2024年9月30日月曜日

『なくそテ原発2024 柏崎大集会』に900人が参加

 29日、柏崎市文化会館アルフォーレで開かれた『なくそテ原発2024 柏崎大集会』には群馬県など県外からの参加者も含めて900人が集まり、熱気あふれる集会となりました。
「原発をなくす湯沢の会」が準備したバスには、近隣のメンバーを含めて総数16人が乗って会場に向かいました。他に自家用車で参加された人も2名おられました。

 以下に会場で受領した「資料」を元に、大集会の概要を紹介します。掲載した資料は次の通りです。
  1.集会次第
  2.井戸謙一氏講演レジュメ
  3.佐々木寛氏講演レジュメ
  4.集会宣言
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          集 会 次  (1245~1514)
                               司会 丸山美代子
開会宣言                            
開会挨拶  植木史将 (つなけよう脱原発の輪 上越の会)    
全国団体の挨拶  原発をなくす全国連絡会 石川敏明さん
   「原発と司法 ~司法は原発を止めることが出来るのか~」 1255>
             井戸謙二さん(弁護士/元裁判官)
カンパの訴え  広川一美 (原発ゼロ長岡市民ネット)       1355>
バンド演奏  「生田バンド」 生田まんじさん、清水運生さん    1410>
情勢報告  「柏崎刈羽原発の再稼働問題の情勢」          1428>
            佐木寛さん(新潟国際情報大教授)
決意表明  安藤哲雄 (原発をなくす群馬の会)          1453>
    柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票で決める会   1457>
プラカード上げ  庭野伸央 (+日町・原発をなくすの会)     1501>
集会宣言案の提案と採択
     渡辺裕子 (原発問題を考える柏崎刈羽地域連絡センター) 1505>
閉会宣言                             1510>

パレード(デモ行進)の説明   (デモの先頭の出発は15時25分)
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井戸謙一氏講演レジュメ「原発と司法~司法は原発を止めることができるのか~」

 目  次
・1(プロローグ)もう一度あのときを思い出そう。
・2 日本の原発の現状
・3 日本の原発差止訴訟の歴史を振り返る。
  (1)福島原発事故前
  (2)福島原発事故後
・4 日本の裁判官に期待できるのか
・5 世論を盛り上けることができるかどうかは情報戦である。
・6 まとめ
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現在の原発差止請求訴訟一覧(コピー省略)

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           福島原発事故後の認容判断
福井地裁2014.5.21判決(大飯本訴)認容【樋口裁判長】(地震)
②福井地裁2015.4.14決定(高浜仮処分)認容【樋口裁判長】(地震)
③大津地裁2016.3.9決定(高浜仮処分)認容【山本裁判長】(新規制基準等)
④大津地裁2016.7.12決定(高浜仮処分異蔽)原決定認可【山本裁判長】(新規匈胤準
⑤広島真抜2017.12.13決定(伊方仮処)原決定取消・認容【野々上菰判長】(火山)
⑥広島真菰2020.1.18決定(伊方仮処分)原決定取消・認容【森裁判長】(火山・地震)
⑦大阪地裁2020.12.4判決(大飯設置許可取;肖)認容【森鍵裁判長】(地震(バラツ
                                  キ問題))
⑧水戸地裁2021.3.18判決(東海第二差止め)認容【前田裁判長】(避難計画)
札幌地裁2022.5.31判決(泊1~4)認容【谷口裁判長】(津波)
     定年前裁判長だけではない。エリート裁判官も!!
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       (以下にパワーポイント用資料のテキスト版を掲載します
                  
   1 住民勝訴判決・決定がすでに9件
   2 立証責任論の理論整備と揺り戻し
   3 破綻を繕う社会責任論
   4 原発の必要論には触れない
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           裁判官に期待でぎるのか (1)
   ・担当裁判官に具体的な圧力があるか
   ・最高裁から一般的な指導があるか  (協議会の開催)
   ・人事によるコントロールがあるか
    (1)伊方1号機訴訟(松山地裁)の例
    (2)高浜仮処分異議審(福井地裁)の例
    (3)美浜老朽原発仮処分(福井地裁)の例
   ・裁判官をして思い切った決断を躊躇させるものは何か
      キャリアシステムの問題(任地、ポスト、号俸がすべて最高裁人事局に握ら
      れている)(竹内裁判官の問題提起⇒地域手当問題)
          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
           裁判官に期待できるのか (2)
   ・最高裁は、政府(予算と人事を握られている)と世論を見ている⇒
      世論が明確に鶴すば、裁判所b勧く。
   ・現場の裁判官は最高裁をみている(例⇒避難者訴訟最高裁判決後の下級審の右
     へ倣えの例)
   ・しかし、現場の裁判官は多かれ少なかれ衿持を持っている。様々な要素のせめ
     ぎ合いの中で結論がでる。そのとき、裁判官の背中を押すのは、
        ①(法廷内)明解な理由で判決が書けること
        ②(法廷外)世論の後押し
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         (1)福島原発事故前 裁判例の大きな流れ
  ・1992.10,29 伊方最高裁判決
    審査過程審査主義(基準の合理性と適合l脚iの合理性を審査する。)
    立証責任⇒本来は原告が負う。しかし、まず被告がこれらの合理性を証明しな
    なければならない。(理由は資料の偏在)
    合理性の有無は、現在の科学技術水準に照らして判断する。

