29日、柏崎市文化会館アルフォーレで開かれた『なくそテ原発2024 柏崎大集会』には群馬県など県外からの参加者も含めて900人が集まり、熱気あふれる集会となりました。
「原発をなくす湯沢の会」が準備したバスには、近隣のメンバーを含めて総数16人が乗って会場に向かいました。他に自家用車で参加された人も2名おられました。
以下に会場で受領した「資料」を元に、大集会の概要を紹介します。掲載した資料は次の通りです。
1.集会次第
2.井戸謙一氏講演レジュメ
3.佐々木寛氏講演レジュメ
4.集会宣言
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集 会 次 第 (12:45~15:14)
司会 丸山美代子
開会宣言
開会挨拶 植木史将 (つなけよう脱原発の輪 上越の会)
全国団体の挨拶 原発をなくす全国連絡会 石川敏明さん
講 演 「原発と司法 ~司法は原発を止めることが出来るのか~」 <12:55>
井戸謙二さん(弁護士/元裁判官)
カンパの訴え 広川一美 (原発ゼロ長岡市民ネット) <13:55>
バンド演奏 「生田バンド」 生田まんじさん、清水運生さん <14:10>
情勢報告 「柏崎刈羽原発の再稼働問題の情勢」 <14:28>
佐々木寛さん(新潟国際情報大教授)
決意表明 安藤哲雄 (原発をなくす群馬の会) <14:53>
訴 え 柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票で決める会 <14:57>
プラカード上げ 庭野伸央 (+日町・原発をなくすの会) <15:01>
集会宣言案の提案と採択
渡辺裕子 (原発問題を考える柏崎刈羽地域連絡センター) <15:05>
閉会宣言 <15:10>
パレード(デモ行進)の説明 (デモの先頭の出発は15時25分)
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井戸謙一氏講演レジュメ「原発と司法~司法は原発を止めることができるのか~」
目 次
・1(プロローグ)もう一度あのときを思い出そう。
・2 日本の原発の現状
・3 日本の原発差止訴訟の歴史を振り返る。
(1)福島原発事故前
(2)福島原発事故後
・4 日本の裁判官に期待できるのか
・5 世論を盛り上けることができるかどうかは情報戦である。
・6 まとめ
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現在の原発差止請求訴訟一覧(コピー省略)
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福島原発事故後の認容判断
①福井地裁2014.5.21判決(大飯本訴)認容【樋口裁判長】(地震)
②福井地裁2015.4.14決定(高浜仮処分)認容【樋口裁判長】(地震)
③大津地裁2016.3.9決定(高浜仮処分)認容【山本裁判長】(新規制基準等)
④大津地裁2016.7.12決定(高浜仮処分異蔽)原決定認可【山本裁判長】(新規匈胤準
⑤広島真抜2017.12.13決定(伊方仮処)原決定取消・認容【野々上菰判長】(火山)
⑥広島真菰2020.1.18決定(伊方仮処分)原決定取消・認容【森裁判長】(火山・地震)
⑦大阪地裁2020.12.4判決(大飯設置許可取;肖)認容【森鍵裁判長】(地震(バラツ
キ問題))
⑧水戸地裁2021.3.18判決(東海第二差止め)認容【前田裁判長】(避難計画)
⑨札幌地裁2022.5.31判決(泊1~4)認容【谷口裁判長】(津波)
定年前裁判長だけではない。エリート裁判官も!!
