2024年9月2日月曜日

九州電力が玄海原発3号機の「30年超運転」規制委に申請

 九州電力は30日、運転30年超を迎えた玄海原発3号機について、稼働を続ける場合に必要な「長期施設管理計画」の認可を原子力規制委申請しました。認可されれば34年3月まで運転が可能となります

 因みに玄海1号機は2009年の定検時、テストピース(試験片)の破壊試験で「脆性遷移温度」が98℃まで上昇していたため、玄海町長などの強い要求によって廃炉になりました(脆性遷移温度は中性子劣化の度合いを示す指標)。
 同2号機についても九電は運転延長の申請を断念しました。
 なお 玄海1号機の事例以降、各電力会社は「脆性遷移温度」を公表しなくなりました。極めて不明朗な話です。

  原子炉圧力容器脆性ワースト7

 

No

原子炉名

転 開 始

脆性遷移温度

試験片回収時期

年数

 

 

1

玄海1号

1975年10月15日

98℃

2009年4月1日

33

 

 

2

美浜1号

1970年11月28日

74℃

2001年5月1日

30

 

 

3

美浜2号

1972年7月25日

78℃

2003年9月1日

31

 

 

4

大飯2号

1979年12月5日

70℃

2000年3月1日

20

 

 

5

高浜1号

1974年11月14日

68℃

2002年111日

27

 

 

6

敦賀1号

1970年3月14日

51℃

2003年6月1日

33

 

 

7

福島1号

1971年3月26日

50℃

1999年8月1日

28

 

 東京新聞 11.7.2(原子力資料情報室作成の資料から)使用前の脆性遷移温度は-10℃以下
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九州電力が玄海原発3号機の「30年超運転」規制委に申請…認可されれば34年3月まで運転可能に
                            読売新聞 2024/8/31
 九州電力は30日、運転開始から30年超を迎えた玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町)について、稼働を続ける場合に必要な「長期施設管理計画」の認可を原子力規制委員会に申請した。2023年5月に成立した「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」に基づく措置で、認可されれば34年3月まで運転が可能となる。
 同法は運転開始から30年を経過する原発が対象で、玄海3号機などは同法施行前日の25年6月5日までに認可を得る必要がある。
 九電は川内1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)についても、今年6月に認可を申請している。