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10.5
東通原発断層、規制委が活動性強調 (デーリー東北新聞)
F―3断層の水平掘削面調査現場を調べる有識者調査団のメンバー=4日、東通村の東北電力東通原発1号機敷地内
原子力規制委員会の有識者調査団は4日、東通村の東北電力東通原発1号機で、3回目となる敷地内断層の現地調査を行い、敷地を南北に走る「F―3」断層が横ずれを起こしたかどうかを確認する水平掘削面調査の現場を調べた。団長役を務める島崎邦彦規制委員長代理は、調査後の取材に「(水平掘削面に見られる)亀裂に一定のパターンがある」として、断層に活動性があるとの見方をあらためて強調。敷地内断層の全体像を把握するため、年内にも4回目の現地調査を行う考えを示した。
赤城大沼のワカサギ 出荷自粛解除見送り 県「まだやや高い」 (東京新聞)
(群馬)県は四日、九月三十日に前橋市の赤城大沼で採取したワカサギから放射性セシウムが一キロ当たり八三ベクレル検出されたと発表した。九月十四日の採取分で基準値(同一〇〇ベクレル)を原発事故後初めて下回っており、今回で三回連続下回った。
県は現在続けている出荷自粛要請を解除する条件として、基準値を三回連続で下回ることを目安にしているが、今回は解除を見送る。引き続き釣りはできるが持ち帰れない。
県蚕糸園芸課は「まだやや高い数値で、低下傾向が確実かを見極めたい。過去に県外で食品の安全宣言を出した後に基準値を超えたケースがあり、無用な混乱を避ける必要がある」と説明している。 (菅原洋)
福島原発事故の風評被害 東電 補償打ち切り通知 (東京新聞)
東京電力福島第一原発事故による風評被害で売り上げが落ち込んだ県内の事業主に対し、事故以降、損害賠償をしてきた東電が、一部の事業主に今年三月以降の補償を打ち切ることを文書で伝えていたことが四日、分かった。東電茨城支店は「事故前の業績に回復したり、売り上げが戻ったりしたところがあれば、事業主の了解の下、賠償を打ち切りたいというお便りは差し上げている」と説明している。 (林容史)
通知文書などによると、事業主の賠償金の請求に対し、原子力損害賠償紛争審議会の中間指針を踏まえ、通知を出した事業主に「賠償金は支払えない」とし、その理由を「事故から相当期間が経過し、新たな取引先の開拓や新たな事業展開などが可能。売り上げの減少と事故の因果関係を認めるのは困難」と説明している。
規制庁、東電に改善指示 第一原発汚染水漏れで管理態勢強化など求める (福島民報)
東京電力福島第一原発の地上タンクから汚染水漏れが相次いだことを受け、原子力規制庁は4日、東電の広瀬直己社長を呼び、人員増強など汚染水の管理態勢の強化を指示した。汚染水漏れをめぐり規制庁が広瀬社長に直接改善を求めたのは今回が初めて。事態が切迫しているため緊急に対応した。一方、汚染水処理の柱に位置付けられ、試運転を再開したばかりの多核種除去設備(ALPS)が同日、再び一時停止した。
規制庁の池田克彦長官は「不備は初歩的な確認不足で引き起こされており、現場管理能力が著しく低下していると言わざるを得ない」と厳しく指摘。「東電の他の発電所から人員を回してでも、早急に対応してもらいたい」と述べ、具体策を近日中に文書で回答するよう求めた。
福島第1 汚染水タンク傾斜1%超 自重で地盤沈下か (河北新報)
福島第1原発の汚染水漏えい問題で、漏えい源のタンクの傾きが、東京電力の定める独自基準の傾斜1%(100メートルで高低差1メートル)を超えていたことが分かった。東電は「設置当時は基準を満たしていた」と釈明している。専門家は「地盤が不均等に沈み込む不等沈下で傾きが増した可能性がある」と、他にも基準を上回る傾斜のタンクが存在する疑いを指摘した。
東電によると、漏えい源のタンクは5基が並ぶタンク群「B南エリア」の東端に置かれている。エリア全体の幅は55メートルで両端の高低差は50センチ。傾斜は0.9%で、東電は3日の記者会見で「全体的には1%未満で許容範囲内」と説明した。
だが、問題のタンクは直径9メートルで、両端の高低差が13センチ以上あることが判明した。傾斜は1.4%で、1基単位では東電の基準をオーバーする。
10.4
原発事故は「人権侵害」 日弁連がシンポジウム (福島民友ニュース)