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(以下にパワーポイント用資料のテキスト版を掲載します)
裁 判 例 の 特 徴
1 住民勝訴判決・決定がすでに9件
2 立証責任論の理論整備と揺り戻し
3 破綻を繕う社会責任論
4 原発の必要論には触れない
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裁判官に期待でぎるのか (1)
・担当裁判官に具体的な圧力があるか
・最高裁から一般的な指導があるか (協議会の開催)
・人事によるコントロールがあるか
(1)伊方1号機訴訟(松山地裁)の例
(2)高浜仮処分異議審(福井地裁)の例
(3)美浜老朽原発仮処分(福井地裁)の例
・裁判官をして思い切った決断を躊躇させるものは何か
キャリアシステムの問題(任地、ポスト、号俸がすべて最高裁人事局に握ら
れている)(竹内裁判官の問題提起⇒地域手当問題)
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裁判官に期待できるのか (2)
・最高裁は、政府(予算と人事を握られている)と世論を見ている⇒
世論が明確に鶴すば、裁判所b勧く。
・現場の裁判官は最高裁をみている(例⇒避難者訴訟最高裁判決後の下級審の右
へ倣えの例)
・しかし、現場の裁判官は多かれ少なかれ衿持を持っている。様々な要素のせめ
ぎ合いの中で結論がでる。そのとき、裁判官の背中を押すのは、
①(法廷内)明解な理由で判決が書けること
②(法廷外)世論の後押し
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(1)福島原発事故前 裁判例の大きな流れ
・1992.10,29 伊方最高裁判決
審査過程審査主義(基準の合理性と適合l脚iの合理性を審査する。)
立証責任⇒本来は原告が負う。しかし、まず被告がこれらの合理性を証明しな
なければならない。(理由は資料の偏在)
合理性の有無は、現在の科学技術水準に照らして判断する。
【住民の敗訴判決が続く】
・2203.1.27 もんじゅ高裁金沢支部判決
・2005.5.30 もんじゅ最高裁判決
⇒最高裁の不退転の意思を示す。
・2006.3.24 志賀2号機金沢地裁判決
(その後住民勝訴判決現れず)
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(2)福島原発事故後 特徴
・全国で爆発的な数の申立てがなされた。
・―つの原発に多くの訴訟。隣接裁判所への提訴
・脱原発弁護団全国連終会の結成
・仮処分申立ての増加と頭打ち(リスク問題)
・原子力規制委員会の事業者への露骨な肩入れ
・棄却側の理論整備と破綻を覆い隠す社会通念論
・反動の紡き
・相当数の住民勝訴
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(以上でパワーポイント用資料のテキスト版の掲載終り)
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佐々木寛氏講演レジュメ
柏崎大集会@柏崎市文化会館アルフオーレ 講演(レジュメ)
新潟県原発再稼動問題の現状一「市民検証委員会」と〈新潟県民投票〉の挑戦
佐々木寛(新潟国際情報大学)
1.はじめに一与野党代表選に見られた争点としての原発問題の不在
一永田町の政局政治と日本政治における「タテ軸]の重要性について
2 国家主義と戦争準備へと向かう日本(戦争と原発)
3 礎としての新潟県民の闘い一日本における「民主主義]への問い
1960s終わり~現在までの柏崎刈羽原発反対運動や1996年の巻町住民投票
4 福島原発事故(2011年)と再稼働問題をめくる民主主義の闘い
4-1.2012年「みんなで決める会」(72,027(有効68,353)の署名)翌年1月否決
4-2.2016年 新潟県知事選挙一事実上の住民投票
4-3.2017年 新潟県原発検証委員会の発足
4-4.2020年~のバックラッシュ。2018年選挙て花角知事へ。2022年選挙も再選。
5.2023年 池内了委員長解任と、「市民検証委員会」の発足
一県内キャラバンと避難計画問題の探求
6.2024年 新潟県民投票条例特別請求運動のはじまり
一「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」
※現在 世話人10名 請求代表者 119名 受任者 1万人(20万筆)目標
7 おわりに一新潟の活動が全国(全世界)に与える意味
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(他団体からのメッセージ2通は紹介を省略します)
