2024年1月13日土曜日

志賀原発変圧器破損は重大事故 震度5弱で故障を疑問視 規制委

 能登半島地震で石川県の志賀原発におよそ3メートルの津波が到達していたと9日発表しました。輪島市の海岸周辺では海底と陸地が3・9メートル隆起しました。
 地震対策担当の石渡明・規制委委員は、未知の断層が動いた可能性があるとしたうえで、「地震や断層のデータなど専門家の研究結果をフォローし、今後の審査に生かす必要がある」と述べました。
 また変圧器が故障したことの影響は大きいとして、原因を解明するよう求めました。
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志賀原発変圧器、震度5弱で破損を疑問視 規制委が原因究明求める
                           毎日新聞  2024/1/10
 能登半島地震で北陸電力志賀原発(石川県、停止中)の変圧器が破損したトラブルについて、原子力規制委員会は10日、原因の究明を北陸電に求めることを決めた。破損により外部電源の一部が使えなくなっており、安全性への影響が大きいと判断した。

 今回の地震は、長さ約150キロの活断層がずれたとみられているが、詳しい実態はわかっていない。規制委は、北陸電が再稼働を目指して申請した2号機の安全審査で実態や影響を確認する方針で、審査は長期化が不可避だ。山中伸介委員長は記者会見で「地震の引き金となった断層を確定するまでに、年単位の時間がかかる」と述べた。
 規制委によると、1日の地震で志賀原発では震度5弱を観測。揺れの加速度が最大の想定(基準地震動)を一部わずかに上回った。
 安全上重要な設備に異常はなかったが、変圧器が破損して大量の油が漏れた。この影響で一部の外部電源が使えないままだ。
 原発の新規制基準では、変圧器の耐震設計は3段階あるクラスで最も低い。しかしこの日の定例会では、震度5弱の揺れで破損したことを疑問視し「発電所内の設備はもっと強くてもいいのではないか」と指摘が相次いだ。【土谷純一】


志賀原子力発電所 3メートル津波到達 原子力規制委は…
                         KNB北日本放送 2024/1/10
今回の能登半島地震で石川県の志賀原子力発電所におよそ3メートルの津波が到達していたと9日発表した北陸電力に対し、原子力規制委員会は10日の定例会合で、志賀原発で変圧器が故障したことについて、原因を解明するよう求めました。

北陸電力は9日、能登半島地震では志賀原発1号機の地下で震度5強を観測し、およそ1時間半後におよそ3メートルの津波が到達したと発表しました。原発の敷地は高さ約11メートルで、さらに4メートルの防潮堤を設置しているため原発への影響はなかったとしています。一方、地震に伴い、1号機と2号機の変圧器が破損して油が漏れ、外部電源の一部が使えなくなっています。また、使用済み燃料の保管プールから水漏れがあったほか、敷地内や港湾施設で地盤沈下や段差が発生しました。

原子力規制委員会の10日の定例会合で、原発の地震対策を担当する石渡明委員は、未知の断層が動いた可能性があるとしたうえで、「地震や断層のデータなど専門家の研究結果をフォローし、今後の審査に生かす必要がある」と述べました山中伸介委員長は、「志賀の変圧器故障は、原因をきちんと解明してもらう必要がある。そのほかの事象も含め、必要があれば即時報告してもらいたい」としています。