東京電力福島第1原発事故による被害は基本的人権の侵害に当たるとの観点から、住民の被害救済を考える日弁連主催の第56回人権擁護大会は3日、広島市で開幕した。初日は各分科会でシンポジウムを行い、原発事故の人権侵害を議論する第1分科会は、国が加害者責任を認めた上で(1)被害者への完全賠償(2)健康被害を未然防止する施策の実施(3)人権侵害を繰り返さないための脱原発政策への転換―に取り組むよう提言した。4日に正式決議する。
被害者への完全賠償では、家族の分断やふるさとの喪失など、広範囲で深刻な被害実態を踏まえた賠償指針の抜本的な見直しの必要性を指摘。損害賠償に伴う民法上の時効問題は、年内の特別措置法制定を求めた。
健康被害を未然防止する施策では「子ども・被災者支援法」の運用について、本県全域と年間累積線量1ミリシーベルト以上の地域を「支援対象地域」、年間5ミリシーベルトを超える地域を「特別支援対象地域」に設定し、より手厚い対策を実施するという対案を提示した。定住、避難の双方の判断を尊重すべきとした。また、内部被ばく検査に加え、血液検査や尿検査など幅広い検査を無償で行い、診断結果を被災者に直接開示する体制を求めた。
福島第1 タンク傾斜「基準甘過ぎる」 専門家、東電を批判 (河北新報)
福島第1原発の高濃度汚染水漏えい問題で、タンクの傾きが漏えいの一因だったことが明らかになった。東電は「傾斜は基準内にとどまり、許容範囲内」と話すが、専門家は「基準が甘い」と問題視している。
東電によると、漏えい源のタンクはタンク群「B南エリア」にあり、このタンクを入れて5基が横に並ぶ。エリアの幅は55メートルで緩やかに傾斜している。
原発汚染水処理設備の処理停止 (NHK)
東京電力福島第一原子力発電所で、先月27日に試運転を再開した汚染水の新たな処理設備で異常を知らせる警報が鳴り、東京電力は、汚染水の処理を停止して原因を調べています。
汚染水の処理の停止は、運転を再開した日にも起きています。
4日午前6時40分すぎ、福島第一原発で試運転を再開した「ALPS」と呼ばれる汚染水の新たな処理設備で、異常を知らせる警報が鳴りました。このため東京電力は、「ALPS」の処理を停止して原因を調べています。
「ALPS」は、汚染水からほとんどの放射性物質を取り除く「汚染水処理の柱」とされる新たな設備で、先月27日に1か月半ぶりに試運転を再開しました。
しかし、設備の点検で使ったゴム製の板を作業員が回収し忘れたため、運転を再開した日に汚染水の処理を停止するトラブルが起きていました。
規制委、東通で3回目断層調査 F―3断層の状況確認 (東京新聞)
原子力規制委員会の有識者調査団は4日、東北電力東通原発(青森県)で敷地内断層を現地調査した。水平方向にずれたとみられる特徴が見つかっている「F―3断層」の調査状況の確認が中心。東通の現地調査は昨年12月と今年9月に続き3回目。調査団のうち金田平太郎千葉大准教授は後日、別に調査を行う。
東通敷地内には網の目のように多数の断層が走っている。調査団は5月、F―3など敷地内断層の多くは「地盤をずらす可能性のある断層(活断層)」との見解をまとめたが、未調査の断層や不明な点が残る断層もあるため、東北電による追加調査の内容を確認する。(共同)
10.3
巡回強化も半日発見できず 第1原発タンク漏えい (東京新聞)
福島第1原発の地上タンクから新たな汚染水の漏えいが見つかった問題で、東京電力が8月の漏えいを受けタンク周辺の巡回を強化したにもかかわらず、半日にわたり漏えいを見つけることができなかったことが3日、分かった。また、問題のタンクに水位計が設置されていなかったことも漏えいにつながった。
東電は「当時は雨が降っていたため、タンクからの漏えいを見つけにくかった」としている。
原子力規制庁は4日、東電の広瀬直己社長を呼び、汚染水の管理の徹底を指示する方針。
(共同)
野生キノコを出荷停止 福島、静岡の一部 (東京新聞)
政府は3日、福島県只見町と、静岡県の富士宮市と富士市の野生キノコから、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したとして、両県に出荷停止を指示した。(共同)
漏えいタンクに傾き 東電「許容の範囲」 福島第1原発の汚染水 (産経新聞)