【集会宣言】 柏崎刈羽原発の再稼働ストップ!廃炉を実現しよう
「なくそテ原発2024柏崎大集会」は、新潟県、長野県、群馬県をはじめ全国から多数の参加をえて開催され、成功を収めることができました。
岸田政権は福島原発事故の教訓をないがしろにし、「原発の最大限活用」を目指すとして原発回帰の推進法を成立させ、原発新設・運転期間の延長とともに、柏崎刈羽原発の再稼働を強力に推し進めています。国は経済産業大臣をはじめ、新潟県知事・県関係者に対して再稼働への圧力を強めて、説明会も開催。原子力関係閣僚会議も開きました。
原子力規制委員会は2023年12月、核物質防護にかかわる「運転禁止命令」を解除しました。さっそ<東京電力は地元同意がないのに原子炉への核燃料の装填を行いました。しかし、東電の体質改善はなされず、その後も失態・不祥事はとどまることはありません。東電には総出力世界一の原子力発電所を運転する能力も資格もないことは明らかです。
多くの国民・県民は、元旦の能登半島地震や「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の体験によって、原発に大きな不安を募らせています。地震大国に原発はいりません。ロシアがウクライナを侵略し、原発を攻撃・占拠する事態で明らかなように戦争やテロの標的となる原発は不要です。
新潟県では「三つの検証」の検証総括について、池内了・元検証総括委員長を中心に科学者と市民と共に検証を行おうとする市民検証委員会が組織され、科学的な検証を目指しています。
また、「新潟の未来は県民一人ひとりが決める」と、柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例制定を求める直接請求署名運動が開始されています。花角県知事が「県民に信を問う」と言うならぱ、県民一人ひとりが態度表明できる県民投票が最善の方法です。なくそテ原発柏崎大集会実行委員会は、この著名運動を支持し、運動成功に積極的に協力します。
岸田政権は8月中旬、政権を投げ出しました。裏金問題をはじめ、核燃料サイクルに固執して原発回帰に踏み切ったことなど大きな国民的な批判を受けた結果です。これまでの重大な原発事故で明らかなように、人の手による原発の制御はできません。人類は原発と共存できません。直ちに原発推進政策をやめ、安全・安心・安価な太陽光や風力など再生可能エネルギーヘの大転換をはかる新たな政権が今こそ求められています。
「なくそテ原発2024柏崎大集会」の閉会にあたり、改めて東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働を許さず、廃炉実現に向けて一層大き<、運動を進めていくことを、ここに宣言いたします。
2024年9月29日「なくそテ原発2024柏崎大集会」参加者一同
2024年9月30日月曜日
『なくそテ原発2024 柏崎大集会』に900人が参加
30- 中国が日本産水産物を段階的に輸入再開へ 日中合意もなお不透明感
20日、日中両国政府は福島第1原発のトリチウム水放出を巡り、昨年8月から中国が全面停止してきた日本産水産物の輸入を段階的に再開することで合意したと発表しました。中国側の要求に基づき、国際原子力機関(IAEA)が中国も交えた水質監視の追加実施を決めたことから、この合意に至りました。
日本側は当初、中国が水質監視に加わることについて「国権の侵害」だなどと抵抗していましたが、水質検査に不正がないのであれば別に参加を拒絶するような問題ではありません。〝エキスパート″社の記事を紹介します。
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中国が日本産水産物を段階的に輸入再開へ 日中合意もなお不透明感 ホタテ、ナマコは #専門家のまとめ
中島恵 〝エキスパート″ 2024/9/27
9月20日、日中両国政府は、東京電力福島第1原発の処理水放出を巡り、昨年8月から中国が全面停止してきた日本産水産物の輸入を段階的に再開することで合意したと発表した。国際原子力機関(IAEA)が中国も交えたモニタリング(監視)の追加実施を決めたことから決まった。
中国は規制を段階的に緩和するとしているが、緩和の具体的な道筋、スケジュールなどは不透明で、水産業関係者の間では、「ようやく再開できる」という喜びもある反面、中国側に振り回されてきた経緯から不安感や不信感も残る。どのような経緯があったのか。
ココがポイント
中国外務省は20日、中国政府が福島第1原発の処理水放出を理由に禁輸措置を講じた日本産水産物について、輸入を段階的に進めると発表した。
