北陸電力は5日、石川県志賀町にある志賀原発(停止中)の全域を見回って点検した結果、安全上問題となる被害は確認できなかったと発表しました。
「安全上問題となる被害は確認できなかった」というのは絶妙な表現で、装置は停止しているので仮に故障していても被害は生じなかったということでしょう。
1日に変圧器の油配管が損傷したのは、例外的に屋外の地上に設置されしかも油ポンプが稼働していたため、配管が損傷して絶縁・冷却用のオイルが大量に漏れるという被害を生じたのでしょう。
注 志賀原発のオイルの漏れ量3,500ℓ/基はその後20,000ℓ/基に訂正されました。
設置物に対する加速度は建屋の階が高いほど大きくなるので、建屋内全階の機器や配管が全て無傷であったというのは俄かには信じられません。因みに柏崎刈羽原発では中越沖地震で最大2060ガル程の加速度が加わった結果、3,600か所以上の大小の故障(被害)が生じたと報告されています。こちらは部内報告書なので正直に記述したものと思われます。
⇒ (13.3.30)柏崎刈羽原発敷地内の断層について(続報)
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志賀原発「安全上の問題なし」 北陸電、点検結果を発表
共同通信 2024/1/5
北陸電力は5日、石川県志賀町で震度7を観測した能登半島地震を受け、同町にある志賀原発(停止中)の全域を見回って点検した結果、安全上問題となる被害は確認できなかったと発表した。使用済み核燃料プールの冷却や、放射性物質を閉じ込める機能に問題はないとしている。
北陸電によると、志賀原発1号機地下で震度5強を観測した。地震発生から約1時間半後には、敷地内に海水を引き込んでいる水槽で海水面が約3メートル上昇した。海抜11メートルの敷地に高さ4メートルの防潮堤や防潮壁があるため影響はなかった。
防潮壁などでコンクリートの沈下が発生。変圧器の故障で外部電源の一部が使えない状況は復旧していない。