    【住民の敗訴判決が続く】

  ・2203.1.27 もんじゅ高裁金沢支部判決
2005.5.30 もんじゅ最高裁判決
     最高裁の不退転の意思を示す
  ・2006.3.24 志賀2号機金沢地裁判決
     (その後住民勝訴判決現れず)
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         ()福島原発事故後 特徴
   ・全国で爆発的な数の申立てがなされた。
   ・―つの原発に多くの訴訟。隣接裁判所への提訴
   ・脱原発弁護団全国連終会の結成
   ・仮処分申立ての増加と頭打ち(リスク問題)
   ・原子力規制委員会の事業者への露骨な肩入れ
   ・棄却側の理論整備と破綻を覆い隠す社会通念論
   ・反動の紡き
   ・相当数の住民勝訴
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     (以上でパワーポイント用資料のテキスト版の掲載終り)

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佐々木寛氏講演レジュメ

   柏崎大集会@柏崎市文化会館アルフオーレ 講演(レジュメ)
新潟県原発再稼動問題の現状一「市民検証委員会」と〈新潟県民投票〉の挑戦
                       佐々木寛(新潟国際情報大学)

1.はじめに一与野党代表選に見られた争点としての原発問題の不在
      一永田町の政局政治と日本政治における「タテ軸]の重要性について
2 国家主義と戦争準備へと向かう日本(戦争と原発)
3 としての新潟県民の闘い一日本における「民主主義]への問い
   1960s終わり~現在までの柏崎刈羽原発反対運動や1996年の巻町住民投票
4 福島原発事故(2011年)と再稼働問題をめくる民主主義の闘い
4-1.2012年「みんなで決める会」(72,027(有効68,353)の署名)翌年1月否決
4-2.2016年 新潟県知事選挙一事実上の住民投票
4-3.2017年 新潟県原発検証委員会の発足
4-4.2020年~のバックラッシュ。2018年選挙て花角知事へ。2022年選挙も再選。
5.2023年 池内了委員長解任と、「市民検証委員会」の発足
              一県内キャラバンと避難計画問題の探求
6.2024年 新潟県民投票条例特別請求運動のはじまり
            一「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」
   ※現在 世話人10名 請求代表者 119名 受任者 1万人(20万筆)目標
7 おわりに一新潟の活動が全国(全世界)に与える意味
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(他団体からのメッセージ2通は紹介を省略します)

  【集会宣言】 柏崎刈羽原発の再稼働ストップ!廃炉を実現しよう
 
 「なくそテ原発2024柏崎大集会」は、新潟県、長野県、群馬県をはじめ全国から多数の参加をえて開催され、成功を収めることができました。
 岸田政権は福島原発事故の教訓をないがしろにし、「原発の最大限活用」を目指すとして原発回帰の推進法を成立させ、原発新設・運転期間の延長とともに、柏崎刈羽原発の再稼働を強力に推し進めています。国は経済産業大臣をはじめ、新潟県知事・県関係者に対して再稼働への圧力を強めて、説明会も開催。原子力関係閣僚会議も開きました。

 原子力規制委員会は2023年12月、核物質防護にかかわる「運転禁止命令」を解除しました。さっそ<東京電力は地元同意がないのに原子炉への核燃料の装填を行いました。しかし、東電の体質改善はなされず、その後も失態・不祥事はとどまることはありません。東電には総出力世界一の原子力発電所を運転する能力も資格もないことは明らかです。

 多くの国民・県民は、元旦の能登半島地震や「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の体験によって、原発に大きな不安を募らせています。地震大国に原発はいりません。ロシアがウクライナを侵略し、原発を攻撃・占拠する事態で明らかなように戦争やテロの標的となる原発は不要です。

 新潟県では「三つの検証」の検証総括について、池内了・元検証総括委員長を中心に科学者と市民と共に検証を行おうとする市民検証委員会が組織され、科学的な検証を目指しています。

 また、「新潟の未来は県民一人ひとりが決める」と、柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例制定を求める直接請求署名運動が開始されています。花角県知事が「県民に信を問う」と言うならぱ、県民一人ひとりが態度表明できる県民投票が最善の方法です。なくそテ原発柏崎大集会実行委員会は、この著名運動を支持し、運動成功に積極的に協力します。

 岸田政権は8月中旬、政権を投げ出しました。裏金問題をはじめ、核燃料サイクルに固執して原発回帰に踏み切ったことなど大きな国民的な批判を受けた結果です。これまでの重大な原発事故で明らかなように、人の手による原発の制御はできません。人類は原発と共存できません。直ちに原発推進政策をやめ、安全・安心・安価な太陽光や風力など再生可能エネルギーヘの大転換をはかる新たな政権が今こそ求められています。

 「なくそテ原発2024柏崎大集会」の閉会にあたり、改めて東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働を許さず、廃炉実現に向けて一層大き<、運動を進めていくことを、ここに宣言いたします。

        2024年9月29日「なくそテ原発2024柏崎大集会」参加者一同