出典:時事通信 2024/9/20(金)
中国外務省は(中略)IAEA=国際原子力機関の枠組みの中で中国などが独立したサンプル採取を行う(中薬)体制を構築すること(中略)で日本側と合意(後略)。
出典:NHK NEWS WEB 2024/9/21(土)
具体的な再開の時期はわかっておらず、新潟県佐渡市で中国向けにナマコの養殖している企業は今も不安を抱えている。
出典:FNNプライムオンライン2024/9/26(木)
中国は「条件付き」と説明しており、禁輸の早期撤廃につながるかは不透明だ。(中略)問題の解決に向け「科学」を重視(中略)との論調が目立ち始めている。
出典:JIJI.COM 2024/9/27(金)
エキスパートの補足・見解
中国が日本産水産物の輸入を禁止したのは2023年8月のことだった。中国が日本の処理水海洋放出に強く反発したことによる。日本にとって中国は水産物の最大の輸出先であり、農林水産省の22年のデータによれば、そのシェアは22%を超えていた。そのため、水産業者にとっての打撃は非常に大きかった。とくにホタテは中国向けが輸出の5割を超えていたことから、関係者は大量の在庫を抱え、頭を痛めた。中国にある日本料理店などでも日本からの水産物が手に入らず、経営危機に陥ったところも出た。
こうした問題があったことから、今回、中国が輸入再開に合意したことをホタテやナマコなど漁業関係者は歓迎し、期待の声が高まっている。しかし、「徐々に再開するというが、道筋が見えない。本当に再開するのだろうか」との不安もぬぐいきれず、複雑な心境だ。中国では高級食材として人気があったナマコは、禁輸措置以降、国内で買い手がつきにくいという問題があった。
処理水について中国側は「核汚染水」と呼び、1年以上にわたり、日本を非難し続けてきたという経緯がある。海洋放出の開始からの約2ケ月間で、中国の国番号「86」から日本の福島県を始め、各地の飲食店、企業、団体などに嫌がらせの電話が殺到した。1日に1000回以上の迷惑電話がかかったところもあり、日本側が中国政府に、厳正な対処を求めてきた。
今回の合意は、岸田文雄首相と中国の習近平国家主席が昨年11月の会談の場で、問題を解決する方向を見い出すことで一致。関係者の間で協議、交渉が継続されていた。
2024年9月28日土曜日
29日は「なくそテ原発2024柏崎大集会」です
明日29日は「なくそテ原発2024柏崎大集会」の日です。
今年は、岸田政権が柏崎刈羽原発の再稼働に向けて異常ともとれる動きを強める中、それを押しとどめる特別に大事な集会になります。
「原発をなくす湯沢の会」は、特別仕立ての小型バスで柏崎の会場に向かいます。
出発時刻等は下記の通りです。
◎ 9月29日(日)9:30 湯沢町公民館前出発 |
「柏崎大集会」の詳細は「なくそテ原発 2024 柏崎大集会 案内リーフレット」をご覧になってください。
リーフレットのPDF版は下記のURLをクリックすると開きます。
原寸比70%の縮小版なので拡大してご覧になってください。
https://drive.google.com/file/d/1ij0MHplLm10As7ZwEtu5rXFlUmLNUrll/view?usp=sharing
島根原発 原発事故があった際の住民避難の実効性をより高めて欲しい 境港市議会
12月に再稼働が予定されている島根原発2号機について、島根原発にほど近い境港市の市議会は26日、より一層の安全対策を求める意見が相次ぎました。出席した13人の議員からは、原発事故があった際の住民避難の実効性をより高めて欲しいなどさまざまな懸念や要望が出されました。
今回示された意見は、米子市議会の意見と合わせて鳥取県がとりまとめ、近々、中国電力に提出されることになっています。
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「原発事故があった際の住民避難の実効性をより高めて欲しい」 今年12月に再稼働が予定されている島根原発2号機 境港市議会ではより一層の安全対策を求める意見が相次ぐ 鳥取県
日本海テレビ 2024/9/26
今年12月に再稼働が予定されている島根原発2号機。9月26日、鳥取県境港市の市議会ではより一層の安全対策を求める意見が相次ぎました。
今年12月に再稼働が予定され、おおむね安全対策が完了した島根原発2号機。9月中旬には、再稼働の訓練も実施され、秒読み段階となってきました。こうした中、島根原発にほど近い境港市の市議会で26日、出席した13人の議員全員が再稼働についての意見を述べました。再稼働に反対する議員は1人だけでしたが、ほかの議員の間からはさまざまな懸念や要望が出されました。
議員