東京電力福島第1原発の地上タンクで新たな汚染水漏れが見つかった問題で、東電は3日、漏えいのあったタンクに傾きがあったことを明らかにした。傾いたタンクにほぼいっぱいまで水を入れたため、タンクの天板部から漏れたのが原因。東電は傾きを事前に把握していたが「許容の範囲内だった」としている。
東電によると、漏えいがあったのは「B南」と呼ばれるタンク群の1基で、放射性セシウムや塩分を除去した汚染水が入っていた。2日朝から昼にかけ、タンク群を囲むせきにたまった雨水を入れたという。
作業開始当初から汚染水が漏れていた可能性があるが、作業員が漏れに気付いたのは2日午後8時ごろだった。タンクの東側から漏れていた。
漏えいのあったタンクは「フランジ型」と呼ばれ、部材をボルトで締めて組み立てる構造。もともと満杯にする想定はしておらず、天板部は一部をボルトで締めただけだった。
汚染水漏れ 満水に気付かず注水 (東京新聞)
福島第一原発の雨水を移送していたタンクから高濃度の放射性ストロンチウムなどを含む処理水が漏れた問題で、東京電力は三日、四百三十リットルが堰(せき)外へ出て、一部が排水溝を通じて外洋に流出した可能性があると発表した。タンクが傾いていたため、低い所から漏れ出した。
水漏れしたタンクは、八月に漏れが見つかったのとは別のタンク群にある。敷地東の海に向かって緩やかに傾斜した土地に五基連結し、傾いて建てられていた。タンク一基の大きさは直径九メートル、高さ八メートルの円筒状。
川内村でスタートした本年産米の全量全袋検査 (福島民友ニュース)
東京電力福島第1原発事故で中断していたコメの作付けを3年ぶりに再開した川内村で2日、本年産米の出荷に向けたコメの全量全袋検査がスタートした。初日は318袋の検査が行われ、全袋で県が設定する放射性セシウムの基準値1キロ当たり60ベクレルを下回った。
村では今年、旧緊急時避難準備区域の農家85戸が作付けを実施。480トンの収穫を見込み、うち405トンが国が買い上げる備蓄米となる。
検査は村内の検査場で行われ、村やJAふたばでつくる「川内の恵み安全対策協議会」の職員がベルトコンベヤー式の検査機器に1袋ずつ通し、放射性セシウムを検査した。1キロ当たり60ベクレルを下回れば出荷され、上回った場合は県による再検査で国の基準値1キロ当たり100ベクレルを下回れば出荷が認められる。
未承認基準で排水 第一原発 台風の雨対策 (福島民報)
東京電力は2日、福島第一原発の台風22、23号に伴う降雨対策を発表した。汚染水を保管する地上タンク群の周囲に設けた「せき」内の雨水をタンクに移送するが、満杯になった場合は原子力規制委員会が承認を見送った同社の暫定排水基準値に基づき、せきから第一原発敷地内に排水する可能性を示唆した。排水時は県や地元漁協などに連絡するとしているが、未承認の基準を用いた対応を視野に入れた場当たり的な措置に、再び批判が集まりそうだ。
福島第1、汚染雨水の排水対策後手 台風期海に大量流出も (河北新報)
東京電力は2日、福島第1原発構内に降って放射能汚染された雨水が排水路を伝って海に流れ出す可能性のあることを明らかにした。台風シーズンに入り、汚染雨水が無処理で大量流出する事態が現実化している。
排水路はA~Cの3本。うちB排水路は汚染水漏れのあったタンクのあるH4エリア近くを通り、約700メートル先の海に直結する。1日にはベータ線を出す放射性物質が過去最高の1リットル当たり2200ベクレル検出され、約150メートル下流の地点でも1500ベクレルが出た。
10.2
福島第1原発で新たな漏えい 高濃度汚染水、海洋流出か (東京新聞)
東京電力は2日、福島第1原発の「B南」と呼ばれるタンク群の1基の上部から水の漏えいが見つかったと発表した。タンク群を囲むせきにたまった水からベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり20万ベクレルの高濃度で検出され、タンク内部の汚染水が漏れ出たと判断。汚染水の一部はタンク点検用の足場を伝って、せきの外にも出た。
タンク脇の側溝が、外洋(原発港湾外)につながる排水溝につながっており、東電は「汚染水が海に流出している可能性を否定できない」としている。
東電は原子炉等規制法に基づき国に通報するとともに、漏えい量を調べている。
汚染水390ベクレル あふれた雨水4トン 福島第一 (朝日新聞)
