能登半島地震の影響で、志賀原発(石川県)北部の30キロ圏に設置しているモニタリングポスト14カ所が機能せず、空間放射線量が測れない状況が続いています(5日午後4時時点)。14か所の約半数は実際は測定できているがデータを送信できていない通信トラブルとのこと。
北陸電力は、欠測地点よりも志賀原発に近いモニタリングポストは通常通り機能しており、地震前後で数値の上昇はないので放射能の外部への漏れはないと判断しています。
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志賀原発モニタリングポスト、輪島と穴水で欠測 能登半島地震
添田 孝史 毎日新聞 2024/1/5
能登半島地震の影響で、北陸電力志賀原発(石川県)北部の30キロ圏に設置しているモニタリングポストが機能せず、空間放射線量が測れない状況が続いている。原子力規制委員会によると、5日午後4時時点で、石川県が輪島市と穴水町に設置した14カ所でデータが欠測している。
志賀原発の30キロ圏には、規制委や石川県などが設置したモニタリングポストが116カ所あり、空間放射線量を常時測っている。しかし地震後の1日午後5時以降、14カ所でデータが取れなくなった。
石川県原子力安全対策室によると、14カ所のうち半数ほどは、実際に測定できていることを職員が現地で確認した。残りはまだ確認できていないが、原因は通信トラブルだとみられる。欠測地点よりも志賀原発に近いモニタリングポストは通常通り機能しており、地震前後で数値の上昇はなく、外部への影響は出ていない。
国の原子力災害対策指針では、原発事故で放射性物質が漏れた場合、空間放射線量を現地で測った値(実測値)に応じて、30キロ圏の住民が屋内退避や域外避難をすると定めている。東京電力福島第1原発事故では、電源喪失で周辺のモニタリングポストが機能せず、可搬型モニタリングポストを車で運んで測定した。
しかし被災地では道路の寸断が続いており、アクセスが難しい可能性がある。万一の事態が起きた場合、規制委は有人ヘリや小型無人機に検出器を積んで測定する方針だ。
航空機を使っても、高度150~300メートルから、避難の基準になっている1時間あたり20~500マイクロシーベルトの空間放射線量は測定できるという。原子力規制庁監視情報課は「欠測しているモニタリングポストの復旧の見込みが立っておらず、航空機によるモニタリングが必要になる可能性があるため、早期に準備した」としている。【高橋由衣】