「能登半島における地震が、今後、島根半島、原発でも起こりうるんじゃないかと不安はずっとつきまとっている」
「(最近)小さな事故がたびたび起きているので(中国電力には)社内の安全に対する風土を強化していただきたい」
このほか、議員の間からは、「原発事故があった際の住民避難の実効性をより高めて欲しい」などの意見や要望が出されていました。
境港市 伊達憲太郎 市長
「万が一ということがありますので、ゼロリスクではありませんので、しっかりと安全第一にという意見が大勢と思っています。それをふまえて我々しっかりと中国電力に今後も意見を言っていきたい」
2か月余りに迫った島根原発2号機の再稼働。今回示された意見は、米子市議会の意見と合わせて鳥取県がとりまとめ、近々、中国電力に提出されることになっています。
使用済み核燃料の中間貯蔵開始 恒久化に懸念 電力業界は原発稼働へ活路
原発の使用済み核燃料を一時保管する青森県むつ市の中間貯蔵施設に柏崎刈羽原発(新潟県)から出た燃料が初めて搬入されました。背景には原発敷地内での保管が限界に近づき(柏崎刈羽も保管容量の約8割)、原発稼働の活路を開きたいという思惑があります。
今年度は柏崎刈羽原発からキャスク1基(ウラン量12トン)、25年度は2基(同24トン)、26年度は5基(同60トン)を受け入れる計画です。
「核燃料サイクル」で燃料再利用の道筋が見えない中での見切り発車に、住民らは貯蔵の恒久化を懸念しています。
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中間貯蔵、恒久化に懸念 電力業界は原発稼働へ活路
時事通信 2024/9/27
原発の使用済み核燃料を一時保管する青森県むつ市の中間貯蔵施設に東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原発(新潟県)から出た燃料が初めて搬入された。
国が掲げる「核燃料サイクル」で燃料再利用の道筋が見えない中での見切り発車に、住民らは貯蔵の恒久化を懸念している。背景には原発敷地内での保管が限界に近づき、原発稼働の活路を開きたい電力業界の思惑も透ける。
電気事業連合会によると、全国の原発にたまる使用済み燃料は6月末時点で1・6万トンを超えている。満杯になれば原発は稼働停止に追い込まれる。東電が再稼働を目指す柏崎刈羽も容量の8割に達しており、中間貯蔵施設に運び出すことで原発を安定稼働できる環境を整備したい考えだ。
一方で受け入れ地域は、行き場を失う使用済み燃料に不安を募らせる。核燃料サイクルは、中核施設と位置付けた再処理工場の度重なる完成延期で事実上、行き詰まっている。再処理工場が完成しなければ、中間貯蔵施設からの燃料搬出の見通しが立たない。
青森県の宮下宗一郎知事は今月9日、資源エネルギー庁の村瀬佳史長官と面会し、県と関係閣僚が意見交換する「核燃料サイクル協議会」の開催を求めた。面会後に記者団の取材に応じた宮下氏は「搬出先については常に確認する必要がある」と警戒感を示した。
使用済み核燃料の中間貯蔵開始 柏崎刈羽原発から初搬入―最長50年保管・青森県むつ市
時事通信 2024年09月26日
東京電力ホールディングスは26日、柏崎刈羽原発(新潟県)から出た使用済み核燃料の一部を、リサイクル燃料貯蔵(RFS)が運営する中間貯蔵施設(青森県むつ市)に初めて搬入した。再処理されるまで最長50年間にわたる中間貯蔵が事実上スタートした。
使用済み核燃料、初搬入へ 中間貯蔵施設、新潟から運搬―青森
原発敷地外で使用済み燃料を保管するのは国内初。原発内の保管プール容量が限界に近づく中、柏崎刈羽の再稼働を含めた政府の原発推進戦略の追い風となる。ただ、中間貯蔵後の搬出先は不透明で、「永久貯蔵」への懸念も根強い。
東電とRFSによると、搬入されたのは柏崎刈羽4号機の使用済み燃料69体。金属製のキャスク1基に収納し、24日から運搬船で輸送。26日朝にむつ市の港に接岸した。トレーラーに積み替えた上、同日午後4時25分に施設への輸送を完了した。
これを受け、山本知也むつ市長は記者団に「周辺環境への影響がないことが確認されている」と語った。また、宮下宗一郎知事は県庁内で、「これまでの経験や実績におごることなく、これからもより高いレベルで安全性を追求してほしい」と述べた。
使用済み燃料は、核分裂反応が連鎖的に起こる臨界を防止したり、放射線を遮蔽(しゃへい)したりする機能を持つキャスクに入れたまま、自然の空気で冷やす。RFSは今後、最終的な使用前事業者検査を実施。原子力規制委員会が問題ないと判断すれば、10月にも正式に事業を開始する。
中間貯蔵施設では、RFSに出資する東電と日本原子力発電の使用済み燃料を保管する。今年度はキャスク1基(ウラン量12トン)、25年度は2基(同24トン)、26年度は5基(同60トン)を、いずれも柏崎刈羽から受け入れる計画。