東京電力福島第一原発で、放射性物質を含む雨水がタンクから約4トンあふれた問題で、東電は1日、含まれる放射性物質の濃度がストロンチウムなどのベータ線で1リットルあたり390ベクレルだったと明らかにした。法で定めるストロンチウムの放出限度は同30ベクレル。
東電によると、台風対策として午前10時40分ごろからH6エリアの堰(せき)内の雨水を別のエリアの堰内に移す作業を始めたが、ホースのつなぎ先がタンクに変更されていた。このタンクは堰内からいったん移して放射性物質の濃度を調べるために一時貯蔵するタンクで、容量は約12トン。同じエリアで9月15日に採取した水は同160ベクレルだったという。
「東電の補償3割どまり」シイタケ農家窮状訴え (下野新聞)
(栃木)県議会農林環境常任委員会は1日、特定テーマ「農林産物の『とちぎブランド』戦略」に関し参考人招致を行い、出荷制限が続く原木生シイタケの生産農家が招かれ「東京電力からの補償が全額行われていない」などと窮状を訴えた。
招致されたのは県指導林業士で、37年間原木生シイタケを生産してきた日光市の福田正光さん(66)。県特用林産協会きのこ部会長の経験者だ。
県内の原木生シイタケは現在、露地栽培で21市町、施設栽培で9市町が出荷制限されており、福田さんは「露地栽培の原木生シイタケは被害が多大。一日も早く出荷制限を解除してほしい」と要望。原発事故に伴う東京電力から支払われた補償金が満額でなく、多い農家でも現在、約3割にとどまり「生産の継続がなかなかできない」と、経済的な厳しさも強調した。
鯵ケ沢の野生キノコ出荷制限指示 (東奥日報)
鯵ケ沢町で採取された野生キノコから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、国の原子力災害対策本部(本部長・安倍晋三首相)は1日、県に対し同町産野生キノコ類の出荷制限を指示した。国の指示を受け県は同日、制限解除までの間、同町産野生キノコ類を取り扱わないよう、同町や県内の卸売市場、産直施設などに要請した。
10.1
原発ADR:津波遺族、東電と和解…374人に2.9億円 (毎日新聞)
(10月2日「原発ADR 和解1件 地裁で和解1件」 本文記事参照)
ADR案上回る額で和解 避難一家と東電、静岡地裁 (東京新聞)
(10月2日「原発ADR 和解1件 地裁で和解1件」 本文記事参照)
窒素発生装置停止=作業ミス原因-福島第1 (時事通信)
東京電力は1日、福島第1原発1~3号機の原子炉内に窒素を注入する装置で、作業員が誤って停止ボタンを押したため、稼働していた2系統のうち1系統が停止したと発表した。残る1系統で必要な窒素量は確保できており、周囲の放射線量などに異常は確認されていないという。
東電によると、同日午前10時45分ごろ、1~3号機の水素爆発を防ぐため、原子炉に窒素を注入して水素濃度を下げる装置が停止しているのを確認した。同日午後に再起動する予定。
東電は窒素注入装置2系統を使用し、午前5時時点で1時間当たり計約60立方メートルを注入していた。東電は1系統だけでも最大で120立方メートルを注入できると説明している。
原発事故避難解除後1年は慰謝料 審査会、考え示すも結論持ち越し (東京新聞)
東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た区域の住民に精神的損害への慰謝料として支払っている月10万円の賠償について、1日開かれた文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会で、能見善久会長らが避難指示解除後も原則1年間、継続すべきだとの考えを示した。しかし委員から異論があり、結論は得られなかった。
また家屋など不動産賠償で避難先での住宅取得を支援するため、新築価格の6割を最低基準とする増額案も示されたが、「最低でも7割以上」と主張する委員もおり、結論は持ち越しとなった。
審査会は今後、議論を続け、年内に慰謝料や不動産賠償の見直しを反映させた指針をつくる方針。(共同)
静岡のキノコから基準値超す放射性セシウム 4市町で自生、流通せず (産経新聞)
静岡県は1日、富士市など4市町で自生していたキノコから国の基準値(1キログラムあたり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。流通はしていないとみられ、県は4市町でキノコを採って食べないよう呼びかけている。
