経産省が、原子力規制委の新規制基準適合審査などで10年以上停止している原発の地元の自治体に最大255億円を交付するなどの規則を新たに設けたことがわかりました。昨年5月に原発推進等5法が成立した1カ月後に設けられました。
今回の改定ではほかに、原発から30キロ圏内の人口が30万人以上で、かつ避難計画が国の原子力防災会議で了承されていない場合に、最大40億円を自治体に支払うことも設けられました。
また避難計画の策定が義務づけられた原発から30キロ圏内の人口が30万人以上で、かつ避難計画が国の原子力防災会議で了承されていない場合に、最大40億円を自治体に支払うことも設けられました。柏崎刈羽原発、原電東海第2原発がこれに当たります。
MOX燃料を使うプルサーマル発電を31年までに開始した場合も、最大25億円を交付することも設けられました。
まさに馬を人参で走らせようとする作戦です。
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原発回帰への新たな仕掛け 長期停止でも最大25億円交付 経産省 推進等5法成立1カ月後
しんぶん赤旗 2024年1月29日
経済産業省が、原子力規制委員会の新規制基準適合審査などで10年以上停止している原発の地元の自治体に最大25億円を交付するなどの規則を新たに設けたことがわかりました。対象になるのは、北海道電力泊(北海道)、東北電力東通(青森県)、北陸電力志賀(石川県)、日本原子力発電敦賀(福井県)などの各原発です。
この原発交付金は東京電力福島第1原発事故後の2015年に「原発を取りまく環境変化が立地地域に与える影響の緩和をはかる」として設けられた原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金。長期停止原発などに交付すると規則が改定されたのは、原発回帰に大転換する原発推進等5法が成立した昨年5月の1カ月後の同6月です。
これまでも同交付金は、再稼働した時期が早ければ早いほど交付限度額を多くし、早く再稼働した原発の立地自治体を優遇。さらにその後の改定で、運転期間が40年超の老朽原発が26年3月末までに再稼働した場合に最大25億円を交付しています。
今回の改定ではほかに、避難計画の策定が義務づけられた原発から30キロ圏内の人口が30万人以上で、かつ避難計画が国の原子力防災会議で了承されていない場合に、最大40億円を自治体に支払うことも新たに設けられました。東電柏崎刈羽原発(新潟県)、原電東海第2原発(茨城県)がこれに当たります。人口の条件などが該当しない場合も最大20億円を交付します。
また、使用済み核燃料の再処理で取り出したプルトニウムとウランで製造されたMOX燃料を原発で使うプルサーマル発電を31年までに開始した場合も、最大25億円を交付することも新たに設けられました。
同省によると、今回の改定に関係して申請があったのは福井、立地県に隣接する京都、島根の3府県といいます。
昨年5月、原発推進等5法が強行され、改定された原子力基本法に「国の責務」として原発の活用を明記。地域振興など原発立地地域の課題解決の取り組みの推進が「国の責務」に盛り込まれました。