不具合カメラの調査続く 燃料デブリ取り出し再開は10月以降に 福島第一原発
福島第1原発2号機の核燃料デブリの試験的取り出しが再び中断した問題で、東電は26日、先端付近にあるカメラ2台の外観からは目立った異常は見られなかったとし、原子炉格納容器内の非常に高い放射線がカメラの半導体に影響したと推定しました。しかしこれは当初から分かっていたことで、累積4万9000シーベルトの放射線に耐えられる設計になっているはずでした。
トラブルが相次ぐことに対して、原子力損害賠償・廃炉等支援機構は27日の会見で、今後の廃炉作業にあたっては、東電が責任を持って監督・管理する必要性があると強調し、管理体制の徹底を求めました。それぞれ十分な準備期間を取っているはずなのに、蓋を開ける度にこんなことの繰り返しでは先行きは真っ暗です。
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高線量、カメラに影響か デブリ採取装置、復旧へ数日間放電
福島民友 2024/09/27
東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが再び中断した問題で、東電は26日、取り出し装置の先端付近にあるカメラ2台の外観を確認したところ、目立った異常は見られなかったと発表した。これまでも異常が見つかっていないことから原子炉格納容器内の非常に高い放射線がカメラの半導体に影響したと推定し、放射線影響の比較的少ない場所でカメラの電源を入れたり切ったりして復旧するかを確かめる。
東電は、格納容器の外にある収納箱でカメラの外観を確かめた。これまでのほかの調査でもカメラやケーブル、接続端子などに異常はなく、原因を特定できていない。
このため、カメラの電源を切った際に放射線の影響で電気が電子回路にたまった状態が発生、電源を入れた際に過剰な電流が流れて回路が停止したと考え、線量の比較的低い収納箱内で数日間にわたり放電する。カメラが復旧しない場合、カメラやケーブルの交換を予定しているという。
東電によると、カメラは累積4万9000シーベルトの放射線に耐えられる設計で、カメラの映像が確認できなくなった17日の作業時で約6000シーベルト蓄積したと推定される。
試験的取り出しは準備作業を行っていた17日に装置先端付近のカメラ2台の映像が確認できなくなり、中断した。装置にはカメラが4台あり、ほかの2台は正常に作動している。
東電は14日に先端付近のカメラで撮影した画像を公開した。東電によると、2019年の調査時と大きな変化はなく、デブリや堆積物が見られたという。
また、2号機の建屋内で起きたタンクの水位低下に関して、10月初旬にドローンを使った調査を行う。
不具合カメラの確認続く 燃料デブリ取り出し再開は10月以降に 東京電力福島第一原発
TUFテレビユー福島 2024/9/27
福島第一原発で中断している燃料デブリの取り出しについて、東京電力は27日も、不具合のあったカメラの確認作業を進めています。
福島第一原発2号機では10日、溶け落ちた核燃料=燃料デブリの試験的な取り出し作業に着手しましたが、17日に装置のカメラが映らなくなるトラブルがあり、作業を中断しています。
26日、東電は、このカメラで14日に撮影された格納容器内部の画像を初めて公開しました。カメラはこの後、映らなくなったということで、電源を入れたままにして、カメラが復旧するかを確認しています。
東電によりますと、格納容器の中は非常に高い放射線量で、これがカメラの半導体に影響を与え、必要な電圧が不足したと推定されています。27日の時点でカメラは復旧しておらず、取り出し作業の再開は、10月以降になる見通しです。
管理体制の徹底を 燃料デブリの試験的取り出し 廃炉作業に助言をする国の機関が東京電力に求める
福島テレビ 2024/9/27
トラブルが相次ぐ燃料デブリの試験的取り出しについて、国の機関は東京電力に対して管理体制の徹底を求めた。
福島第一原発2号機では、燃料デブリの試験的取り出しがカメラの不具合で中断されるなどトラブルが相次いでいる。
廃炉作業への助言を行う原子力損害賠償・廃炉等支援機構は9月27日の会見で、東京電力は協力企業と一体となって安全第一に取り出しを行うことが最大の課題と指摘した。
原子力損害賠償・廃炉等支援機構の池上三六廃炉総括グループ長は「非常に大変な作業ではありますけれども、安全を第一にステップバイステップですすめていくと。まずは前人未踏の燃料デブリの取り出しというものをきちんと貫徹せねばならない」と述べた。
今後の廃炉作業にあたっては、東京電力が責任を持って監督・管理する必要性があると強調した。