県によると、富士市、富士宮市、御殿場市、小山町で9月25、26日に採取したハナイグチなど6検体から、1キログラムあたり120~220ベクレルのセシウムを検出した。裾野市でもキノコからセシウムが検出されたが、基準値以下だった。
御殿場市と小山町では昨年も基準値超えの野生キノコが見つかり、国が出荷制限を指示している。
東電の排水基準却下 規制委「測定の正確さないまま」 (福島民友ニュース)
東京電力福島第1原発の汚染水対策を検討する原子力規制委員会の作業部会は30日に開いた会合で、汚染水を貯蔵する地上タンク周囲のコンクリート堰(せき)内にたまった水の放出をめぐり、東電が示した排水の暫定基準値について審議し、「数値の妥当性以前に、測定の根拠が担保されていない」として承認を見送った。
東電の暫定基準値は、放射性セシウム134が1リットル当たり20ベクレル以下を検出限界値、放射性セシウム137が同30ベクレル以下を検出限界値にそれぞれ設定し、いずれも検出限界値未満であれば「雨水」と見なして堰外に排水するとした。
「セシウム濃度」3倍以上に 第1原発5、6号機港湾外 (福島民友ニュース)
県は30日、東京電力福島第1原発港湾内の5、6号機の取水口近くに設置した水中カーテン「シルトフェンス」が破断した問題を受け、緊急実施した海水の放射性物質検査結果を発表、外洋(港湾外)にある放水口付近で採取した海水から1リットル当たり1.62ベクレルの放射性セシウムが検出された。
県は発生翌日の27日に海水を採取。同じ場所で19日に採取した海水の放射性セシウム濃度は同0.48ベクレルで、3倍以上に上昇した。6~8月は最大で同7.4ベクレルが検出されており、県は「本年度の測定値の範囲内であり、引き続き推移を確認したい」としている。
汚染水漏えいの東電調査 規制委が疑問視 (福島民報)
東京電力福島第一原発の地上タンクから高濃度汚染水約300トンが漏えいした問題で、原子力規制委員会は30日、汚染水対策作業部会を開き、底板の隙間が原因の可能性が高いとする東電の調査結果は疑わしいとして「原因不明と言わざるを得ない」との見解を示した。
原子力規制委は、東電の調査結果に対し、隙間の大きさが当初の想定より小さく大量の汚染水が漏れたことに疑問が残ると指摘。東電は今後の調査で地上タンクの底板を解体する予定だが、解体してしまうと原因が判明しない可能性があるとした。このため、漏えいのあったフランジ型のタンクの汚染水を溶接型に早急に移送するよう求めた。
福島第二 廃炉の可能性 経産相「県民の心情考慮」 (東京新聞)
茂木敏充(もてぎとしみつ)経済産業相は三十日、衆院の経済産業委員会で、東京電力福島第二原発(福島県富岡町、楢葉町)について「他の原発と同列に扱うことはできないと考えている」と述べ、廃炉になる可能性があるとの考えを示した。東電は再稼働をにらんで復旧作業を続けてきたが、経産相が廃炉の可能性に踏み込んだことで、廃炉を検討せざるを得なくなった。
福島第二は原発事故を起こした福島第一の南方約十キロにあり、東日本大震災で大津波に襲われたものの、津波高が福島第一より四メートルほど低く、一部の外部電源が残っていた。仮設の電源ケーブルを引き、冷却用の海水ポンプを交換するなどし震災四日後には全基が冷温停止となった。以降、東電は「再稼働のためではない」と強調しつつも、復旧作業を進め、運転開始後三十年を経過した2号機も、運転延長をにらんだ長期保守管理計画を策定するなどしてきた。
原発事故避難者への慰謝料 避難解除1年後まで 原賠審 (朝日新聞)
【大月規義】東京電力福島第一原発事故で国の避難指示が出た区域の住民に対する月10万円の精神的苦痛に対する賠償(慰謝料)について、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は、避難指示の解除後1年間は支払いを続けることを指針に盛り込む方針を固めた。1日の審査会で合意する見通し。
国の避難指示区域で、慰謝料の支払い期限が示されるのは初めて。審査会は、避難指示の解除に合わせて慰謝料を打ち切らないことで、生活再建が進むと期待している。
一方、慰謝料は「ほとんどが生活費に使われてきた」(審査会関係者)ことから、原発事故で所得が低くなった住民からは「避難者切り捨て」との批判が起きる可能性もある。