2024年1月31日水曜日

川内原発運転延長判断を市民に説明 能登半島地震踏まえた質問相次ぐ

 川内原発の運転延長について、薩摩川内市で275機関による住民説明会が開かれ市民271人が出席しました
 肝心の原子炉容器の安全性については「3つの部分について安全点検をすることになっていて、なにも欠陥は認められなかった」ということです。語感からして目視点検のように思われますが、目視で20年先は勿論 現状についても一体何が分かるというのでしょうか。
 また「能登半島地震のように敷地が4m隆起したときに安全性が保たれるのか?」への回答「原発の安全機能を損なわないようにということで審査で確認してある」も、具体性がなくて何を言っているのか不明です。
 そもそも原発に必要な大量の冷却水は海水を引いて賄っているのに、4mも地盤が隆起してもなぜ冷却が可能で安全性が保たれるというのでしょうか。少なくとも即答できるような問題ではありません。これでは村民を丸め込んだだけといわれても仕方がありません。
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川内原発運転延長判断を市民に説明 規制委・内閣府・県など6者がそろう 能登半島地震踏まえた質問相次ぐ 鹿児島
                         MBC南日本放送 2024/1/29
川内原発の運転延長について、薩摩川内市で27日、市や県、原子力規制委など5機関による住民説明会が開かれました。市民からは元日に起きた能登半島地震を例に懸念する質問が出されました。
薩摩川内市の主催で27日に開かれた住民説明会です。市と原子力規制庁、内閣府、資源エネルギー庁、県、九電のあわせて6者が説明に立ち、市民271人が出席しました。
川内原発では1号機がことし7月、2号機が来年11月に法律で定められた運転開始から40年の期限を迎えるのを前に、去年11月、原子力規制委員会が20年の運転延長を認可し、翌12月、薩摩川内市と県もその判断を容認しています。

説明会では、まず原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁の担当者が、川内原発の運転延長を認可した判断について説明しました。
(原子力規制庁 塚部暢之安全規制調整官)「原子炉容器は3つの部分について安全点検をすることになっている。結果、なにも欠陥は認められなかった
その後の質疑応答は、事前に文書で質問内容の提出を求めて行われましたが、市民の関心はことし元日の能登半島地震に集中していました。

Q.能登半島地震では地震により隆起が起こっているが、仮に敷地が4メートル隆起したときに安全性が保たれるのか
(原子力規制庁 鈴木健之安全審査専門職)「建物そのものの耐震性もそうだが、地盤が地震のときに建物構築物を支持できるのか、(原発の)安全機能を損なわないようにということで審査で確認してある」

原子力防災を担う、内閣府への質問では…
Q.道路の寸断などによる多数の集落の孤立、志賀原発の事故時の避難先市町の甚大な被害など、原子力防災のあり方の根本的な見直しが必要ではないか
(内閣府 高橋一幸地域原子力防災推進官)「自然災害と原子力災害が起きた場合、自然災害の避難行動をとっていただく。安全に避難が準備できるまでは原子力災害の避難はその次というところが大原則

能登半島地震を巡っては、発生から内閣総理大臣を本部長とする非常災害対策本部の設置まで6時間半かかり、1回目の会議に至っては翌2日の午前にずれこみました。
情報発信・防災対応は本当に大丈夫なのか?その後の記者会見でさらに質問を重ねると…
Q.途中で非常災対本部に上がるような形になった。(対応・情報発信が)本当にできるのかとの懸念が(市民から)出ているたのでは?
(内閣府 高橋一幸地域原子力防災推進官)「いままさに災害の対応中。教訓・検証は後日きちんとやったほうがいい。よりよくしていく、ひとつの教訓として能登半島地震は考えていかなくてはいけない」
薩摩川内市民は…
(会社員)「理解が深まったのでいいセミナーだった。リスクはあると思うけれど、いろいろと便利になってきている(運転延長に)賛成」
(市民)「知らなきゃと思ってきたけれど、(内容が)難しくて分からない。こうやって電気の恩恵に預かっているほうで反対ってあからさまには言えない。とにかく子どもたちに安心して未来を託せる環境にはしてもらいたい」

薩摩川内市の田中良二市長は…
「能登半島地震から出てくる新しい知見と、来月の原子力防災訓練における振り返りを、次の原子力防災訓練・安全対策にはいかしていくべきと現時点でも考えている」
川内原発の運転延長認可後、初めてとなる県の原子力防災訓練は来月10日に行われます。