、佐久穂町で採れた野生キノコの出荷制限を県に指示した。
 (長野)県が十七日に実施したモニタリング調査で、佐久穂町で採れた野生キノコから基準以上の放射性セシウムが検出されており、県が町産の野生キノコの出荷や採取、摂取の自粛を要請していた。
 県内で国が野生キノコの出荷制限を要請しているのは佐久穂町を含め小諸市、佐久市など計七市町村。

台風27号でも直接排出か 汚染水タンクせき内の水 (東京新聞)
 東京電力は21日、福島第1原発の汚染水タンク群を囲む漏えい防止用のせきから排出基準を超える放射性物質を含んだ雨水があふれた問題で、今週中にも接近する恐れのある台風27号に対策が間に合わない可能性があるとして、これまでと同様に緊急時には基準を下回る水をせきから直接排出する考えを示した。 (共同)

福島第1原発:事故の賠償指針 改定求め意見書 (毎日新聞)
 東京電力福島第1原発事故で、避難者の生活実態の調査が不十分なまま賠償の指針が決まり、避難者の救済が不十分として、立命館大の吉村良一教授ら64大学の教員190人が22日、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会に、避難者への調査と被害実態に即した指針の改定を求める意見書を提出する。
 原賠審は、原発事故の賠償基準を策定。今も家屋の賠償額上乗せなど、新たな指針の議論を続けている。精神的苦痛への慰謝料については、東電が指針に基づき、避難生活が終わるまで1人月額10万円を支払っている。
 意見書は、現状の指針が、家族が離ればなれになる状況を強いられたり、地域のコミュニティーが壊されてしまったりしたことが十分に考慮されていないことを問題視。「原賠審は、仮設住宅の避難者に直接事情を聴いておらず、調査が不十分」と、慰謝料の上積みなど指針の改定を求める。【奥山智己】

10.21

「1ミリシーベルトこだわらず」 除染目標でIAEA団長 (東京新聞)
 東京電力福島第1原発事故に伴う除染を支援するため来日した国際原子力機関(IAEA)専門家チームのフアン・カルロス・レンティッホ団長は21日、都内で記者会見し、除染の目標として「必ずしも(国が長期目標に掲げる)1ミリシーベルトにはこだわらない。利益と負担のバランスを考え、地域住民の合意を得るべきだ」と述べた。
 その後、レンティッホ氏は石原伸晃環境相と会談し、除染の進め方などを助言する中間報告書を提出した。(共同)

6カ所で排出基準超=タンクせきの水、最高70倍-福島第1・東電 (時事通信)
 東京電力福島第1原発で、放射能汚染水が貯蔵されているタンク群を囲むせき内の水があふれ出た問題で、東電は21日、水に含まれる放射性物質を測定した結果、6カ所で暫定排出基準を超えるストロンチウム90が検出されたと発表した。せきの周囲には土のうなどを積んでおり、東電は「直接海に流出した可能性は低い」と説明している。
 また東電は、水が流出したせきを12カ所から11カ所に訂正した。放射性物質の測定はいずれも大雨でせきの水があふれた後に実施されており、流出した水より濃度が薄まっている可能性がある。残る5カ所のせきの水についても、流出時点で濃度が基準値以内だったかは不明という。
 東電の暫定排出基準では、せきの水を外部に排水するにはストロンチウム90が1リットル当たり10ベクレル未満などの条件を満たす必要がある。東電によると、11カ所中6カ所で同10ベクレル以上が検出され、最も高かったのは基準の70倍以上の同710ベクレルだった。

東電原発風評 賠償金打ち切り 取手の業者 売り上げ回復せず 「顧客 元に戻して」 (東京新聞)
 (10月22日「東電 米穀販売業者への賠償金を打ち切る」 本文記事参照)